相場展望12月24日号 外国人売りで冴えない市場展開、日銀の買いが下支え

2020年12月24日 08:37

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)12/21、NYダウ+37ドル高、30,216ドル
  ・英国のコロナ変異種を警戒し、NYダウは一時▲400ドル超下落したが、追加経済対策合意を支えに金融やIT等が大幅上昇し持ち直した。(NHK)
  ・テスラはSP500組入れ後の反動安で▲6%安。

【前回は】相場展望12月21日号 日経平均は、外資系短期筋から、個人の現物買いへ牽引役交代か

 2)12/22、NYダウ▲200ドル安、30,015ドル
  ・追加経済対策が米議会で可決し、目先の材料出尽くしで利益確定売りが優勢。
  ・英国の新型コロナ変異種感染拡大も買い手控えつながった。

 3)12/23、NYダウ+114ドル高、30,129ドル
  ・ファイザーが米政府とワクチン追加供給を発表し、経済活動正常化の期待が高まり、買い優勢となった。
  ・長期金利上昇で金融株が、原油価格上昇で石油株も上げた。(日経新聞)

●1.NYダウの動向

 1)好材料が出尽くしたが、下落すると好材料の蒸し返しで反動高するというボックス相場に入った模様。

 2)クリスマス休暇で薄商いのなか、コロナ感染拡大や経済先行き不安など悪材料もあって、上値を追うには重いと思われる

  1.米12/20、コロナ追加経済対策93兆円で与野党合意、景気下支えで財政出動(時事通信)
   1)同日中に上下両院で法案可決を目指し、トランプ大統領の署名で成立する。

  2.欧州
   1)英国のコロナ変異種の感染力+70%程度高く、欧州各国は英国からの入国制限(時事通信)
    ・英ドーバー港のフェリーターミナルを12/20夜から閉鎖。(毎日新聞)

   2)欧州株は、新型コロナの異変種の急速な感染拡大で、行動規制強化され、景気悪化への懸念が強まり、売り先行で大幅下落。(日経新聞)

   3)EUはフィアットとPSA(プジョー・シトロエン)の2社統合を承認(共同通信)
    ・世界4位の自動車メーカーが誕生する。
    ・合併後の新企業「ステランティス」は、傘下にフィアット、ジープ、ドッジ、ラム、マセラティ、プジョ―、オペルなどを擁する。(ロイター)

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)12/21、上海総合指数+25高、3,420
  ・中国政府の環境政策推進の恩恵が強まるとして、太陽光パネルやバッテリー関連などに買いが入った。(日経新聞)

 2)12/22、上海総合指数▲63安、3,356
  ・新型コロナ異変種が報じられ、また米中関係悪化も警戒し、売り優勢。(ロイター)

 3)12/23、上海総合指数+25高、3,382
  ・前日の大幅安の反動と、政策期待から新エネルギー関連株に買い。(日経新聞)

●2.中国人民銀行(中央銀行)、金利据え置き8カ月連続、金融緩和の副作用に警戒(産経新聞)

 1)不動産投資は拡大傾向にあり、金利引下げによる不動産バブル発生を警戒している。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)12/21、日経平均▲48円安、26,714円
  ・米議会で追加経済対策合意と伝わり+120円超の上昇で始まったが、先物に断続的に売りが出て下げに転換し一時▲220円を超えた。
  ・その後、日銀のETF買い期待と押し目買いで下げ幅を縮小した。(モーニングスター)

 2)12/22、日経平均▲278安、26,436円
  ・英国などで新型コロナ新変異種の感染拡大で先行き懸念と、中国含むアジア株も大きく売られたため、閑散相場のため下げ幅は一時▲350円超となった。

 3)12/23、日経平均+88円高、26,524円
  ・米ナスダック上昇、アジア株持ち直しもあって4日ぶりに反発した。
  ・新型コロナ変異種の拡大や、米議会で合意した米追加経済対策についてトランプ大統領が家庭への給付金増額の修正を求めたことから、不透明感が出た。
  ・東証1部売買代金は、1.8兆円と約2カ月ぶりの2兆円割れとなり、閑散相場。

●2.日経平均の動向・・・外国人売りで冴えない市場、日銀ETF買いが支え

 1)米国株連動性が高い日経平均だが、今週はNYダウの冴えない展開から弱含みの展開となっている。

 2)外資短期筋は先物でやや売り越し傾向にあり、買い仕掛けは期待できない。ただ、売り優勢に対して日銀のETF買いが下支えするという構図になっており、閑散相場のなかで積極的な買い主役が見えにくくなっている。外国人のクリスマス休暇もあり、当面は調整色のある揉み合い相場の展開を予想する。

 3)外資系先物買い残高の推移をみると、外国人は売り越し傾向にある。
  12/18 272,544枚 ⇒ 12/23 264,233枚(推定)

●3.企業動向

 1)ソフトバンクG 特別買収目的会社(SPAC)の新規公開株式公開(IPO)を12/21申請。IPOで5~6億ドル(約517~621億円)を調達する計画。他に2つのSPACを準備している。(ブルームバーグ)
 2)富士電機   消費電力を半分にするパワー半導体研究開発に経産省から補助金目指す。現在主流のシリコン⇒窒化ガリウムなど新素材を使う研究開発に補助金(フィスコ)
 3)三菱商事   2022年生産予定のペルーの銅鉱山で自動運転トラックなど先端技術活用して銅鉱山の競争力を高める。(産業新聞)
 4)アンジェス  コロナ治療薬を米国で第1相臨床試験の投与開始。(フィスコ)患者の生存率改善、入院期間短縮する可能性に期待。
 5)トヨタ    燃料電池車(FC)の大型トラックの新型車を公開。(フィスコ)米ロサンゼルス市港湾当局が進める貨物輸送の実証に投入する。
 6)三洋化成   全樹脂電池の子会社APBへ追加出資し、福井・武生工場量産体制確立(自動車新聞)

■IV.注目銘柄(株式投資は自己責任でお願いします)

 ・6504 冨士電機   窒化ガリウムパワー半導体に期待。
 ・4563 アンジェス  コロナ治療薬で第1相臨床試験の投与開始。
 ・9104 商船三井   海上運賃価格上昇。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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