コロナ破たん、初の月間300件超え 中国人客の早期回復に期待 東京商工リサーチ

2023年4月1日 15:41

印刷

 東京商工リサーチは3月31日、新型コロナウイルスの影響で破たんした国内事業者について、3月は328件に達したと発表した。4カ月連続で過去最多を更新し、これまで最多だった2月(249件)から3割以上も増えた。

【こちらも】百貨店とSCの2月売上、12カ月連続で前年上回る 全国的に売り上げ増

 「ゼロゼロ融資」の元本返済開始が資金繰りを圧迫しているほか、消費者物価の上昇を受け外食などを控える動きもあり、売上の低迷する事業者もいる。一方、中国からの入国者に対する水際対策の緩和が実施される予定で、中国人インバウンドへの期待が高まる。

 厚生労働省の発表によれば、31日に確認された都内の感染者数は854人で、9日ぶりに1週間前の同じ曜日を下回った。横ばい状態ではあるものの、ピーク時からは大幅に減った。

 一方、中小事業者におけるコロナ影響での破たんは勢いは止まらない。東京商工リサーチが発表したところによれば、3月は月間328件が確認された。昨年9月より200件超えが続いていたが、初の300件超えとなった。また負債1,000万円未満の小規模倒産を加えた累計の破たん件数は、5,951件に達した。破たん企業(負債1,000万円以上)が雇用していた従業員数の累計は、判明している数だけで5万346人となった。

 破たんの勢いが増す背景には、いわゆる「ゼロゼロ融資」の元本返済や物価高などがある。また、総務省が31日に発表した3月の東京都区部の消費者物価上昇率は3.2%と依然高く、特に食料価格の上昇が目立った。大企業の一部では賃上げが実施されているものの、消費者物価の上昇を受け外食や買い物などを控える動きもあり、コロナで影響を受けた事業者の業績回復を遅らせている。

 明るいニュースもある。日本経済新聞が発表したところによれば、日本政府は4月5日より、中国から日本への入国者に対する水際対策を他の国からの入国者と同じ基準まで緩和する。現在は、中国から直行便で入国する全員に対し、出国前72時間以内の陰性証明を義務付けているが、これが不要となる。ワクチンを3回以上接種していれば入国できるようになる。

 中国人インバウンドが日本の景気を下支えするとの見方は多く、観光業界を中心に期待が高まっている。(記事:dailyst・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事