前科を背負う人たちを真に立ち直らせる道筋

2020年1月1日 09:32

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 私は日頃、「僕が悪事に手を染めないのは、刑務所行きになったら酒が飲めなくなるしタバコが吸えなくなるからだ」と嘯いている。

 12月29日の東海テレビが電子版で、<塀の中はまるで“介護施設”に・・・進む『刑務所の高齢化』出所後経済的困窮などで再犯率高く>、と題する記事を配信した。

 5年程前のこと。知人の弁護士から前科を背負う人たちの「出所後(罪を償った後)の厳しい生活ぶり」を聞いたことがある。「生活保護は受けたくないけど、前科者が定職を得るのは容易ではない。生活保護に頼らざるを得ないのが実態」だと聞かされた。

 改めるまでもないだろうが、憲法25条は「国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定めている。生活保護は「25条」を保障し自立を助ける為の制度。収入が国の定める最低生活費を下回れば、「生活費に回せる預貯金や不動産、月掛け保険料がない」ことなどを条件に不足分が支払われるという枠組みである。

 ちなみに厚労省の発表では2017年2月末の生活保護受給者は214万1881人。65歳以上の高齢者を中心とする世帯の割合が5割を超えている。指摘されている、老齢貧困層問題を示している。

 勿論、生活保護受給者=前科を背負う人ではない。だが弁護士から話を聞いた後に、詳細は省くが17年9月24日付けの千葉日報で<「働くと支給減るから」 刑務所出ても職続かず 【貧困の闇生活保護のいま】>という記事を読んだ。そこには出所後の前科を背負う人が生活保護に頼らざるを得ない様子が具体的に記されていた。

 では前科者は出所後、どうすればいいのか。私などに容易に答えが見いだせる課題ではない。ましてや「介護が必要」な出所者となると尚更である。が、答えのヒントになりうる、と思える報道に出会った。11月26日付けの朝日新聞デジタル版の『出所者向け求人誌、自治体で初 再犯防止と人材確保狙う』と題する記事だ。内容を要約すると次のようになる。

★熊本市が刑務所や少年院の出所者を対象とした、自治体としては初の専門求人誌:Change(チェンジ)を発行した。25社の求人情報が掲載されている。

★給与・勤務時間・休日・社員寮など専用住宅や食事の有無など、待遇も詳細に記されている。

★250部が作成され、保護観察所・刑務所・少年院など矯正施設に配布。

★巻頭インタビューでは少年院に収容された自らの過去を公開し、現在は建設会社の社長である人物の「仕事は生活の根幹。更生する姿を温かい目で見守る企業が増えれば、社会全体もよくなると思う」とする信条が記されている。

 他の自治体にも、是非検討してほしい。

 民間では同様のどんな求人誌が発行されているのか、調べてみた。2018年3月に、非行・犯罪歴のある人の雇用を考える企業の支援サービスを手掛ける:ヒューマン・コメディ社が、『Chance!!』第1号を発行している。日本初の受刑者専門求人誌。3カ月に1回のペースで1号に15社前後の求人が掲載されている。付属の履歴書には「指詰めの有無」「再犯の可能性について」などの記入欄もある。

 受け入れ体制(受け皿)が増えることこそ、再犯を防ぎ「よい社会につながる」一策といえよう。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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