「脱ジャニーズ」急増 CM等に起用の上場企業、半数が「見直し」 帝国データバンク

2023年9月23日 17:49

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 帝国データバンクは21日、特別企画「ジャニーズタレントCM等起用の上場企業動向調査」の結果を発表した。同社の記者会見を受けCM等の中止を決めた企業が急増し、20日時点で上場企業の約半数が起用の見直しを決定・表明していることが明らかとなった。これら企業は海外売上比率が高く、世界的なESG重視の流れもあり人権にかかるリスクを意識した企業の動向が見て取れる。

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 久光製薬は21日、ジャニーズ事務所所属タレントのテレビCM等への起用について、順次やめていく方針を日本経済新聞社へ明らかにした。性被害にかかる問題への対応が取られない限り、現在の契約を更新しない上、新契約もしないとのこと。

 また、セントラル警備保障は21日、ジャニーズ所属タレントを起用したテレビC Mの放送を17日から見合わせていることを日本経済新聞社へ明らかにした。性加害問題についての対応が確認できないことを理由としている。

 20日には日本商工会議所の小林会頭が記者会見で、ジャニーズ事務所における性加害問題を踏まえ、社名を継続しないほうがいいと発言した。また、多くの企業がジャニーズ所属タレントの広告起用を見直す動向に対して、理解を示した。

 一方、経団連の十倉会長は19日の記者会見で、広告起用を回避する企業の動きについて「犯罪を許さないという基本姿勢を示すのは重要」と理解を示しつつも、「日々研さんしているタレントの活動の機会を奪うのは違うのではないか」と述べた。

 かかる状況下、帝国データバンクは9月21日、特別企画「ジャニーズタレントCM等起用の上場企業動向調査」の結果を発表した。本調査は、9月20日時点で、テレビCMなどにジャニーズ所属タレントを起用した上場企業65社における動向をまとめたもの。

 中止ないし契約更新しないことを決定・表明した企業数は合計32社と全体の約半数を占めた。また、13日時点から16社増え、直近1週間で急増していることが分かった。ジャニーズ社の記者会見の内容を受け、対応が不十分として中止を決定したケースも多い。

 また、中止を決定・表明した上場企業における海外売上比率は平均34%と高い。人権尊重はESGの「S」に該当するところ、児童性加害問題への対応が不十分な企業等と距離を置くべきとの企業判断がなされたものと考えられる。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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