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ビットコインを巡る動きに怪しげな加速度が 分裂の動きにある背景

2017年11月1日 06:30

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 8月には、ビットコインシステムを主導して設計してきたコア開発者(エンジニア)と、取引の承認や記録を行うマイナー(中国のマイナーの一部という)との対立を背景にして最初の分裂があり、ビットコインキャッシュが飛び出した。

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 10月24日には設備への投資で大手に劣る個人マイナーでも参加できる仕組み(暗号の難易度を引き下げる)を求めて2度目の分裂が起き、ビットコインゴールドが誕生した。香港に拠点を置くマイナー(「ライトニングASIC」という)が主導していると言われる。

 11月には8月からの動きを引き摺った取引容量の拡大に関する、コア開発者とマイナーとの思惑の相違いで、3度目の分裂に至る可能性が拡大している。仮想通貨がブーム状態となり、世界的にビットコインの取引量が劇的に増加し承認や記録作業が遅れている。この解決を図るためブロックの記録容量を2倍に引き上げる計画があるのだ。

 これら一連の分裂は「マイナー(採掘者)」と呼ばれる専門業者に主導されている。電子台帳は「ブロック」と呼ばれるが、取引データを記録することでマイナーは報酬のビットコインを得ることができる(マイニング:採掘という)。

 「ソフトコード」とはネット上に公開されているビットコインの設計図のようなもので、コードをコピーしたうえで加工することで新通貨ができる。新通貨として分裂することによってマイナー間の競合が減少する。競合が減少すると個々の採掘量が増えるため報酬の増加が期待できる。こうした事情が背景にあるためマイナーが分裂を主導していると見られる。

 仮想通貨の認知が進むにつれて、仮想通貨を構成する重要なポイントとしてのブロックチェーンに金融業界を始めとする多くの注目が集まっている。正しく記録することしかできず、変更や抹消・改ざんが不可能で、たとえ壊れたとしても自動修復する特性が理解されたためで、ネットワークで情報が共有されて喪失する恐れがないのだ。ブロックチェーンの技術を使えば、文章認証や電子記録、存在証明などを第三者機関を通さずに証明できるという大きな将来性が見込まれる。この将来性が評価されて値上がりするのであれば健全な値上がりと言えるだろう。

 ビットコインは2008年に「サトシ・ナカモト」と称する日本人(?)がネット上で発表した論文から誕生した。サトシ・ナカモトが定めた発行上限2100万ビットコインがビットコインの希少性を担保するよりどころであった筈だ。複雑な暗号を不特定多数のマイナーが解読して、取引の承認と記録を行う発掘作業は必要不可欠ではあるが、ビットコインの価値そのものとは言い難い。

 加速しているかに見える分裂の動きが、マイニングによる報酬増加を期待するマイナー主導によるものであることを見失うと、ビットコイン誕生の理念からは外れたマネーゲームに陥る恐れがある。大きな可能性を持ちながらも、それに匹敵する危うさを感じさせるビットコインとの付き合いは簡単ではない。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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