中国の「NEV規制」とトヨタのHV特許開放が引き起こす? 自動車業界の地殻変動 (3-2)

2019年7月17日 11:14

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トヨタが展開する電気自動車のイメージ。(画像 :トヨタ自動車の発表資料より)

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 環境意識の高まりを受けて厳しい排ガス規制を続けてきた中国で、一歩も二歩も他社に先んじていたトヨタのHV車は、今までガソリン車として分類されて来た。メーカーには補助金、ユーザーには減税と自動車登録での優先的な扱い等の優遇措置を講じて、自国のEV車メーカーを育成してきた中国だったが、現在検討中の新制度では今までガソリン車に分類されて来たHVの扱いを、見直していることが分かった。補助金で自国EV車メーカー育成を図る姿勢も、政策転換により17年からは段階的に補助金が削減されて変化している。

【前回は】中国の「NEV規制」とトヨタのHV特許開放が引き起こす? 自動車業界の地殻変動 (3-1)

 ここ数年、世界の自動車メーカーはEV車の機能充実、中でも動力源となるバッテリーの開発を強力に進めてきたが、現在主力となっているリチウムイオン電池の弱点である、走行距離がなかなか伸びない、価格が高い、重量が重い、充電時間が長い等に革新的な改善は行われていない。

時折、大げさに性能の向上が伝えられることもあるが、実際には一部機能の改善という程度である。次世代のバッテリーとして以前から話題を集め、現在は大本命と見なされている全固体電池についても、実用化される時期が5年、10年単位の将来という「夢」の域を脱していない。

 長年自国の自動車メーカーを補助金で育成してきた中国政府は、17年を境にして補助金の段階的な引き下げへと転換し、60社前後と言われる自動車メーカーは淘汰される局面へと進んだ。補助金が削減されたことによって車両の販売価格も3割程度引き上げる状況に追い込まれ、輸入車との違いを際立たせる最大のセールスポイントだった価格競争力に陰りが出てきた。17年から段階的に減少してきたEV車に対する補助金は20年に消滅する。

 自国の自動車メーカーが自立する力を蓄えるまで、待つ余裕のなくなった中国政府は、19年から一定割合のエコカー生産を義務付ける「NEV規制」と呼ぶ新政策の運用を始めた。各社の生産(輸入)台数の10%を、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)等のエコカーにすることが求められ、不足した場合には販売台数が制限されるペナルティがある。施行初年度なので19年分について厳格な運用はされないことになっているが、ペナルティが課せられる秒読みが始まったことに変わりはない(3-3に続く)。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

続きは: 中国の「NEV規制」とトヨタのHV特許開放が引き起こす? 自動車業界の地殻変動 (3-3)

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