上場企業599社が雇用調整助成金を活用、全体の1/6近くに 東京商工リサーチ

2020年12月26日 10:07

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業種別の雇用調整助成金申請・計上社数(画像:東京商工リサーチ調査資料より)

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 東京商工リサーチは25日、特例措置が開始された4月から11月までの8カ月間で、雇用調整助成金の計上・申請を行った上場企業が599社にのぼると発表。全上場企業3,826社のうち15.6%が活用し、雇用調整助成金計上額は、全体で2,414億5,420万円に達した。第3波の拡大が収まらない中、年度末にかけさらに計上額の予測が見込まれるとしている。

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 受給額上位は、交通インフラ関連企業と緊急事態宣言で休業を余儀なくされた百貨店。交通インフラには、旅客数の激減でグループ従業員の9割にあたる4万3,500人の一時帰休を実施したANAも含まれる。

■上場企業の雇用調整助成金の計上・申請概況

 業種別企業数では、製造業の237社がトップで全体の39.6%。小売業121社、サービス業114社が続き3業種で全体の78.8%を占める(以降は運送業41社、情報通信業34社、卸売業30社)。助成金計上額では、運送業が741億5,500万円でトップ。次いで、製造業526億7,390万円、サービス業465億2,740万円。労働集約的な業種を中心に雇用維持に苦慮している実態がある。

 計上額規模別では、1億円未満の273社がトップで全体の45.6%。1億円以上5億円未満が173社(28.9%)と続き、10億円以上50億円未満が48社(8.0%)だった。

■雇用調整助成金の特例措置の現状

 コロナ禍支援策としての雇用調整助成金特例措置は、当初は9月末までを予定していたが、2021年2月末まで延長が決定。15日発表の第3次補正予算案では、1兆3,352億円が追加計上され、2020年度の雇用調整助成金の予算計上額は全体で3兆5,882億円となった。

 特例措置は、その緊急性から通常時より手厚い。コロナ禍で経営環境が悪化し、売上高・生産量などが前年同月比5%以上減少、休業手当を支払っている事業主が対象。通常時は、売上高など3カ月間月平均が10%以上減少で、直近の人員増加状況や過去1年以内未支給など複数要件のクリアが必要となる。助成率も高く、解雇等を行わない場合、大企業は3/4(通常1/2)、中小企業は10/10(通常2/3)が助成される。

 東京商工リサーチの調査では、2020年の早期・希望退職を募集した上場企業は91社(約1万7,700人)に達し、2009年のリーマンショックに次ぐ増加傾向にあると指摘。2021年に実施予定の企業も現時点で16社(約3,300人)判明しているという。

 しかし、コロナ収束後の回復スピードを速めるためには雇用の維持が不可欠という、観光業経営者の声もある。一時的なコスト削減ではなく、中長期目線での企業運営がより求められている。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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