SBIグループ色を強める、モーニングスターの足元

2022年1月6日 16:40

印刷

 名刺の交換をしたこともない。一面識もない。が、月曜日から金曜日の朝8時半ごろに私は、モーニングスター(東証1部)の高橋克也氏なる御仁の「今日の相場見通し」をヤフーのファイナンス欄で日々拝読している。

【こちらも】IoT事業&CF事業でみせる、タスキの差別化戦略

 モーニングスターについては現状で、何かと話題のSBIグループが41.5%の株を保有。代表の北尾吉孝氏がNo2のポスト(筆頭取締役)に就いているといった程度の知識しか持ち合わせていなかった。だが四季報のパラパラ読みで、業績欄の見出しが【連続最高益】となっていたのを機に「調べて見よう」という気に駆られた。事業については大雑把に言うと、「投資信託のデータ販売と投資信託運用、セミナー展開が3本柱」とされる。

 前3月期は「9.8%増収、14.5%営業増益、1円増配16円配」。今期は「当社事業と関連性が高い金融市場動向の想定が難しく」を理由に未定計画でスタート。中間期開示時点でも、依然未定。が、中間期実績は前年同期比「8.9%増収(39億3700万円)、13.9%営業増益(9億9300万円)、(未定だった)中間期配0.5円増の8円配」と、この限りでは順調。中間期時点での事業部門別状況は、こんな具合。

【ファイナンシャル・サービス事業】―20.4%減収、41.4%営業減益。(1)データ・ソリューション: 投信データ向けタブレットアプリの売り上げ増(前年同期比21.2%増)。株式データは紙媒体休刊の株式新聞Web版が売り上げ増も紙版休止もあり16.1%減収。(2)メディア・ソリューション: 投信運用・販売会社からのファンドのプロモーションが抑制され、セミナー及び広告収入の減収等で32.0%の減収。

【アセットマネジメント事業】―(1)SBIアセットマネジメントが公募するインデックスファンドの運用残高の拡大、金融機関の有価証券運用を支援するSBIボンド・インベストメント・マネジメント/SBI地方創生アセットマネジメントの投信運用残高の増額で、25.2%の増収65.4%の営業増益。

 後者=SBIグループ関連の事業が中軸になっていることが見て取れる。その意味でSBIの北尾氏が推し進める「第4のメガバンク化」。つまり新生銀行との関りはしばらく様子見が必要となろうが、「地銀の傘下入り」動向はモーニングスターの今後の収益動向を占う上で大きなポイントになろう。上半期に積極化をみせたインデックス型投信は、今後も投入本数を増やしていく方向を明らかにしている。

 そんなモーニングスターの株価を、冒頭に記した高橋氏はどんな風に解説するのだろうか。(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事