地球温暖化 環境に応じた対応を

2022年4月15日 17:01

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Photo:伝統的な風車のあるオランダの風景(画像提供:Netherlands Board of Tourism and Conventions)

Photo:伝統的な風車のあるオランダの風景(画像提供:Netherlands Board of Tourism and Conventions) [写真拡大]

  • Photo:欧州最先端をゆくオランダの風力発電風景(画像提供:Netherlands Board of Tourism and Conventions)

 筆者は、「地球温暖化」とか「カーボンフリー」と騒ぎ立てる風潮には、懐疑的である。

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 周期的に「好況」と「不況」のアップダウンを繰り返す「景気変動曲線」の様に、地球は「寒冷期(氷河期)」と「温暖期」を繰り返している。

 地球温暖化と騒いでいるが、地球は現在、「温暖化」のサイクル途上にあるだけなのだ。

 いずれ、「寒冷期(氷河期)」に向かう時期が来るが、その時は「温室効果ガスをもっと排出して、地球寒冷化を防げ!CO2をもっと排出しろ!」と騒ぐのだろうか?

●地球の誕生から現在まで

 ネットで「地球生命発生 1年に例えたら」と検索して見たら、面白い記事が散見される。

 地球は46億年前に誕生したが、人類の誕生は400万年前のこと。これを、1年のカレンダーに当てはめると、12月31日の午前7時頃のことになる。

 もっともこれは「原人」レベルの存在だ。今の人類の形に至ったのは大晦日、12月31日の23時49分。

 更に進化して、人類の文明が文字を使うようになったのが、31日の23時58分34秒になるとの解説もある。つまり近代の人類の歴史は1年間のうちの、「大晦日で今年も残り1分」程度でしかない。

 46億年の地球の歴史では、1年365日のうちの、余すところ1分間程の期間に起こったことで大騒ぎしている訳だ。

●温暖化加速は事実だが

 確かに近年の工業発展に伴い、石炭や石油、天然ガスといった、燃やすとCO2を発生する燃料の使用が極端に増加した為に、「温室効果ガス」の影響により、温暖化が加速しているのは事実である。

 しかし、地球の気候変動の大きな流れの中で、CO2排出の増加により多少「温暖化」が加速したところで、いずれピークを過ぎれば「寒冷化」に向かう。だが人類が滅亡する以前にそのサイクルを迎えることは、恐らく無いだろう。

●人類の知恵の活用

 ツバル(Tuvalu)の海面上昇による陸地の消滅危機とかは、確かに深刻な問題である。

 だが例えばオランダ王国の領土は、2,519平方キロメートル (16,417 sq mi)であり、ライン川下流の低湿地帯に位置し、国土の多くをボルダーと呼ばれる干拓地が占め、国土の4分の1は海抜以下である。

 従って、ほとんどの土地は干拓によって拡げられてきたので、洪水から土地を守る為に堤防が築かれている。オランダ観光資源の1つとしてシンボルとなっている風車は、当初は干拓地の排水を目的としていた。

 昔から、オランダは彼等の叡智と技術で、広大な「海抜以下」に位置する国土を保全して、繁栄して来た。

 オランダという立派なお手本があるのだから、地球温暖化に伴う海面上昇に対する対処方法は、現代の先進技術を駆使すれば、ある程度まではカバー可能ではないか。

●各国の環境に応じた対応

 2020年に欧州では、再生可能エネルギーが化石燃料を抑えて最大の電力源となり、電力資源としての再生可能エネルギーは2019年度の34.6%から38%に増加した一方で、化石燃料の割合は37%に減少している。

 風力と太陽エネルギーによる発電量だけで化石燃料による発電量を超え、増加率が大きかったのはオランダで、過去最大の40%増となり、欧州諸国の全発電量に占める風力および太陽の割合の平均値(20%)に並ぶ19%になっている。

 昔の干拓に活躍した風車は観光資源になり、今は風力発電設備が美しい風景に溶け込んで活躍している。 

 「原子力発電比率71.5%のフランス」や「水力発電約50%のノルウェー」の様に、CO2削減に異論は無く、各国が環境に応じた方策で取り組むのは素晴らしいことである。

●ロシアのウクライナ侵略

 ここに来て、ロシアの暴虐なウクライナ侵略により、国際的なロシア包囲網が着々と構築されつつある。

 今回の危機以前は、「地球温暖化」「カーボンフリー」とお気楽な議論により、「安定的」な電力源と成りえない「再生可能エネルギー」へのシフトがもてはやされた。

 ロシアの潜在的な暴虐性に目を瞑って、安易にロシアから「ノルドストリーム」とやらのパイプラインで天然ガスを仕入れ、原子力発電を放棄する愚行を行ったドイツも、ここに来て大幅な方針転換を迫られている。

●世界的な電源構成の変化

 石炭->石油->天然ガス と、燃料の主役が変化しているのは事実だが、「燃焼を伴う」燃料ではCO2の排出は避けられない。

 制裁手段として、ロシアの外貨獲得を阻止すべく、石炭が禁輸された。段階的に次は石油、そして天然ガスと順次排除が進むだろう。

 欧米諸国は、現在「ロシア産の化石燃料の排除」を進めている段階で、原発の再稼働や石炭火力発電設備を動員して、「電力確保」に奔走している。つまりロシア産以外の化石燃料に置き換えを進めているだけなのだ。

 平和な世界であれば、段階を踏んで環境保護の活動は可能だが、現時点では「お気楽な」CO2排出議論も意味をなさない。

 日本もつい最近、電力逼迫で計画停電1歩手前まで行って、家電製品のスタンバイ消費電力まで節約する為に、コンセントまで抜く様にと騒いでいた。「1戸建ての1家3人が、4日間暮らせる」電力で300~400km程度しか走れないというのが、EV車の現状だ。

 非効率なEV車をスキップして、燃料電池車、水素エンジン車へ早期に向かうべきだろう。水素インフラの整備が急がれる。(記事:沢ハジメ・記事一覧を見る

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