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相場展望1月23日号 米国株: トランプ氏の大統領就任ご祝儀相場が、いつまで続くのか注目 日本株: 大幅上昇でボックス圏の天井に接近
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)1/20、祝日「キング牧師生誕祭」のため休場
2)1/21、NYダウ+537ドル高、44,025ドル
3)1/22、NYダウ+130ドル高、44,156ドル
【前回は】相場展望1月20日号 米国株: 大統領就任式の「ご祝儀相場」で株価上昇⇒反落に注意 日本株: ボックス圏下限まで下落⇒海外投機筋の買い主導⇒反発予想
●2.米国株 : トランプ氏の大統領就任お祝儀相場が、いつまで続くのか注目
1)NYダウは▲3,076ドル安⇒大統領就任式の祝儀相場+2,218ドル高と反発
・NYダウの推移
12/04 45,014ドル
01/10 41,938 ▲3,076ドル安・▲6.83%下落
01/22 44,156 +2,218ドル高・+5.28%反発
・NYダウは、▲3,076ドル下落幅に対して、1/22 には+72.10%の値戻しを達成。前年戻しまであと一歩となった。
2)半導体のSOX指数は、チャートでみてもNYダウを上回る勢い
・特に、人工知能(AI)に対する期待が高まってPHL半導体株(SOX)指数はNYダウを上回る上昇となっている。
・材料としては、ソフトバンクG・オープンAI・オラクルの3社連合による78兆円(4年間)のデータセンター関連への投資が期待を膨らませている。トランプ氏による大統領就任時での発表で、祝儀案件として、その効果は抜群のタイミングであった。
3)ソフトバンクGの資金集めに留意したい
・3社連合でのデータセンター等の巨額投資であるが、トランプ政権の一翼を担うマスク氏が批判的である点が気になる。トランプ政権内で早くも亀裂が垣間見れる点が気懸りである。
・78兆円もの資金集めの中核がソフトバンクGとみなされている。3社合弁会社でソフトバンクGから「会長」を派遣することになっている。ソフトバンクGが、どれだけ資金集めができるか?注目したい。
・資金集めの進捗次第では、不透明感が出てくる可能性がある。
4)トランプ氏のご祝儀相場が、いつまで続くのか注目
・半導体株指数(SOX)の上昇勢いはあるが、1/22のNYダウの勢いが見劣りする。年末・年始の下落幅に対して、戻り率が72.1%となり、戻りも胸突き八丁に差し掛かっている。
・長期金利も上昇から一服して、株式相場の追い風となってきた。しかし、1/22は上昇に反転する兆しを示した。
・トランプ氏の大統領選挙のラリーも短期間で終了した。大統領就任祭りも、いつまでも続かない。
●3.トランプ大統領、意向に従わない政府高官らの解任を開始(TBS)
●4.トランプ氏は1/22、ウクライナ合意なければ、ロシア・他の参加国に高関税・制裁(ロイター)
●5.トランプ大統領、EUにも関税を検討、「彼らは我々の車・農産物を買わない」(毎日新聞)
1)米国の2023年のEUに対するモノの貿易赤字は▲2,016億ドル(約▲31兆円)。
●6.独仏首脳が1/22に会談、トランプ関税をにらみ結束アピール(ロイター)
●7.トランプ政権、移民対策に抵抗する当局者を刑事捜査へ(ロイター)
●8.トランプ氏発表の大型AI投資計画、マスク氏が実現性を公然と疑問視(ブルームバーグより抜粋)
1)トランプ氏はこの計画について「これは私にとって非常に大きなことだ。極めて特別なものになるだろう」と高評価しており、マスク氏の発言は、始動したばかりのトランプ政権内で亀裂が生じていることを示唆している。
2)マスク氏は発表の数時間後、「彼らは実際に資金を持っていない」と投稿。「ソフトバンクGが確保しているのは100億ドル(約1兆5,700億円)を大幅に下回る額だ。信頼できる筋からその情報を得ている」と述べた。
3)孫氏によれば、米国・オープンAI、オラクルの3社の共同出資事業が1,000億ドルを直ちに投じ、データセンターやキャンパスを含むAIプロジェクト投資額を今後4年で少なくとも5,000億ドルに増やすことを目指す。
4)オープンAIのアルトマン最高経営者(CEO)は1/22、X上でマスク氏の投稿内容は「間違っている」と批判した。マスク氏のAIへの取り組みと競合するため、腹を立てているとの見方を示唆した。
●9.トランプ氏、ケネディ元大統領とキング牧師など3人の暗殺の機密文書公開へ(ロイター)
1)ケネディ大統領(当時)の暗殺は1963年、キング牧師とロバート・ケネディ氏は1968年に暗殺された。
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)1/20、上海総合+2高、3,244
2)1/21、上海総合▲1安、3,242
3)1/22、上海総合▲29安、3,213
●2.中国政府、株価支援策として、保険会社と年金基金に株式投資拡大を指示へ(ロイター)
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)1/20、日経平均+451円高、38,902円
2)1/21、日経平均+125円高、39,027円
3)1/22、日経平均+618円高、39,646円
●2.日本株:大幅上昇でボックス圏の天井に接近
1)薄商いが続くなかでの株高
・売買金額は3兆円台が続くなかで株価上昇となっている。
・警戒すべき材料
・トランプ関税
・日銀の利上げ
・円相場の乱高下
2)1/22の日経平均は+618円高、他の主要株価指数と比べ突出⇒調整訪れる可能性
・1/22主要株価指数の上昇率
日経平均 +1.58%
TOPIX +0.87
日経400 +0.79
グロース250 +0.42
・日経平均の上げ幅の3分の1が、ソフトバンクGの株高が貢献した。
3)ソフトバンクG、米国で4年間・約78兆円の巨額AI開発投資発表で株価1万円台
・トランプ大統領は1/21、記者会見を行い「次世代AIを駆動するための物理的・仮想インフラを構築する」と発表した。
・下記の3社が合弁会社「スターゲート」を設立、米国各地にデータセンターなどを構築する計画。
オープンAI社・・・チャットGPT開発
オラクル ・・・ソフトウェア企業
ソフトバンクG ・・強大な資本力を持つ
4)出来高が薄いのなかでの大幅株高にリスクをみる
・11/22の空売り比率が39.0と低いなかで、少ない買いで株価大幅上昇が気になる。
・出来高が薄いなかでの日経平均は、いったん反落すると急落につながりやすい。つまり、下支えする力不足が露呈しやすい。
5)日経平均は38,000~40,000円のボックス圏で動いてきたが、大幅上昇で天井に接近
・今回の上げ相場の主導は、短期海外勢である。彼らの過去の動きから、40,000円近辺で利益確定の売り転換が予想される。
・トランプ氏の大統領就任祝いラリーの終了もまもなく訪れるだろう。
・「節分天井」という格言もある。そろそろ反落に備えてよいと思われる。
●3.ガソリン185円、補助金縮小で1年5カ月ぶりの高値(TBS)
●4.オリックス、インド環境大手・グリーンコー株式を譲渡へ、約2,280億円で(ブルームバーグ)
1)グリーンコーは、インド国内で太陽光や風力、水力発電などの再生可能エネルギー施設を運営している。オリックスは2021年3月に出資し、現在の株式保有比率は20%。
2)一方、この株式譲渡とは別に、親会社が発行する総額7.31億ドルの転換社債(CB)を引き受けるとも発表。
3)売却益は約965億円を計上見込みだが、業績予想には織り込み済み。
●5.米国FDA、アストラゼネカと第一三共の乳がん治療薬を承認(ロイター)
●6.国内電力需要、2034年度には5.7%増加見込み、今年度から増加傾向に(NHK)
1)国内の電力需要は2011年の東日本大震災以降、節電意識の高まりや、人口減少を背景に減少傾向が続いてきたが、大量の電気を使うデータセンターや半導体工場の増加で、今年度からは増加傾向に転じる。
●7.ネットの違法動画に大手企業84社が広告出稿、ユーチューブやXを民放連調査で判明(産経新聞)
1)ユーチューブだけでも違法動画に17億円の広告費が流出した可能性。
2)ユーチューブ、X、フェイスブック、ティックトックを合わせた全体で約460社が広告を出していた。うち、テレビCMを出す機会も多い「大手広告主」は84社に上った。
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・3182 オイシックス 業績好調
・6955 FDK 業績好調
・7735 SCREEN 業績好調
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