こんな求人サイトが必要だ 「JOBドラフト@N高」の取り組み

2018年3月1日 16:59

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「JOBドラフト@N高」(画像: N高等学校の発表資料より)

「JOBドラフト@N高」(画像: N高等学校の発表資料より)[写真拡大]

 求人・求職・転職等々、この種のサイトは幅広くかつ多様に存在している。だが今回、人と未来グループの傘下の一社「ジンジブ」が開設を明らかにした『JOBドラフト@N高』は興味深い。

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 ジンジブの「JOBドラフト」は2015年8月に開設された、高卒者用専用求人サイト。高卒の人材を採用しようとしている企業について、「会社概要」にはじまり「詳細な事業内容」「現場で働く先輩たちの横顔」などなどを紹介している。今年初めの時点で延べ約750社が掲載されている。日本工業新聞社を中心に運営されるイノベーションズアイが年に1回実施する「革新ビジネスアワード」で16年に「よい仕事おこし賞」も受賞した。

 そんなジンジブが、学校単位でのサイト制作に乗り出した。第1号は沖縄県うるま市にある、角川ワンゴ学園系の「N高等学校(以下、N高。生徒数約4500人)」用サイト。通信制高校である。通信制高校で高卒資格を得ようとする学生は多種多様。例えば働きながら学ぶ人もいる。企業から送られてきた求人票(紙ベース)を見ようとしたら、学校を訪れなくては確認することができない。手間暇(相応の時間)を要する。しかし通信制N高の生徒は「JOBドラフト@マーク」で居ながらにしてあらかじめ与えられたIDやパスワードを使って、容易に求人情報を目にすることができる。

 ちなみに第1号の@N高のサイトには、プログラマーやWEBエンジニア・SE(システムエンジニア)の募集を行っているIT企業や中小・ベンチャー企業の情報が紹介されている。サイトを閲覧する学生は無料、運営費は求人情報を掲載する企業から徴収した資金で賄う。ジンジブ側では「通信高校も普通の高校と同じように卒業資格を手にできるにもかかわらず、現実的には職業選択の幅が狭い。これを契機に他の通信高校にも専用サイトの開設を働き掛けたい」とするが、N高を第1号としたのには理由がある。同高は必須科目に加え様々な分野課外事業、とりわけプログラミング教育に力を入れておりIT企業の即戦力となりうるカリキュラムが組まれている。

 幼児教育から高等教育の「無料化」が進められている。財政面の問題は別にして「特長を持つ通信高校づくり」も「高等教育化」の一環として安倍首相に是非、懇願したい。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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