世界半導体市場、8月までに1兆ドル突破 AI・メモリ需要で2027年「2兆ドル」視野

2026年10月11日 16:26

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記事提供元:Tech Times

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世界の半導体市場がAIインフラ投資とメモリ需要を背景に急拡大している。2026年1〜8月の世界半導体売上高は初めて1兆ドル(約159兆円)を突破した。世界半導体市場統計(WSTS)のデータでは上半期の売上高が前年同期の約2倍となり、調査会社TechInsightsは2027年に市場規模が2兆ドル(約318兆円)を超えると予測している。

■世界売上高、8月までに1兆ドル(約159兆円)突破

米半導体工業会(SIA)によると、2026年8月の世界半導体売上高は1597億ドル(約25.4兆円)で、前年同月比144.3%増、前月比8.0%増だった。1〜8月の累計売上高は1兆ドル(約159兆円)を超え、この時期までに年間売上高が1兆ドル(約159兆円)を突破するのは初めてとなった。

WSTSによると、2026年上半期の世界半導体売上高は7020億ドル(約112兆円)で、前年同期比102%増と倍増した。製品別ではメモリが305%増、ロジック半導体が45%増となり、特にメモリの伸びが市場全体を押し上げている。

WSTSの2026年春季予測は、同年の市場規模を約1兆5100億ドル(約240兆円)、2027年を約1兆9000億ドル(約302兆円)としている。第2四半期の実績を反映し、それ以降について春季予測と同じ成長率を当てはめた試算では、2026年は約1兆6550億ドル(約263兆円)、2027年は約2兆1000億ドル(約334兆円)に達する。

TechInsightsも2027年に世界半導体市場が2兆ドル(約318兆円)を超えると予測する。AIインフラ投資に伴い、AIアクセラレーターだけでなく、高帯域幅メモリ(HBM)、CPU、ネットワーク半導体、光インターコネクト、電源管理半導体など幅広い分野で需要が拡大するとみている。

■市場拡大をけん引するメモリとAI

市場成長の中心にあるのがメモリである。Gartnerは2026年の世界半導体売上高を1兆5552億ドル(約247兆円)と予測し、このうちメモリが8373億ドル(約133兆円)と全体の54%を占めると見込む。2027年にはメモリ市場だけで1兆ドル(約159兆円)を超えるとの予測だ。

背景にはAIサーバーの急速な普及がある。生成AIの学習や推論では、大量のデータをGPUなどの演算装置との間で高速に転送する必要があり、HBMの容量と帯域幅がシステム性能を左右する重要な要素となっている。

NVIDIAの次世代AIシステム「Vera Rubin NVL72」は72基のRubin GPUと36基のVera CPUで構成され、システム全体で20.7TBのHBM4を搭載する。Rubin GPU1基当たりでは288GBのHBM4を備え、メモリ帯域幅は最大毎秒22TBとしている。NVIDIAが公表する仕様は暫定値だが、次世代AIシステムで必要とされるメモリ容量と帯域幅が一段と拡大していることを示している。

TechInsightsによると、米大手ハイパースケーラー4社の2026年の設備投資額は合計7180億ドル(約114兆円)に達する見通しである。データセンターなどAIインフラへの巨額投資が、演算半導体だけでなくメモリやネットワーク関連製品の需要を押し上げている。

■メモリ好況、サムスンの業績にも表れる

メモリ市場の強さは大手メーカーの業績にも表れている。

サムスン電子が10月8日に発表した2026年第3四半期の暫定業績は、売上高が約195兆ウォン(約23.0兆円)、営業利益が約107兆4000億ウォン(約12.7兆円)だった。第2四半期の売上高171兆5000億ウォン(約20.2兆円)、営業利益89兆5000億ウォン(約10.6兆円)をともに上回った。第3四半期の暫定開示には部門別の業績は含まれていない。

第2四半期には、半導体を担うデバイスソリューション部門の売上高が127兆5000億ウォン(約15.0兆円)、営業利益が89兆2000億ウォン(約10.5兆円)に達した。サムスン電子によると、メモリ事業では四半期として過去最高の売上高と営業利益を記録した。

サーバー向けメモリ需要の拡大と価格上昇は、サムスン電子だけでなくメモリ業界全体の収益を押し上げている。TrendForceによると、2026年第2四半期の世界DRAM業界の売上高は前四半期比59.5%増の約1547億3000万ドル(約24.6兆円)となった。AIサーバー需要を背景にHBM3eや大容量RDIMMなどの出荷が拡大する一方、供給の増加は需要の伸びに追いついていない。

■HBM拡大が通常DRAMの供給にも影響

AI向けメモリへの生産能力の配分は、半導体市場の供給構造にも影響を与えている。

TrendForceは、主要メモリ3社のDRAMウェハー投入量のうちHBM向けが占める比率について、2025年末の約18%から2026年末には約22%、2027年末には約30%へ上昇すると推計している。

HBMは通常のDRAMよりも大きなダイ面積を必要とするため、生産能力がHBMに振り向けられるほど通常DRAMに使える能力が圧迫されやすくなる。AIサーバー向け製品を優先する動きもあり、TrendForceはDRAM市場の需給逼迫が続くとみている。

2026年第2四半期のDRAM業界では、供給各社の在庫が歴史的に低い水準となり、追加供給の多くがサーバー用途に割り当てられた。こうした需給環境が、DRAM価格と業界売上高の上昇につながっている。

■「2兆ドル(約318兆円)」への道筋には予測差も

一方、半導体市場がどこまで拡大するかについて、調査会社の見方には幅がある。

IDCは2026年の世界半導体市場を1兆2900億ドル(約205兆円)と予測している。Gartnerは8月時点で2026年を1兆5552億ドル(約247兆円)、2027年を1兆9399億ドル(約308兆円)と予測する。WSTSの春季予測は2026年が約1兆5100億ドル(約240兆円)、2027年が約1兆9000億ドル(約302兆円)で、第2四半期実績を反映した機械的な試算では2027年が約2兆1000億ドル(約334兆円)となる。

TechInsightsも2027年に2兆ドル(約318兆円)を超えるとみている。

予測値には差があるものの、AIインフラ投資とメモリ価格の上昇が2026年の市場拡大を牽引している点では共通している。今後はAI向け半導体への需要がどこまで持続するかに加え、HBMや通常DRAM、先端パッケージングの供給能力が市場拡大のペースを左右することになる。

元記事: Global Semiconductor Market Closing In on $2 Trillion as Samsung Sets Earnings Record

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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