スパコンを遥かに超える、量子コンピュータ時代はいつ来るのか 関連銘柄は

2022年5月24日 07:46

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 そもそも「理系」とは縁遠い、かつ72歳の「高硬度」な頭の身にはまたぞろ難題が登場した。メディアの見出しを借りるなら、『政府、量子技術とAIで国家戦略策定、研究開発投資を拡充』。正直、量子という言葉を生まれて初めて耳にした。兜町を歩いた折に外資系証券の若手アナリストから、「遠からず、量子コンピュータが市場の話題として浮上してくる」と聞かされた。

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 ネット検索をかけた。文科省の『量子ビーム』―(1)量子ってなあに?(2)ビームってなあに?(3)量子ビームで何ができるの?・・・を繰り返し読んだ。文系の72歳爺ライターからは、簡潔に解説などはしきれない。各位も是非、読んで咀嚼して頂きたい。

 惹かれたのは(3)。「量子ビームを使えば、原子や分子といった極めて小さなレベルで、モノを“観る”“創る”“治す”“加工する”“識(知)る”など、色々なことが可能」というくだりだった。具体的に「治す」については、「病院の中にも量子ビームを使った治療装置がある。強力な量子ビームは狙い撃ちが得意。体の中の健康な細胞を傷つけないようにしながら癌細胞だけをやっつける。これにより、体にメスを入れずにガンを“治す”ことが可能」と印されていた。

 量子(ビーム)を完全に理解しきったとは言えないが、その存在の活用には魅力を覚えさせられた。

 量子コンピュータに関しては「研究途上」というのが一般的な認識だが、構築されれば従来型のコンピュータでは容易に解くことが出来ない複雑な計算を「短時間」で導出することが可能になるという。「グーグルと中国科学技術大学が、スーパーコンピュータの性能を超える計算能力の『量子超越性』を達成した」として大きな話題にもなったとされてもいる。

 先のアナリストは、「スーパーコンピュータでは何千年も要する演算をわずか数時間で完結することが可能とされており、IoTやAI分野への発展にも大きく貢献できる」ともした。

 EUでは2029年までに約1250億円を投じるプロジェクトを立ち上げている。米国では年間200億円、英国でも総額500億円を投じての開発計画を示している。そして日本でも「300億円を投じて集中的開発支援を・・・」という姿勢だとされている。

 兜町筋に「関連銘柄は」と聞いた。消化難の気配を感じさせつつも、複数人の口から以下のような企業名を耳にした。「Fスターズ(プライム市場)」「三菱ケミカルHD(同)」「日本ラッド(スタンダード市場)」「NEC(プライム市場)」「富士通(同)」「デンソー(同)」「トヨタ(同)」「NTT(同)」「シグマ光機(スタンダード市場)」。
 さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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