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相場展望12月18日号 米国株: 人工知能(AI)・半導体関連株に「たそがれ」到来か 中国株: 景気先行き懸念高まり⇒解決は、住宅価格下げ止まり策が第一 日本株: ハウテク株売りに、個人投資家の税金対策の売りが重なる
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)12/15、NYダウ▲41ドル安、48,416ドル
2)12/16、NYダウ▲302ドル安、48,114ドル
3)12/17、NYダウ▲228ドル安、47,885ドル
【前回は】相場展望12月15日号 米国株: 人工知能・半導体株に不透明感⇒景気・消費株に移れるか? 日本株: AI・半導体に一極集中⇒分散化の兆し 日銀の利上げ⇒円高傾向⇒物価上昇(インフレ)抑制となるか?
●2.米国株 : 人工知能(AI)・半導体関連株に「たそがれ」到来か
1)人工知能(AI)・半導体関連株に「たそがれ」到来か
・米国株株価指数の推移
12/1 12/15 差異 12/17 12/1比
NYSE FANG+ 16,561 15,747 ▲814 15,521 ▲1,040 ▲6.28%
NYダウ 47,289 48,416 +1,127 47,885 + 596 +1.26%
S&P500種 6,812 6,816 + 4 6,721 ▲ 90 ▲1.32%
ナスダック総合 23,275 23,057 ▲218 22,693 ▲ 582 ▲2.50%
半導体株 7,020 6,990 ▲ 30 6,695 ▲ 325 ▲4.62%
・人工知能(AI)・半導体関連株の巨額投資の資金回収疑念が高まる
人工知能(AI)の資金調達懸念が増す。オラクルなどデータセンターへの巨額投資を巡る収益不透明感から、株価下落が重荷となり、ハイテク株の株価が崩れる。要するに、ハイテク株安が重しとなり株式相場全体に波及した。特に、NYSE FANG+の10銘柄の下落率が大きく、先行きの不透明感を増幅させたもよう。
・NYSE FANG+とは、米国のIT企業大手4社である、フェイスブック(メタプラットフォームズ)、アマゾン、ネットフリックス、グーグルの頭文字をつないだ「FANG」に、6銘柄を加えた10銘柄に等金額を投資する株価指数のこと。
2)米国11月雇用統計・・失業率は2021年9月の+4.7%以来となる4年超ぶりの高水準
・非農業部門の就業者数は+6.4万人増。市場予想は+4万人増を上回った。
・失業率は+4.6%に上昇。市場予想の+4.5%をも上回った。
失業率の推移
2025年1月 +4.0%
2月 +4.1
3月 +4.2
8月 +4.3
9月 +4.4
11月 +4.6
トランプ2期政権以降、失業率は上昇している。トランプ氏は、失業率の上昇もバイデン政権の責任だ!と言うのか。
●3.「ルンバ」製造のアイロボット、連邦破産法11条適用申請、近年収益減 (ブルームバーグ)
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)12/15、上海総合▲21安、3,867
2)12/16、上海総合▲43安、3,824
3)12/17、上海総合+45高、3,870
●2.中国株 : 中国景気の先行き懸念の高まり⇒解決には、住宅価格下げ止まり策が第一
1)中国景気の先行き懸念の高まり⇒解決には、住宅価格下げ止まり策が第一
・12/15発表の中国11月経済指標で、(1)小売売上高の伸び鈍化 (2)内需の弱さが示され、景気先行きの懸念が増した。
・中国の個人消費支出は、GDP比で39%を占める。だが、先進諸国では約6割を占めている。つまり、中国の消費支出は国内総生産(GDP)比でみると大きくない。
・中国政府は景気刺激策として、電気製品買い替え補助金や自動車の購入補助金など手を打っている。
・しかし、消費支出のなかで大きなウェート占める家計は、消費支出増加できない状況にある。つまり、家計資産の7割が住宅投資に充てられ、その住宅価格が低下したため、固定化が進んだ。個人は給料削減や雇用不安のなかで、住宅購入借金の返済を優先している。そのため、中国政府が消費を鼓舞しても、消費支出がおいそれと増やせない状況にある。
・中国政府がGDP成長を願うなら、住宅価格の下げ止まり策と流動化策がまずは第一ではないか。
●3.中国の不動産投資・販売、1~11月期軒並み落ち込みが拡大(ロイター)
1)中国国家統計局が12/15に発表した、1~11月の不動産投資は前年同期比▲15.9%減で、1~10月の▲14.7%減から減少幅が拡大した。
2)不動産販売(床面積ベース)は▲7.8%減、新規着工(床面積ベース)は前年同期比で▲20.5%減、不動産開発業者の資金調達額は▲11.9%減で、いずれも1~10月から落ち込むが拡大した。1~10月期の不動産販売は▲6.8%減、新規着工が▲19.8%減、資金調達額が▲9.7%だった。
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)12/15、日経平均▲668円安、50,168円
2)12/16、日経平均▲784円安、49,383円
3)12/17、日経平均+128円高、49,512円
●2.日本株 : ハウテク株売りに、個人投資家の税金対策の売りが重なる
1)騰落リスク(6日)が上昇し、12/15高値警戒の増大を示す
・騰落レシオ(6日)の推移
12/5 12/10 12/11 12/12 12/15
72.86 108.42 09.09 102.79 151.79
・12/16~17の日経平均▲656円安で、騰落リスク(6日)は改善した。
12/16 12/17
96.00 99.85
・騰落レシオ(6日)は12/16~17に改善したものの、米国で新たにハイテク株に疑念が生じた。
2)日銀の政策決定会合は12/18~19、利上げが及ぼす株価高値意識を警戒
・日銀は12月の金融政策決定会合で、政策金利を+0.25%引上げて、+0.75%にするとの観測が強まっている。30年ぶりの水準となる。
・円相場は12/15に一時154円台後半まで円高へと一段高。
・一般的に、「利上げ」は株式相場にとって「逆風」。
3)日経平均と寄与上位の状況・・AI・半導体の一極集中⇒分散化の兆し
(1)12/15 、日経平均▲668円安、寄与上位5銘柄は▲695円安
・寄与上位5銘柄 寄与度 株価
アドバンテスト ▲357円安 ▲1,335円安
ソフトバンクG ▲214 ▲1,065
TDK ▲48 ▲96
ファナック ▲40 ▲240
東京エレクトロン ▲36 ▲360
合計 ▲695
・株価指数別では、日経平均を除く株価指数はプラスとまちまち
日経平均 ▲1.31%安
TOPIX +0.22%高
JPX日経400 +0.02%高
グロース250 +1.69%高
・日経平均は大幅安ながら、
・新高値銘柄数は209、新安値は11。
・値上がり銘柄数は1,218、値下がりは346。
と内容はあたかも日経平均が上昇したような状況であった。
(2)12/16 、日経平均▲784円安、寄与上位5銘柄は▲283円安で36.01%と大幅低下
・寄与上位5銘柄 寄与度 株価
アドバンテスト ▲74円安 ▲275円安
ファナック ▲61 ▲367
ソフトバンクG ▲58 ▲290
ファーストリテイ ▲50 ▲620
フジクラ ▲40 ▲1,190
合計 ▲283
・株価下落銘柄の広がりが目立った。
(3)12/17、日経平均+128円高、寄与上位5銘柄は+187円高
・寄与上位5銘柄 寄与度 株価
アドバンテスト +74円高 +275円高
ソフトバンクG +43 +215
東京エレクトロン +35 +350
ファナック +20 +119
リクルート +15 +147
合計 +187
4)日経平均、2週間ぶりに節目5万円割れ(12/16)
・気懸りなのは、25日移動平均割れで、日経平均は脆弱性をみせる。
・米国のハイテク株安、人工知能(AI)向けデータセンターの巨額投資への回収疑念から、不透明感が深まった。そのため、日経平均は負のスパイラルに入る可能性に注視したい。
5)個人投資家の年間利益確定の売りが始まったか
・年末を控え、個人投資家は年内で蓄えた利益を原資として、含み損を表面化する売りを出している。まして、米国株相場で、人工知能(AI)関連投資としてデータセンター巨額投資銘柄に買いが膨らんだ
・ところが、この巨額投資の回収疑念が生じ、投資資金の出し手の撤退する動きが出てきた。
・これを嫌気した関連株の売りが膨らんでいる。
・タイミング悪く、個人投資家の含み損株の実現損売りと、重なってしまった。来週にかけてこの流れが続くと思われる。
●3.日銀が1月にも保有ETFの売却開始、100年以上の長期売却計画(ブルームバーグ)
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・7180 九州フィナンシャル 業績好調
・8766 東京海上 利上げ効果期待
・9508 九州電力 業績好調
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