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米国減税法案が成立、株価上昇が続くのか?
●米国減税法案が成立
トランプ米大統領領肝いりの大規模な減税・歳出法案は4日、トランプ大統領が署名し、成立した。法案は1日に上院、3日に下院で可決されていた。
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法案を巡っては、大規模な減税による財政悪化への懸念で、上院・下院は民主党だけでなく、共和党も反対意見が多く、成立が危ぶまれていた。
株式市場でも好感され、上院通過では買いが入り、NYダウは400ドル高と約4カ月ぶりに4万40000ドル台を回復していた。
7月3日に発表された6月の雇用統計も好調で、NYダウは344ドル高となり、トランプ政権に追い風が吹いている。
このまま株高へと向かうのだろうか?
●減税法案の中身
昨年の大統領選で掲げられた公約が多く盛り込まれていた。
トランプ政権1期目に実施された所得減税の恒久化や、飲食店の従業員が受け取るチップ、残業代が免税となる一方、国境警備や防衛費は増額される。
税源として、気候変動対策の事業は廃止や縮小となり、低所得者向けの医療保険制度も厳格化する。
トランプ大統領の言う「大きく美しい法案」は、2034年までに3兆3000億ドル(約475兆円)の財政赤字の拡大になるという、フィナンシャルタイムズの試算もある。
5月までDOGE(政府効率化省)を率いた実業家のイーロン・マスク氏は、史上最大の債務増加と反発を強めている。
●気になる半導体やEVへの影響
米株高を支える半導体については、まだまだ有利な状況は続くと見られる。
米国内に半導体工場を建設する場合に受けられる税額控除は規模が拡大し、2022年に制定されたCHIPS法の規模を上回る。
一方で、州議会によるAI規制を10年間禁止する条項は削除されたことが失望され、SOX(フィラデルフィア半導体指数)は下落した。
EV(電気自動車)の新車購入・リースに対する税額控除は廃止され、9月30日に失効する。一方で、企業平均燃費(CAFE)基準を達成できなかった自動車メーカーに対する罰則を撤廃する条項が盛り込まれており、ガソリン車を製造するメーカーには追い風となる。
バイデン政権では恩恵を受けていた企業が不利益を受ける内容も多いが、個人消費が活発化すれば、さらなる株価上昇要因になるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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