円安・物価高倒産が急増、年末にかけてさらに増加も 帝国データバンク

2022年11月10日 16:59

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 帝国データバンクの調査によると、2022年夏以降に円安や物価高を原因とした企業倒産が増加傾向にあり、年末にかけてさらに増加しそうな勢いになっていることが分かった。

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■円安倒産が夏場から増加傾向

 9日、帝国データバンクが「円安倒産」動向調査を発表した。円安による輸入コストの上昇を原因とした企業倒産件数は10月が7件となり、8月の7件、9月の6件とともに直近5年間で最も多かった19年3月と12月の4件を大きく超えてきた。

 また22年1月から10月の円安倒産は21件となり、18年の18件を超えただけでなく、19年の22件を超えて年間最多ペースを更新しそうな勢いとなっている。

■新型コロナと原材料高が中小企業を直撃

 21件中では食品関連の業種が最も多く6件。倒産事例として神奈川県を中心にマグロ関連を取り扱う水産卸業者の丸隆水産は、仕入れ価格の上昇で、鹿児島県を中心にセルフさぬきうどん店「薩摩まんてん」などを経営する豆乃屋フーズが、新型コロナの影響に加えて原料高により倒産に至った。ついで繊維関連が5件、家具・建具関連が各2件となっている。

 今後も円安傾向が続くと見られることから、新型コロナの影響に加えて円安による原材料高を価格に反映しづらい中小企業の倒産が、年末にかけて同様の水準で続く見通しという。

■物価高倒産は昨年から倍増へ

 同日、帝国データバンクは「物価高倒産」動向調査も発表。仕入れ価格の上昇や値上げ難などの物価高を原因とした倒産件数は、10月が41件となり、過去最多件数だった9月の35件を上回り、6月から4カ月連続で月間最多件数を更新し続けている。

 また22年1月から10月の物価高倒産は221件となり、直近5年間で最も多かった21年の138件から倍増しそうな勢いで、さらに資金需要が高まる年末にかけて物価高倒産が増える可能性がある。

■運輸業や建設業の倒産が半分近く

 業種別では10月の41件中、製造業が12件と最も多い。ついで小売業が9件、運輸・通信業(実質は運輸業のみ)が8件、建設業と卸売業が各5件と続く。22年の226件中では、運輸・通信業(同じく実質は運輸業のみ)が51件で最も多く、以下は建設業が49件、製造業が44件、卸売業が34件、小売業が25件などとなっている。

 倒産事例として大阪府の和菓子製造業者である戎大黒本舗は、原材料高や運送費の値上がりの価格転嫁難で、兵庫県で運送業を営むキャリーエムロジスティクスは、借り入れ負担に加えて燃料費の高騰で、東京都で建築資材や鋼材などの卸売業を営むタイセイは、事業継承問題に加えて資材価格の高騰が原因で倒産に至った。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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