日産「e-POWER」が中国で高評価には裏がある? (2) 中国国内メーカー育成が目的

2019年7月21日 18:33

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「グローバルNEVイノベーティブテクノロジー賞」を受賞した日産「e-POWER」。(画像: 日産自動車の発表資料より)

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■最高燃費記録は「トヨタ方式HV」

 そんなHV技術において、またFCV技術でもトヨタが世界をリードしており、特許を開放してもいる。現在の実績で言えば、HV技術で最高の燃費を記録しているのは、1位「トヨタ方式」、2位「ホンダ方式」、3位「日産方式(e-POWER)」となっている。

【前回】日産「e-POWER」が中国で高評価には裏がある? (1) 「テクノロジー賞」受賞

 実用性においても、トヨタ方式は欠点が少なく完成度も高い。それなのに、「中国科学技術協会」と称する団体が「日産方式(e-POWER)」を「グローバルNEVトップイノベーション技術賞」として選んだのはなぜか?残念ながら、その理由はきわめて不透明だ。

 技術レベルで考えると、「日産方式(e-POWER)」は日本企業3社のHVシステムの中で、「一番、易しい」と言うしかない。これはだれでも分かる通りだ。最も複雑と言うべきはクラッチを使ったホンダ方式であろうが、これについてはベンツが先行している48Vマイルドハイブリッド技術が複雑かもしれない。それらに比べてトヨタ方式HVシステムは、ガソリンエンジンとモーターの組み合わせ、最も効率が高い性能を最も単純に実現していることで「世界最高峰」と言えるものだ。

■「e-POWER」受賞は中国国内メーカーの育成が目的

 中国が日産に技術賞をあげた裏には、「日産方式(e-POWER)」がBEVに発電装置をつけ足せば出来上がるといった技術の容易さが、中国国内メーカー育成に向いていることがあげられる。

 発電専門なら、ガソリンエンジンを使うにしても発電に最も効率の良い回転数で運転すればよい。日本市場では、ガソリン車の回転数と、発電機として運転するときのエンジン音に、違和感がある問題が一部のユーザーに生じている。それに応えるため、アクセル開度に連動して発電用エンジン回転数を変更するといった、燃費に不利な工夫を行っている。

 しかし中国市場では、ガソリン車の歴史が浅く、発電機として一定の回転数でエンジンを運転しても受け入れられることも考えられる。よって日産・「e-POWER」方式であれば、中国メーカーで広く取り入れられる方式であろうと考えられる。

 そうした中国国内メーカー育成の観点から、「日産方式(e-POWER)」に賞を与えたものと見ることが出来る。これまでEVを造ってきたメーカーが、容易にHV生産に取り組める方策でもあるのだろう。しかしながら、先ごろ特許を開放したトヨタ方式は、ガソリンエンジンの効率を最も高く使うことが出来る方式であり、高速道路が整備されてくると、高速巡行でガソリンエンジン直結が最も効率が良いこととなる。

 集中発電や配電など社会インフラで原子力発電に急速に移行しようとしている中国でも、自然エネルギーでの発電が思うようにかない欧州でも、HVは最適解になることも考えられるのだ。

 中国市場の展開次第によっては、世界の自動車市場が左右されることも事実だろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

関連キーワード本田技研工業トヨタ自動車ハイブリッド車中国日産自動車燃費特許

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