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消費増税迫る! (3-2) 同じ商品を扱っていても、企業によって課税スタンスは違う?
消費増税に関して話題になっているのは、外食チェーン店での取り扱いだ。イートインとテイクアウトの、課税前価格を同じにするチェーンと、双方の価格に敢えて2%分の差額を付けるチェーンがある。
【前回は】消費増税迫る! (3-1) 軽減税率と負担緩和措置、ポイント還元制度の概要
前者は”一物一価”という経済原則に則っているが課税後の価格に差が出る、後者には経理処理の煩雑化を回避する思惑があるが、同一商品なのに課税前の価格に差がある。それぞれのチェーン本部の考え方の違いが価格に現れることになるが、利用者としては戸惑うことになりそうだ。
フランチャイズチェーン(FC)を展開するコンビニにもわかりにくい問題が発生する。今回のポイント還元を中小の小売店などを活性化させるチャンスと位置付けたため、大企業の出店する店舗はポイント還元の対象にならない。
コンビニの一般FC店や直営店の場合は(FC店は政府の財源で、直営店は本部がポイント還元分を負担して値引きとして還元される)、ポイント還元が行われるが、鉄道会社などが経営するFC店の場合は、ポイント還元が行われる店と行われない店が出てくる見込みだ。まだ検討中の会社もあるため最終的な割り振りは出来ないが、10月1日の消費増税当日には多少の混乱は避けられそうもない。
デパートや大手スーパーなどは大企業に分類されるため、ポイント還元の対象外となるので、独自の対策を行わない限りポイントは還元されない。
残念なことに店舗側の動きが鈍い。経済産業省が発表した9月2日時点の審査済み加盟店数は約28万件、9月5日時点の申請件数は約58万件である。全国の中小小売店と飲食店、宿泊施設が数百万店と推定されていることから逆算すると、進捗状況は遅い。
登録申請が遅れている理由を、キャッシュレス決済の分かりにくさや、キャッシュレス決済事業者の選定に戸惑っている、ポイント還元終了後の手数料率アップを懸念している等の分析もされているが、政府が19年度に2800億円もの資金を投入して行う消費低迷防止策である。幅広い登録を望みたいものである。
加盟店の登録が伸び悩んでいるほかにも、キャッシュレス決済の行方を懸念させる事例が表面化した。セブンペイの不正利用問題が大きな社会的関心を集めたことだ。鳴り物入りで7月1日にスタートしたセブンペイは、甘いセキュリティのスキを突かれてわずか数日で機能不全となり、撤退することが決定した。コンビニ随一の店舗網を誇るセブンイレブンを巡る騒動が、「キャッシュレス・・・大丈夫?」のようなイメージを社会に与えてしまった影響は大きい。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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