関連記事
相場展望10月27日号 米国株: エヌビディア株は野中の一本杉のように高騰、ITバブルと酷似 日本株: 日経平均の上げ下げ、寄与上位5銘柄で説明できる相場続く
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)10/23、NYダウ+144ドル高、46,734ドル
2)10/24、NYダウ+472ドル高、47,207ドル
【前回は】相場展望10月23日号 米国株: 決算の良し悪しで反応、米国・中国対立と、相場は荒れ模様 日本株: 非世襲&両親はサラリーマン&女性首相の誕生に期待
●2.米国株:エヌビディア株は野中の一本杉のように高騰、ITバブルと酷似
1)エヌビディア株は野中の一本杉のように高騰、ITバブルと酷似
・エヌビディア株価の推移
2025年05月07日 安値 86.62ドル
2025年10月06日 高値 195.62
2025年10月24日 終値 186.26
・5/7比で10/6は225.8%高とわずか半年で暴騰。半導体関連株の上昇リーダーとしてエヌビディアが躍動。
・この様相は、1999年~2000年に米国で起こったインターネット関連企業が実態を伴わない異常な株価高値になった時期に似ている。米国連邦準備制度理事会(FRB)の低金利政策が株価高騰を後押しした。この時期に、株式を公開したベンチャー企業創業者は莫大な富を手に入れた。そして、2001年には完全にバブルが弾けた。FRBの利上げなどもあり、株価は急速に崩壊した。
・現在、FRBの利下げ政策観測で米国株は上昇している。米国消費者物価指数(CPI)は9月に+3.0%と予想+3.1%を下回ったことを好感し、米国主要株価指数は史上最高値を更新している。ただ、CPIが予想を下回ったといえども、+3.0%と高く、FRBが目標とする+2.0%と比べると高い水準にある。10月米国購買担当者景気指数(PMI)は製造業・サービス業ともに景気境目となる50を上回り、米国景気の強さを示している。また、FRBは量的金融緩和(QT)の引き締めも停止する方向にある。FRBはトランプ大統領に屈したようだ。
・トランプ関税の米国消費者への価格転嫁は約半分程度といわれている。輸出国や米国輸入業者が負担しているためだ。しかし、いずれ価格転嫁してくるため、CPIの上昇圧力が増す可能性が高い。
・FRBはいつまでも政策金利の低下を続けられなくなる。その時が、株価バブル崩壊の始まりとなりえることを、記憶していただきたい。
2)10/24、予想を下回るCPIを好感、好決算追い風
・米国9月消費者物価指数は+3.0%と、予想+3.1%を下回った。
・加えて、7~9月期決算発表で好業績企業が好感され、株価上昇となっている。
●2.対中国への+100%追加関税は回避と、ベッセント米国財務長官10/26談(共同通信)
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)10/23、上海総合+8高、3,922
2)10/24、上海総合+24高、3,950
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)10/23、日経平均▲666円安、48,641円
2)10/24、日経平均+658円高、49,299円
●2.日本株:日経平均の上げ下げは、寄与上位5銘柄で説明できる相場続く
1)日経平均上位5銘柄の動向
(1)10/23、日経平均▲666円安、下落寄与上位5銘柄の占有率は81.68%
・下落寄与上位5位銘柄 下落寄与度 株価下落幅
ソフトバンクG ▲223円安 ▲1,105円安
アドバンテスト ▲171 ▲635
東京エレクトロン ▲101 ▲1,000
TDK ▲35 ▲68
リクルート ▲14 ▲142
合計 ▲544
・株価下落局面においても、少数銘柄が日経平均下落を主導した。
(2)10/24、日経平均+658円高 上昇寄与上位5位で+564円と85.71%占有
・上昇寄与5位銘柄 上昇寄与額 上昇高
ソフトバンクG +260円 +1,285円高
アドバンテスト +166 +615
TDK +60 +119
東京エレクトロン +55 +540
フジクラ +23 +680
合計 +564
・日経平均+658円と大幅高も、値下がり銘柄数の方が多く、少数銘柄に翻弄される相場の流れは相変わらず進行中。
・10/24、値上がり銘柄数 677銘柄
値下がり銘柄数 880
・買いの手口が増えないなか、海外短期筋の先物買いで日経平均が上昇。空売りが引っ込んだなか、先物買いで日経平均はスルスルと大幅高。
・空売りは歴史的に低く、10/24の空売り比率は36.0。
・投資主体別にみると、買いは(1)海外投資家と(2)個人投資家(信用)、(3)事業会社の自社株買い。売りは一貫して(1)生保・損保、都銀・地銀と(2)年金基金。投資主体別では、買い・売りともに同じで、綱引きの力比べのような状況が続いている。ただ、資金力が豊富な海外勢が優勢となり株高が続く。
3)3月期中間決算企業の決算発表に注目
・注目点
・物価高の影響 : 原材料高、人件費上昇
・トランプ関税の影響
・企業の稼ぐ力
・米国7~9月期の決算発表シーズン中は、株高が続く可能性がある。
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・6857 アドバンテスト 業績好調
・7011 三菱重工 防衛・原発・造船と国策銘柄
・8035 東京エレクトロン 業績堅調
スポンサードリンク
中島義之氏のコラム一覧
- 相場展望12月22日号 米国株: 1月利下げ観測強まる、クリスマス・損益通算の売り圧力に注意 中国株: 上海総合指数は当局により監督管理、「国家隊」の買い支えも 日本株: 相場は底堅く、「W型」で推移継続か

- 相場展望12月18日号 米国株: 人工知能(AI)・半導体関連株に「たそがれ」到来か 中国株: 景気先行き懸念高まり⇒解決は、住宅価格下げ止まり策が第一 日本株: ハウテク株売りに、個人投資家の税金対策の売りが重なる

- 相場展望12月11日号 米国株: 金利引下げで次期FRB議長人事が焦点、物価上昇の懸念増す 日本株: 海外短期筋のパワーに変調、日経平均の流れに変化か?

- 相場展望12月8日号 米国株: 米国株のリーダー銘柄は、ピークを付けたもしれない 2026年株式相場は、年央まで「追加利下げで追い風」、その後は「逆風」か 日本株: 日経平均寄与上位銘柄中心から広がる展開か、注目

- 相場展望12月4日号 米国株: FRBは12/10利下げ▲0.25%の実施確率が高い⇒株高要因 日本株: 日経平均大幅高も新高値銘柄数と新安値数が拮抗、相場変調が忍び寄る?

- 中島義之氏のコラムをもっと読む


