11月倒産件数は718件で3カ月ぶりに前年比プラス 東京商工リサーチ調査

2018年12月11日 08:36

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 東京商工リサーチの発表によると、11月の企業倒産件数は718件で3カ月ぶりに前年比プラスとなり、人手不足関連の倒産件数が高い水準で増えていることが分かった。

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■倒産件数は増、負債総額は減

 10日、東京商工リサーチが2018年11月の全国企業倒産状況を発表した。負債額1,000万円以上となった企業倒産件数は718件で、前年同月比6.0%(41件)増となり、3カ月ぶりに前年同月比プラス。負債総額は1,212億7,900万円で、同16.7%(234億8,400万円)減となり、5カ月ぶりに前年同月比マイナスだった。

■大型倒産は今年最高件数

 負債額の大きい倒産企業では、カプセルホテルやサウナを経営していた東京グリーン開発(負債額:128億7,200万円、以下同じ)、病院や養護施設を運営していた翔洋会(61億円)、食料品の卸売企業であるゴールデンフーズ(48億3,400万円)などがあり、負債額10億円以上の大型企業の倒産件数は23件と今年最多件数になっている。

■サービス業が件数・負債額ともトップ

 産業別で倒産件数が最も多かったのはサービス業他の243件。次いで、建設業(118件)、小売業(99件)、卸売業(91件)、製造業(86件)と続いている。負債総額では、サービス業他が410億5,900万円で、2位となった卸売業の負債総額227億6,200万円の倍近くとなっている。以下、製造業(197億9,400万円)、建設業(142億700万円)、小売業(128億2,500万円)などで負債総額が多かった。

■人手不足倒産も増加

 11月における人手不足が原因の倒産件数は38件。前年同月比52.0%(13件)増加で、2カ月ぶりに前年同月比プラスとなっている。また、1月から11月までの累計件数は362件で、前年同期比23.1%(68件)増と高い水準で推移している。内訳としては、「後継者難」型が261件、「求人難」型が53件、「従業員退職」型が24件、「人件費高騰」型が24件となっている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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