2018年度の百貨店業績、減収幅が拡大 赤字企業も増加 東京商工リサーチ調査

2019年11月5日 09:22

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 東京商工リサーチが2018年度における百貨店の業績調査を発表し、純利益が大きく増加した一方で減収幅も拡大したことも明らかとなり、ビジネスモデルとして限界の可能性を指摘している。

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■売上高の減少幅が大きく拡大

 10月31日、東京商工リサーチが、全国主要百貨店の2018年度(2018年4月~2019年3月)決算業績調査を発表した。主要百貨店77社の2018年度決算における売上高は5兆8,608億6,400万円で、前期(17年度)の5兆9,843億8,500万円から約1,235億円減少した。16年度の売上高は5兆9868億400万円で、17年度は微減(約25億円減)だったことに比べると減収幅が大きく拡大している。消費低迷だけでなく、「大手百貨店の店舗閉鎖」なども影響した。

■赤字企業が増えるも純利益合計は4倍に

 2018年度の純利益は678億5,400万円で、前期の174億5,200万円から約4倍に増加した。16年度は48億15万円の赤字だったため、2期連続で改善したことになる。ただ、業績は一部の好調企業に牽引されており、「前期に特別損失などで大幅赤字を計上した企業が黒字転換」したことも要因となっている。

■減収減益企業が増加

 全77社のうち増収企業は25社、減収企業は52社。損益が判明した76社のうち増益企業が34社、減益企業が40社、横ばいが2社。黒字企業は48社で前期の55社から減少し、その分赤字企業は28社で前期の21社から増加した。増収増益の企業は17社だった一方、減収減益の企業は前期の22社から11社増えて33社となり、「採算悪化に沈む企業が増えている」と分析している。

■百貨店売上高トップは高島屋の6,804億円

 売上高トップは高島屋の7,291億円、2位は大丸松坂屋百貨店の6,804億円、3位は三越伊勢丹の6,342億円。売上が上位だった10社のうち増収企業が5社、減収企業が5社となった。

 流通グループや鉄道会社などに所属しない地場系百貨店の売上高トップは松屋の838億円、2位は天満屋の812億円、3位は井筒屋の578億円。売上が上位だった10社のうち増収企業は3社、減収企業は7社となっている。

 ショッピングモールの増加やインターネット通販が伸長することで、大手百貨店や地場系百貨店で店舗の閉鎖が続いており、「(百貨店の)ビジネスモデルの限界を示唆している可能性も否めない」としている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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