これからの雇用はどうなるのか? タニタの社員個人事業主化に学ぶ

2019年11月22日 13:26

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 健康機器大手のタニタの谷田千里社長は、今年6月に「タニタの働き方革命」を出版した。タニタは2017年から社員の中で希望者を個人事業主化する取り組みを行っており、すでに一部の社員がこの新たな働き方を選んで独立している。この取り組みが、社員を個人事業主化することで働き方改革の規制適用を逃れるものだと、批判する声も多い。

【こちらも】タニタの「社員の個人事業主化」制度、独立した元社員の多くが収入増

 一方で、大手企業ではタニタの取り組みを参考に社員の個人事業主化の検討を進める企業も増えている。ある大手老舗部品メーカーでは、実際に人事部でベテラン社員の個人事業主化の検討を急ぐ。この企業では、専門性の高いベテラン社員から、「定年退職後は個人事業主として会社と契約したい」という独立を希望する声が出ており、具体的な検討を進めている。

 こうした背景にはITの発展により、副業や独立しやすい環境が整ったことが大きな要因として考えられる。ある大手上場企業の社員は、副業として専門知識を活かした執筆やアドバイザーの仕事を請負っている。大手スポットコンサルのビザスクやクラウドソーシングのクラウドワークスを利用しており、自宅で空いた時間にPCで作業をするだけで、月15万円以上の副業収入を得ているそうだ。

 経産省の発表によれば、副業希望者は2007年から2017年までに23%も増加しており、今後もこの傾向が続くと予想されている。

 今年10月時点の有効求人倍率は1.59倍であり、働きたい人はすでにどこかで雇われている「完全雇用状態」にある。さらに、日本企業では2008年のリーマンショック後のいわゆる「就職氷河期」に、採用を凍結したため20代~40代前半の中間層が慢性的に不足している状態だ。

 生産性の高い優秀な人材はどこの企業でも週に数時間でもいいから来てほしいと考えており、副業人材の活用は企業にとって高度な専門知識を有する人材の不足を解消する有効な手段である。また、社員の個人事業主化についても、自社に所属する優秀人材の独立を行うことで、その人材の転職や離職を防ぐ効果が期待される。

 優秀な人材の確保のために、企業は優秀人材の望む働き方を実現することで、お金だけではないインセンティブの付与と、ワークエンゲージメント向上を図ろうとしている。

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