予想外の日経平均5万円、今後の行方は?

2025年10月31日 14:22

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●日経平均が初の5万円

 27日の東京株式市場で、日経平均が初めて5万円台に乗せ、史上最高値を更新した。前週の24日のNYダウも続伸して最高値を更新しており、好調な米国株にも連動している。

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 米国では中国への関税100%が事実上撤回されるなど、米中貿易摩擦の懸念が後退し、日本では世論調査で高市内閣が高支持率だったことが、買いにつながったと見られる。

 年末までに5万円台というアナリストの予想は多かったが、急ピッチでの5万円台突破には戸惑いの声もある。5万円台が定着し、さらに上昇は続くのだろうか?

●高市政権への期待が先行?

 予想外の日経平均5万円台の背景には、日銀が当面利上げを見送る公算が高まったことで、円安に進んでいることも大きな原因である。米国はFOMCで利下げが決定した。

 高市政権は、岸田元首相が始めた「新しい資本主義実現会議」を廃止し、「日本成長戦略会議」を新設した。分配重視から成長重視への転換に対する期待は高い。

 10月28日の日米首脳会談では、先に合意した5500億ドル(約84兆円)の対米投資枠を着実に実行することを確認した。

 ラトニック米商務長官も「国家事業への投資であり、日本の損失リスクはゼロになる」と述べている。

●目標株価引き上げも?一部の株だけが上がっているとの見方も

 成長戦略への投資という面では、半導体・造船・防衛の分野への期待は高まるばかりだ。石破前政権から目指す防災庁の創設も前倒しになる期待があり、インフラ整備関連やデジタル技術、ドローンなど幅広い分野での投資が期待される。

 5万円到達後も利益確定売りの動きは見られず、10月30日には5万1657円まで上昇、31日の取引中には5万2000円を突破している。

 それでも過熱感は否めない。

 29日は5万1000円に到達したが、半導体検査装置アドバンテストの上げ幅による影響が大きかった。日経平均の大幅上昇にもかかわらず、プライム市場の値下がり銘柄は、8割を占めた。

 日経新聞の記事では、4万5000円突破以降は、ソフトバンクG、東京エレクトロン、アドバンテストの3社で上げ幅の7割を占めている。「AIバブル」の様相だ。

 今後は決算発表が続々と控えており、結果次第では売られるリスクもある。5万円は通過点かもしれないが、まだまだ地盤固めの段階と心得た方がいいだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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