相場展望3月3日号 ロシア制裁で、(1)通貨▲5割暴落 (2)物価上昇2桁へ (3)株価▲5割暴落 (4)金利2倍の20%と大惨事の入口

2022年3月3日 09:46

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)2/28、NYダウ▲166ドル安、33,892ドル(日経新聞より抜粋
  ・欧米が、ロシアの銀行を国際決済網SWIFTから締め出す方針を打ち出し制裁強化が世界経済を冷やすとみた売りが出た。
  ・引けにかけて、ハイテク株に押し目買いが入り、下げ幅を大幅に縮めた。
  ・米財務省が2/28、ロシア中央銀行の米国の金融機関などとドル取引を禁じる追加制裁を実施すると発表した。
  ・相次ぐ制裁が、欧米とロシアの対立激化への懸念が強まっている。
  ・ロシアとウクライナは初の停戦協議の進展を見極めたいとのムードが強まったが、双方が持ち帰って検討すると協議を終えると、不透明感を嫌気した売りが出て、▲589ドルまで下げ幅を広げる場面があった。
  ・その後、年明け以降、下げが大きかったハイテク株が景気影響を受けにくいとされ押し目買いが入るとともに、米長期金利の低下も追い風となった。
  ・個別では、景気敏感株が売られ、金融のJPモルガン▲4%安、エムスリー▲3%安。一方、テスラ+7%高、セールスフォースやマイクロソフト、アップルが上げた。

【前回は】相場展望2月28日号 短期侵攻なら下落は一過性、本丸は金融引き締め 長期侵攻なら、原油・農産物高騰でインフレ加速

 2)3/01、NYダウ▲597ドル安、33,294ドル(日経新聞より抜粋
  ・ウクライナ情勢の悪化が世界経済を冷やすとの懸念が高まった。
  ・欧米の経済・金融制裁により、ロシアが信用危機に陥る可能性が意識され、投資家が運用リスクを回避する目的で、株式から債券に資金を移す動きが広がる。
  ・ロシアが侵攻する、ウクライナのキエフとハリコフなどで一般市民に対して無差別に攻撃していると伝わった。
  ・資源国ロシアからのエネルギー供給が滞るとの見方から、原油先物市場は106ドル台と7年8カ月ぶりの高値を付けた。
  ・インフレ圧力の高進による購買力の低下が、「世界経済の成長鈍化につながる」と懸念される。
  ・相対的に安全資産とされる米国債が買われ、金利は低下した。利ザヤ縮小の思惑からJPモルガンチェース▲4%安、Gサックス▲3%安となるなど金融株は下落し、ビザ・アメックス・ハネウェルなど景気敏感株が下げた。

 3)3/02、NYダウ+596ドル高、33,891ドル(日経新聞より抜粋
  ・ロシアがウクライナとの停戦協議を再開するとの意向を表明したとの報道を受け、地政学リスクの緩和を期待した買いが入った。双方の立場は隔たりが大きいが、停戦協議自体は投資家心理の改善につながった。景気敏感株の買戻しに加え、原油高で資源関連株への買いが目立った。キャタピラー+5%高・ダウ・スリーエム・金融株も反発した。
  ・前日はリスク回避で株式から債券に資金を移す動きが鮮明だったが、3/2は一転して債券売り・株買いが優勢となった。
  ・米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は3/2、米下院で議会証言した。地政学リスクの高まりを踏まえ、3月米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅利上げを見送り、通常の+0.25%の上昇幅にとどめる考えを示した。市場では「3月の利上げ開始は織り込み済みで、4月以降の利上げペースの関心が高い」として、相場への影響は限られた。

●2.ロシア、欧米の制裁で「株価・通貨・インフレ」のトリプル悪化 

 ⇒ 1991年ロシア金融危機を超えるリスクの可能性 ⇒ カントリーリスク表面化

 1)経済指標は悪化を示す : 投資資金の国外流出、輸入品物価の高騰
  (1)ロシア株価(ロシアRTS指標)
    高値 1/03 1,640
    安値 2/24  610 1/3比▲62.8%と暴落、2/24だけで▲50%下落
    直近 2/25  936  政策金利20%に引上げ決定で反発、1/3比▲42.9%下落
    2/26から証券取引所閉鎖が継続中。

  (2)ロシアのインフレ率 : ハイパーインフレに向かい、国民の不満拡大へ。
    2021年04月  5.53%
    2022年01月  8.4%  食料インフレ率は11.09%
    2022年02月  8.73%  経済制裁による物価高の影響で、インフレ率2桁へ。

  (3)通貨ルーブル : ロシアの信用急低下、輸入物価急伸、海外からの投資急減。
    1/初頭   75ルーブル/USドル
    2/23    81
    2/24    90
    2/28    120  ・1月初頭比▲60.0%下落、1/23比▲46.9%下落。
    3/02    105.2 ・1月初頭比▲40.0%下落、1/23比▲40.2%下落。
             ・ロシア政策金利20%への引上げ効果と、輸出企業に対し売上の80%の外貨売却を義務化した通貨防衛策との効果で戻す。 
             ・歯止めがかからないと、国外への資金流出と輸入物価高で国内経済は最悪へと向かう可能性がある。

  (4)ロシア政策金利の推移
    2021年02月 4.25%
    2021年12月 8.50%
    2022年02月 9.50%           
    2022年2/28 20.00% ・2月に入って2回目で、9回連続の利上げ。
               ・通貨安に伴うインフレ加速の抑制のため緊急利上げ。
               ・アルゼンチンの42.5%に次いで世界2位の高金利。トルコの14%をも上回る。
 

●3.欧米のSWIFT除外によるロシアの影響

 1)原油販売の減少による輸出減で、財政収入の減少
  ・ただし、原油価格は約140ドル近辺に上昇予想。
  ・原油先物市場でWTI原油は2/28、+7.5%高⇒3/2 111.35ドルに加速

 2)通貨「ルーブル」の急落
  ・1991年のロシア金融危機よりはるかに悪い状況になる可能性。
  ・SWIFT除外による通貨危機において、外貨準備を使った介入能力が大幅低下し、急落局面では一方的になりやすい。
  ・ロシア国民は、制裁で通貨安を懸念、外国通貨を求めATMに長蛇の列(ブルームバーグ)
  ・通貨ルーブルは2/28、オフショア市場で▲30%下落。(ブルームバーグ)
  ・ルーブルは2/28、対ドルで最安値を記録した。(ロイター)
   アナリストは、「ロシアが保有する金は、外貨と交換できなければ流動性がない。ルーブルは完全に崩壊するだろう」と予想した。

 3)貿易の急激な縮小で、多くの輸入が途絶える
  ・ロシアの物価上昇が直近+8.4%⇒2桁上昇となり、国民生活を圧迫する。

 4)軍事費の調達に困難性が増す
  ・原油販売減少もあり国庫収入減。
  ・ウクライナ侵攻戦費の調達に支障が出て、侵攻作戦継続に影響が出る可能性。

 5)ロシア中央銀行の外貨準備金に対する欧米諸国からの凍結
  ・通貨ルーブル急落時の介入資金が用意できず、さらなる暴落を招く。
  ・膨張する軍事費の転用に事欠く。
  ・貿易取引の制約となり、取引の限界と縮小化が進む。
  ・国家予算は緊縮のなかでの軍事優先であり、民生支出はさらに削減されるだろう。
 
 6)ロシア国債の格付け低下で、ロシア国債の販売・資金調達の困難性が増す。

 7)ロシア株式・債券市場において急落

 8)ロシアに投資していた資金の海外逃避
  ・外貨準備資金の減少

 9)インフレ圧力がさらに加速し強くなる
  ・通貨下落に伴う輸入物価上昇。
  ・ロシアに輸出していた業者は、資金回収不安から輸出量の大幅低下。
  ・輸入量減で、国内流通価格のさらなる上昇がロシア国民の生活を直撃。

 10)ロシア中央銀行は経済制裁を受け主要政策金利を2倍の大幅引上げ(ブルームバーグ)
  ・2月に引上げて9.5%⇒2/28にさらに2倍となる20%への緊急利上げ
  ・引上げ理由は、経済が「根本的」変化を受けたため。
  ・今までの金利引上げで後退傾向のロシア経済に決定的追い打ちとなり経済悪化必至。
 
 11)原油価格は大幅上昇が見込めるが、ロシアの原油販売量は縮小する方向に

 12)SWIFTの制約内容次第では、ロシア経済は壊滅的打撃
  ・制裁対象を、「一部」銀行としている点に注目。
  ・SWIFT排除は、(1)円滑な貿易取引が難しくなり、ロシア経済と国民生活、ウクライナ侵略の軍費に深刻な打撃をもたらすとともに、(2)欧米諸国の企業・銀行・国民にも大きな痛みを及ぼす。
  ・欧米諸国の企業・銀行・国民にも大きな痛みを及ぼすが、耐えられる範囲。「制裁」は、ロシアの骨を切って、米欧は身を切るイメージ。
  ・ただし3/1時点では、制裁の対象銀行が明らかにされていない。よって、制裁対象が軽微・抜け穴があると、攻撃的ではなく「口撃」になり得る。
  ・制裁内容が、ズベルバンクやVTBなど大手銀行を対象にし、抜け穴も封じたものになると、ロシア経済に深刻な打撃をもたらすことになる。1991年ロシア金融危機より、はるかに悪い状況になるといえそうだ。
  ・ズベルバンク傘下の西欧に所有する銀行に取り付け騒ぎが広がり、存続の危機にあると言われている。

 13)EUは3/2、国際決済網から排除を発動、ロシアの7銀行が対象(時事通信)
  (1)ただ、ロシア最大手の国営ズベルバンク、国営天然ガス独占企業のガスプロム傘下のガスプロムバンクは、排除対象から外した。
  (2)対象は、ロシアで銀行2位の国営VTB、バンクロシア、ノビコムバンクなど7行。
  (3)ドイツなどに考慮したと思われる。

 14)日本の影響は、GDP比で最大約▲5兆円規模の減少が見込まれる。
  ・ロシア投資の評価額減損・回収の困難性高まり。ロシアの国内需要減によるロシア進出工場の操業低下。ロシアとの貿易減少。ロシア株式・債券投資市場の急落により、評価損拡大。売却できても日本等への資金移動ができなくなり、資金が滞留。
  ・ロシア産原油・天然ガス・小麦・木材価格の急伸でインフレ圧力が増す。これは、ロシアにとっては数少ない朗報となる。
  ・欧州向け航空便の制約で、ビジネスに負の影響。

●4.ウクライナ関連(国家レベル)

 1)ロシアは欧米による金融制裁を想定し、外貨準備などを分散か(フィスコ)
  ・最近、EU諸国の影響下にない国の中央銀行に外貨準備を移動したとみられ、制裁措置は半減されたとの見方が出ている。

 2)欧州委員長2/27、「EUへのウクライナの参加を望む」と発表(CNN)
  ・「プーチン大統領への信頼は完全に壊れ、損なわれた」と述べた。
  ・ウクライナへの武器供与を発表した。
  ・EUは、ウクライナへの軍事支援4.5億ユーロ(約580億円)に同意。(ブルームバーグ)

 3)ウクライナ大統領は2/28、EU加盟申請書に署名した(ロイター)

 4)永世中立国スイスの大統領は、ロシア資産を凍結する公算大と述べた(ロイター)
  ・スイスにあるロシア関連資産は2020年に112.4億ドル。

 5)ノルウェー、政府系ファンドからロシア資産排除(ブルームバーグ)

 6)ベラルーシは2/28にも、ロシア支援でウクライナ派兵準備と報道(ブルームバーグ)

 7)スウェーデンは2/27、国是を破りウクライナに兵器供与(時事通信)
  ・1939年にフィンランドが当時のソ連から侵攻を受けて以来のことになる。
  ・提供する兵器は対戦車砲が中心となる。

 8)デンマーク、ウクライナ外人部隊への国民参加を容認(AFP)

 9)ドイツ政府は、ノルドストリーム2の運営会社の破産を検討(時事通信)
  ・事業規模110億ドル(1兆2,500億円)、2021年完成。独政府が認可停止(毎日新聞)
   事業内容は、ロシア産天然ガスをドイツに送るパイプライン建設と運用。

 10)米国は、ロシア航空機の米領空の飛行禁止、3/2深夜までに完全実施(ロイター)

 11)日本の制裁
  ・日本政府は2/28、「ベラルーシへの制裁検討、政府高官対象」と国会答弁(時事通信)
  ・ロシア中央銀行との取引制限

●5.ウクライナ(企業関連)

 1)英石油大手BPは、露ロスネフチの株式を売却し実質撤退を表明(共同通信)
  ・BPはロスネフチ株の19.75%を取得し、取締役も派遣していた。
  ・BPの財務に、最大250億ドル(約2兆8,900億円)の打撃となる。(ブルームバーグ)

 2)英シェル、露天然ガス事業「サハリン2」撤退、三井物・三菱商の対応?(読売新聞)

 3)エクソンモービル、サハリン1の操業を停止へ(ロイター)
  ・ロシアには新たな開発投資はしないと表明した。

 4)アップルは3/1、ロシアでの販売停止、アップルペイ利用も制限(ロイター)

 5)米GM、ロシア向け自動車輸出を全面停止(CNN)

 6)日本企業の動向
  ・三菱自動車 ロシアの生産販売停止の可能性、制裁で部品供給滞る懸念(ロイター)
  ・トヨタ   ロシア工場の生産停止へ、SUVなど年間8万台(朝日新聞)
  ・ホンダ   ロシアへの乗用車・オートバイ輸出停止、物流・金融混乱(ブルームバーグ)

●6.パウエルFRB議長の議会証言要旨(フィスコ)

 1)3月利上げは適切。

 2)利上げ後にB/S縮小を開始する。多くは償還期限がきた債券失効分。

 3)労働市場は非常に逼迫、インフレは目標上回る。

 4)ウクライナの戦争の米国経済への影響は、かなり不透明。

●7.米2月製造PMIは57.3、予想57.5を下回る(フィスコ)

●8.投資マネーの現金化が急増、ロシア制裁の影響見極めで守りの姿勢(ブームバーグより抜粋

 1)米投資信託協会(ICI)によれば、ロシア制裁の議論が高まる2/23終了の週に、MMFに50億ドル(約5,700億円)が流入した。

 2)ロシアに対する金融制裁を受け、世界的な景気回復が抑制されるとの懸念から、多くの投資家は株式やハイイールド社債を売却している。

 3)「守りの形態の1つに、現金の引上げ」との指摘があり、「暗い時期には、貴金属が上昇し、現金水準が高まる傾向」がある。

●9.IEA、石油備蓄6,000万バレルを各国の協調で放出へ(朝日新聞)

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)2/28、上海総合+10高、3,462(亜州リサーチ)
  ・中国経済対策への期待感が持続する流れとなった。
  ・中国では週末の3/5、全国人民代表大会(全人代)を開催する。景気テコ入れに向け、各種方針が打ち出される見通しだが、上値は限定的だった。
  ・欧米が、国際決済システムの国際銀行間通信協会(SWIFT)から、ロシアの一部銀行を排除することを決定するなか、世界経済や金融の混乱が危惧された。
  ・また、ロシアとウクライナの停戦交渉が2/28に開始予定で、買い控えられた。
  ・業種別では、石炭・石油が高く、反面、ホテル・観光・家電が売られた。

 2)3/01、上海総合+26高、3,488(亜州リサーチより抜粋
  ・中国景気の先行き楽観が強まる流れとなった。
  ・中国2月製造業PMIは50.2、低下予想(49.8)に反し前月実績50.1を上回った。中国の経済対策への期待感が根強い。
  ・中国は3/4に、重要政治イベントの「両会」(全国政治協商会議と全国人民代表大会)がスタートすることもあり、株価指数は徐々に上げ幅を広げた。
  ・業種別では、消費関連の上げが目立ち、不動産・金融・インフラ関連も高い。反面、非鉄は冴えなく、発電・公益などが売られた。

 3)3/02、上海総合▲4安、3,484(亜州リサーチより抜粋
  ・世界経済の混迷が懸念される流れとなった。
  ・ロシアのウクライナ侵攻を受け、西側諸国は金融や経済などの各分野で制裁を一段と強化している。
  ・貿易停滞を背景に、原油や貴金属が高騰。
  ・個人消費の冷え込みや、企業収益の悪化も危惧される。
  ・もっとも、下値を叩くような売りはみられない。
  ・中国経済対策への期待感が相場を下支えした。
  ・業種別では、ITハイテク関連の下げが目立ち、金融・医薬品・防衛が売られた。反面、エネルギー・非鉄が上がり、不動産・メディア関連が買われた。

●2.中国、対外貿易に大きな下げ圧力、内需喚起に尽力へ(ロイター)

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)2/28、日経平均+50円、26,526円(日経新聞より抜粋
  ・週末のウクライナ情勢を巡る混迷の深まりが相場の重荷となったが、停戦協議への期待で買いが入った。
  ・米欧諸国は2/26に国際銀行間通信協会(TWIFT)の決済網からロシアの一部銀行を締め出す方針を出し、日本も参加を表明した。主要国が相次いでロシアに対する追加経済制裁に動いて世界経済への影響が警戒され、日経平均の下げ幅は一時▲200円を超えた。
  ・その後、停戦協議の結果を見極めたいとして、売りが控えられ、買戻しが入った。「ロシアのSWIFT排除が、一部銀行に限定され実効性は高くない」との声があった。
  ・日本郵船・川崎汽船・日本製鉄・住友鉱が高く、三井物・JT・日産自が売られた。

 2)3/01、日経平均+317円高、26,844円(日経新聞より抜粋
  ・ウクライナに侵攻したロシアに対する欧米や日本などの追加金融制裁が明らかになり、市場の過度な警戒感がひとまず和らぎ、日本株に買いが入った。午後に上げ幅を広げ、27,000円台に乗せる場面もあった。
  ・欧米主要国や日本が国際決済網SWIFTから、ロシアの大手銀行などを排除することを決め、ロシア中央銀行によるドルなどの外貨取引を禁じた。
  ・追加制裁が明らかになったことから、投資家のリスク回避の姿勢が和らいだ。
  ・米金融政策を巡っては、米連邦準備制度理事会(FRB)が米国のインフレ対応だけでなく、ロシアへの金融制裁がもたらす金融市場への影響にも配慮するとの見方が強まった。
  ・米国の長期金利の流れに一服感が出ており、高PERの銘柄に見直し買いがあった。
  ・2/28には停戦に向けての対話があったが、情勢は流動的とあって上値では戻り売りが出やすかった。
  ・海運株の上昇が目立つ一方、TDL・りそな・凸版・三井物・AGCが売られた。

 3)3/02、日経平均▲451円安、26,393円(日経新聞より抜粋
  ・ロシア軍によるウクライナへの攻撃が、首都キエフでも激化するなか、各国はロシアに対する経済制裁を強化している。
  ・世界景気や企業業績に与える影響を懸念した売りが、相場を下押しした。
  ・世界展開するトヨタ・ホンダ・デンソーなど自動車関連の下げが目立った。
  ・株式から債券に資金を移す動きがみられるなか、米長期金利が低下し、利ザヤ悪化の思惑から保険・銀行が売られ、日経平均は一時▲500円超下げるなど、投資家のリスク回避姿勢が改めて強まった。
  ・このところ買われたエムスリーといったグロース株に売りが及んだ。一方、NY原油先物価格の上昇で、INPEXが大幅高となった。資源の需要逼迫が警戒される、非鉄金属などに買いが目立った。

●2.GPIFのロシア関連資産は、2021年3月時点で約2,200億円(ロイター)

 1)年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の保有ロシア関連資産内訳:債券500億円、最大手銀行ズべルバンク株式1700億円。

●3.国内自動車販売台数2月、前年比▲18%減、3カ月連続で前年割れ(読売新聞)

●4.企業動向

 1)森永乳業 家庭用チーズ28品目を4/1から値上げ(FNN)
 2)味の素  家庭用品向け調味料など25品目を6/から2~13%値上げ(FNN)

●5.企業業績

 1)森永製菓 3月通期純利益+128⇒280億円上方修正(フィスコ)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・8088 岩谷産業      業績堅調
 ・2412 ベネフィット・ワン 業績堅調
 ・3679 GMOペイメント    業績堅調

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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