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■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)1/7、NYダウ+211ドル高、31,041ドル
・バイデン氏の大統領選挙での勝利が議会で確定し、政局不安が後退し相場は上昇。
・民主党が上下院で主導権を握る構図となり、大規模な財政出動への期待が高まり、幅広い業種が買われた。
・前日に下げていたハイテク株も規制強化は難しいとの見方で買われ相場を牽引し、長期金利の上昇で金融株も買いが先行した。(時事通信)
【前回は】相場展望1月7日号 米上院は民主党主導権、米10年国債利回り1%超 ⇒NYダウは良い所取りで急騰、GAFAMは逆風か
2)1/08、NYダウ+56ドル高、31,097ドル
・米12月雇用統計の悪化が、むしろ経済対策の実施の可能性が高まったと受け止められ、4日連続で続伸。(日経新聞)
・バイデン次期大統領が景気回復に向けた大規模な追加支援策の詳細を公表すると述べたことを好感した。(ブルームバーグ)
3)1/11、NYダウ▲89ドル安、31,008ドル
・トランプ大統領が連邦議会議事堂襲撃に絡み扇動したとして弾劾手続きに入ったことを受け、大規模な景気刺激策の導入が遅れる可能性が懸念された。(ロイター)
●2.米株式市場は、米政治混乱が契機となって転換点を迎えるか注視
1)懸念される材料
(1)株式市場は政治的混乱を嫌う
(2)長期金利上昇が株式の割高感につながる
(3)インフレ率上昇による逆風が吹く
●3.米10年国債続落し、1/11の利回り1.144%に上昇、バイデン政権の財政拡大と政治的混乱を織り込む(ロイター)
1)バイデン次期大統領は、民主党が米議会を支配することを追い風に、「数兆ドル」規模の追加財政支出を約束している。
●4.米長期金利上昇で、ドル安・円高⇒104.22円とドル高・円安に転換
●5.米連邦捜査局(FBI)は大統領就任式1/20前に武装抗議行動を計画と警告、首都ワシントンで警戒強化(ロイター)
●6.米12月雇用統計、就業者は前月比▲14万人減と予想外、雇用環境厳しさ続く(NHK)
1)新型コロナ感染拡大によって、12月就業者数は8カ月ぶりに減少。12月予想は+5万人増、11月は+33.6万人増だった。(フィスコ)
2)失業率は6.7%、前月と同水準。
●7.NY金先物2月限は1,843ドルと大幅安、米長期金利上昇で嫌気(フィスコ)
●8.WTI原油先物2月限は、サウジ減産で需給やや逼迫との見方で一段高(フィスコ)
●9.米12月ISM非製造業指数は予想54.5を上回り57.2と、9月来で最高(フィスコ)
1)前月11月は55.9だった。
●10.労働省発表の新規失業保険申請件数は前週比3,000件減少の78.7万件(フィスコ)
1)失業保険継続受給者数も507.2万人と、3月中旬以来で最小
●11.商務省発表の11月貿易収支は▲681億ドルと、2006年8月以降14年ぶり最大(フィスコ)
●12.半導体不足で、米自動車大手フォードとフィアットは北米で減産相次ぐ(時事通信)
1)トヨタもテキサス州の工場で減産検討を明らかにした。
●13.欧州
1)独コメルツ銀行はコロナ禍で新たに不良債権等2,670億円の特別損失(ブルームバーグ)
2)独ドイツ銀行は、贈賄や貴金属の価格操作で米当局に1.25億ドル支払い(ロイター)
3)英金融監督当局は、暗号資産(仮想通貨)への投資は「全ての資金失う」覚悟と強く警告
・英金融行動監視機構(FCA)は1/11声明で、「暗号資産への投資・融資は高いリスクにさらす」と指摘し、「投資する場合は、全ての資金を失う覚悟をすべきだ」と言明した。(ブルームバーグ)
4)ビットコインは1/11、一時▲19%急落し昨年3月以来の下落率、終値▲9.7%(ロイター)
・バンク・オブ・アメリカは11/8、ビットコインの値上がりについて、ドットコムバブルや2000年代の中国、1970年代の金の「バブルをかけ離れた規模の急騰だ」と指摘した。
5)英財務相は1/11、英経済はコロナ都市封鎖で一時的悪化する見方を示す(ロイター)
6)欧州株1/11は、約10カ月ぶり高値となった株式を見直し、景気敏感株を中心に売られた(ブルームバーグ)
・新型コロナ感染者数が欧州と中国本土で急増し、世界の景気回復に冷や水を浴びせるとの懸念が高まり、欧州株式市場は反落した。(ロイター)
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)1/7、上海総合指数+27高、3,576
・米景気対策で回復すれば、中国経済も恩恵を受けるとの期待強まる(日経新聞)
2)1/8、上海総合指数▲6安、3,570
・5年ぶりの高値圏で、利益確定売りがやや優勢。
3)1/11、上海総合指数▲38安、3,531
・新型コロナ感染者数が再び増加傾向を辿っているとして、空運・保険を中心に売られた。北京市に隣接する河北省の省都・石家荘が1/8に大規模な都市封鎖を実施すると発表した。(亜州リサーチ)
●2.中国で新たな変異ウイルス? 河北省の省都・石家庄に事実上の『都市封鎖』(WOW!Korea)
1)この変異ウイルスは、英国発・南アフリカ発とは異なる新たなウイルスとして調査。
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)1/7、日経平均+434円高、27,490円
・米NYダウ急騰を受け、出遅れていた景気敏感株が幅広く買われた。
・米国株の下落予想で、日本株を空売りしていた売り方の買い戻しが入り、上昇を加速させた。
2)1/8、日経平均+648円高、28,139円
・米NYダウ・ナスダック・SP500の上昇を背景に、踏み上げられた売り方の買い戻しもあって上げ幅を拡大した。
●2.日本株で気になる点に注目
1)米政治混乱の日本株への波及効果。
2)急騰する株式市場と実体経済との乖離大きくなってきている。
3)1月後半から本格化する企業決算が相場に与える影響を注視する。
4)過剰マネー顕在主導で高くなったPERが気になる。
5)業績悪化なのに期待先行で株価が上昇している銘柄が目立つ。
・富士通、日立製など
6)個別株で踏み上げられて、売り方の買い戻しで上昇するパターンが目立つ。
7)海外投資家(短期筋)の買い姿勢の変化。
●3.外国人動向は日本株の売買シェア減少(12月第5週12/28~30で60.9%)
1)通常の外国人売買シェアは70~74%だが、国内勢の売買が優勢となっている。
2)海外投資家の買越額が細っている。
11月合計 1兆5,113億円
12月合計 5,238億円
3)先物市場で海外投資家の買い残高枚数が減少に転換
11/26 280,240枚
01/07 241,998枚(▲13.6%減少)
●4.日本の自動車メーカーが相次いで国内減産へ、半導体の品薄が影響(NHK)
1)減産理由
(1)自動車向け半導体が品薄で調達が難しくなった。5G関連やテレワーク拡大によるパソコン関連で需要が高まっている。
(2)旭化成の自動車向け半導体生産子会社が昨年10月火災で操業停止。
2)減産会社 ホンダ、日産、SUBARUなど。
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・5021 コスモエネ 原油高と洋上風力発電。
・4112 保土ヶ谷化学 業績好調。
・4516 日本新薬 業績好調。
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