アルビレックス新潟、今季初の連勝もJ2降格が決定  

2017年11月19日 06:28

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 サッカーJ1のアルビレックス新潟は18日、ホーム・デンカビッグスワンスタジアムでのヴァンフォーレ甲府との試合に1対0で勝利し、今季5勝目を挙げた。しかし、共に残留を争ってきたサンフレッチェ広島が勝利したことにより、クラブ史上初のJ2降格が決定した。

■序盤で先制、固いデフェンスで守り切るも・・・

 11月の雨の中、選手の躍動、そしてサポーターの声援は今シーズンで最高であることに間違いはなかった。

 18分、新潟MF山崎の左サイドからのクロスが甲府DFエデルリマの足に当たりオウンゴールで新潟が先制。試合開始より前線からのプレスで試合を圧倒的に支配した新潟はリーグ戦中断の3週間前までの好調を持続しており、その後もクロスでの攻撃を主体に決定機を何度も作り主導権を握る。同じく降格の危機が迫っている甲府は攻撃の圧力に耐えきれずに失点、序盤から引いて守りを固めるシーンが続いた。

 後半、勢いを引き寄せたのは甲府。雨で濡れた芝生をものともせず細かいパスやクロスを駆使し、新潟ゴール前まで迫りチャンスを作る。反対に新潟はセカンドボールを拾うことが出来ずに劣勢に立たされる。ペナルティエリア内で倒れこみシュートを防ぐ場面の連続、61分にはシュートがクロスバー直撃するなど前半とは逆の展開を強いられた。

 体を張った守備で凌ぎ、勝利以外にも大量得点が必要な新潟も要所で好機を演出、試合終了間際には長身の矢野貴章を投入し相手ゴールに迫る。しかし5分のロスタイムの後、1対0のまま試合終了のホイッスルが鳴り、直後に他会場の広島の勝利が伝えられる。新潟の勝利とほぼ同時にJ2への降格も決定した。

■厳しい現実の中でも希望を持ち続けるサポーター

 実に2015年7月以来となる連勝を飾り、4試合負けのない新潟。今シーズンのみならず、ここ数年間でも最も好調のチーム状態を迎えた中で決まってしまったJ2降格。皮肉な結果となり、多くのサポーターは複雑すぎる思いを抱かざるを得ない。

 それでも、冷たい空気を吹き飛ばすほどの新潟の選手たちの生み出した熱気はスタンドにも伝わり、その戦いぶりは残りの2試合や来期以降にも期待を抱かせるには十分すぎるものだった。

 試合終了後、サポーターへの挨拶に訪れた選手たちに向けてスタンドから拍手が送られその後、大声量でのアルビレックスコールが始まった。そしてそれはしばらくの間、止むことはなかった。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る

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