コロナ関連の破たん2633件に 感染拡大で稼働停止も 東京商工リサーチ

2022年1月22日 16:08

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 東京商工リサーチは21日、コロナ禍の影響で経営破たんした国内事業者数が、累計で2,633件(負債1,000万円以上)に達したと発表。東京が「まん延防止等重点措置」の対象となり、大阪も同措置の適用申請を決定するなど、全国で行動自粛・人流抑制にシフトしつつある。オミクロンの急拡大を受け、日本の基幹産業である自動車製造業のサプライチェーンにも影響が広がる。

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 東京都は21日、都内で新たに確認された新型コロナウイルス感染者数が9,699人で、3日連続で過去最多だったと発表。入院患者数と重症患者数もそれぞれ2,204人、11人まで増加。幅広い年齢層へ感染が拡大する中、65歳以上の感染者も増えており、重症化や医療の逼迫が懸念される。

 オミクロン型の感染が全国で急拡大する中、大阪や北海道など8道府県は21日、政府へ「まん延防止等重点措置」(以下、「まん防」)の適用を申請した。21日から東京や愛知などで適用され、同措置の対象地域はすでに16都県。このほか、福岡などが目下協議中であり、より多くの地域が追加適用を要請する見込み。

 トヨタは21日、従業員や取引先における感染拡大の影響で国内工場の一部を最大3日間止めると発表。半導体不足による生産減少が続く中、供給への影響が拡大する。トヨタのほか、ダイハツ等他社も稼働停止ないし停止期間の延長を発表しており、サプライチェーンの回復時期が遠のいた模様。

 新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間22日午前11時時点で3億4,574万人超、死者数は558万人超。国別の最多は米国の7,016万人超、次いでインドが3,856万人、ブラジルが2,376万人。以下、フランス1,611万人、イギリス1,584万人、トルコ1,080万人、ロシア1,080万人と続く。日本は直近4週間の新規感染者数が29万人を超え、累計感染者数は207万人台。

 かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が、21日時点で2,633件(負債1,000万円以上)に達したと発表。負債1,000万円未満の小規模倒産を含めると2,768件。破たん企業(負債1,000万円以上)が雇用していた従業員数の累計は、判明している数だけで2万5,815人に達した。

 東京など大都市が再び「まん防」の対象となり、外食や旅行を含め外出を自粛するムードが強まっている。飲食、宿泊、小売などは、すでに過剰債務状態の事業者が増えており、営業機会が再び減っていく中、破たん件数の増加が懸念される。今後、自動車製造業のサプライチェーンへの影響が他業界へ波及するリスクも無視できない。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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