ホンダとGM、米に合弁 FCV用・水素燃料電池システム量産目指す

2017年3月11日 10:09

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記事提供元:エコノミックニュース

昨年、発売を開始したホンダFCV「クラリティ」、米合弁会社FCSMでは、さらにリーズナブルなシステムを目指して開発を進める

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 米ゼネラルモーターズ(GM)とホンダは、1月末に、自動車業界初となる先進の水素燃料電池(FC)システムの量産を行なう合弁会社設立を発表した。この新会社が生産する燃料電池システムは今後、両社が今後発売するクルマに搭載する。

 新会社「Fuel Cell System Manufacturing,LLC」(FCSM)は、ミシガン州デトロイトの南に位置するブラウンズタウンにあるGMの既存のバッテリーパック生産工場内に設置され、2020年頃に燃料電池システム基幹部品FCスタックの量産を開始する予定だという。両社が新会社に同額拠出する投資総額は、8500万ドルだ。

 ホンダとGMは2013年7月に発表した提携の基本合意に基づいて協業を進めており、次世代燃料電池システムと水素貯蔵技術の共同開発を行なっている。燃料電池システムと水素貯蔵システムの低コスト市販ソリューションを創出するために、両社は開発チームを統合し開発に取り組んでいる。

 新会社FCSM設立のプレスリリースには、「新会社の経営は、両社が指名するそれぞれ3名の取締役からなる取締役会が担い、取締役会議長は両社が持ち回りで指名する。また、社長も両社が持ち回りで指名する」としていたが、その概要が明らかになった。

 今回の発表によると、新会社FCSMの初代社長は、これまでGM Operational Excellenceのディレクターを務めたSuheb Haq(ソーヘイブ・ハック)氏が就任。副社長には現在ホンダの執行役員でホンダオブアメリカマニュファクチュアリング・インコーポレーテッド取締役社長を務める神阪知己(こうさか・ともみ)氏が就任する。

 また、FCSMは両社が指名するそれぞれ3名の取締役からなる取締役会を設置。取締役会議長は両社が持ち回りで指名し、最初の取締役会議長は、現在ホンダで取締役常務執行役員四輪事業本部長を務める関口孝(せきぐち・たかし)氏が就任するという。

 GMとホンダは燃料電池分野で、すでにトップランナーとして認知されている。これまでに両社は、計2200件以上の燃料電池関連の特許を取得。また、2002年から2015年の間に申請された燃料電池関連の特許総数のランキングではGMが世界1位、ホンダが3位となっている。

 ホンダは現在、同時開発した燃料電池車(FCV)「クラリティ」を基幹部品も含めて栃木県内の工場で生産している。将来的にはスタック生産は米国の合弁会社に集約し、基幹部品の量産コストを引き下げる。GMは、ホンダのFCV技術を使うことでFCVの市場投入を早めることができる。投資や生産負担をホンダと分け合うことでリスクを分散する狙いもある。

 トランプ大統領は就任以降、米自動車メーカーに対し「新規に工場をつくってほしい」など雇用増を強く求めていた。トランプ氏はトヨタ自動車のメキシコ投資を批判しており、他の日本車メーカーにも米国内雇用の拡大を求めるのは確実だ。

 今回の合弁設立についてホンダは「米国がFCVの最大市場になるとみて、現地合弁生産を決めた」としている。

 一方、トヨタ自動車の米国法人と石油大手のシェル社は、燃料電池車(FCV)の普及に向けて、米カリフォルニア州における水素ステーションの整備で協力すると過日、発表した。シェル社は今後、カリフォルニア州の既存のガソリンスタンド7カ所に水素ステーションを整備する。トヨタは、同ステーションの運営を資金面で支援するとしている。米国内で水素利用の施設整備が進む。(編集担当:吉田恒)

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