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予想外の日経平均5万円、今後の行方は?

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●日経平均が初の5万円
27日の東京株式市場で、日経平均が初めて5万円台に乗せ、史上最高値を更新した。前週の24日のNYダウも続伸して最高値を更新しており、好調な米国株にも連動している。
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米国では中国への関税100%が事実上撤回されるなど、米中貿易摩擦の懸念が後退し、日本では世論調査で高市内閣が高支持率だったことが、買いにつながったと見られる。
年末までに5万円台というアナリストの予想は多かったが、急ピッチでの5万円台突破には戸惑いの声もある。5万円台が定着し、さらに上昇は続くのだろうか?
●高市政権への期待が先行?
予想外の日経平均5万円台の背景には、日銀が当面利上げを見送る公算が高まったことで、円安に進んでいることも大きな原因である。米国はFOMCで利下げが決定した。
高市政権は、岸田元首相が始めた「新しい資本主義実現会議」を廃止し、「日本成長戦略会議」を新設した。分配重視から成長重視への転換に対する期待は高い。
10月28日の日米首脳会談では、先に合意した5500億ドル(約84兆円)の対米投資枠を着実に実行することを確認した。
ラトニック米商務長官も「国家事業への投資であり、日本の損失リスクはゼロになる」と述べている。
●目標株価引き上げも?一部の株だけが上がっているとの見方も
成長戦略への投資という面では、半導体・造船・防衛の分野への期待は高まるばかりだ。石破前政権から目指す防災庁の創設も前倒しになる期待があり、インフラ整備関連やデジタル技術、ドローンなど幅広い分野での投資が期待される。
5万円到達後も利益確定売りの動きは見られず、10月30日には5万1657円まで上昇、31日の取引中には5万2000円を突破している。
それでも過熱感は否めない。
29日は5万1000円に到達したが、半導体検査装置アドバンテストの上げ幅による影響が大きかった。日経平均の大幅上昇にもかかわらず、プライム市場の値下がり銘柄は、8割を占めた。
日経新聞の記事では、4万5000円突破以降は、ソフトバンクG、東京エレクトロン、アドバンテストの3社で上げ幅の7割を占めている。「AIバブル」の様相だ。
今後は決算発表が続々と控えており、結果次第では売られるリスクもある。5万円は通過点かもしれないが、まだまだ地盤固めの段階と心得た方がいいだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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