国内111銀行、3月期の貸出金は537兆1564億円で8年連続増 リスク管理債権は減少

2019年6月8日 19:18

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 東京商工リサーチは7日、国内111銀行による2019年3月期決算を分析した「リスク管理債権状況」調査の結果を発表した。貸出金が8年連続で増加する一方、リスク管理債権は6年連続で減少。また全国の倒産件数が減少する中、半数以上の銀行が貸倒引当金を積み増した。いまだ低金利ではあるものの、大手行を中心に貸出金利息が上昇している状況も確認された。

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 調査対象となった銀行における貸出金の合計額は、前年同期比5.0%増の537兆1,564億円と8年連続で増加した。不動産業向けのほか、取引先企業の経営再建に係る取り組みが後押しし、111行のうち101行が前年同期より伸ばした。貸出金利息は同12.2%増の7兆2,540億円と2年連続で増加した。ただし大手銀行が大きく伸ばした一方で、地方銀行はほぼ横ばい、第二地銀においては減少し、地域金融機関が厳しい経営環境から抜け出せていない状況が改めて分かった。

 リスク管理債権の合計額は、同0.2%減の6兆4,459億円と6年連続で減少し、3月期としては過去最低となった。ただし12.6%減らした前年と比べると、減少幅は縮小している。銀行全体でリスク管理債権が減少する中、前年から同債権を増やした金融機関の大半が地方銀行ないし第二地銀であり、ここでも地域金融機関の苦境が見て取れる。

 リスク管理債権とは、契約通りに銀行へ返済がされていない、もしくは延滞している状況の債権のこと。各銀行は銀行法で開示が求められており、「破綻先債権」「延滞債権」「3カ月以上延滞債権」「貸出条件緩和債権」の4種類に区分される。

 これら4種類のうち、法的・形式的には破綻していないものの実質的に破綻状態にある借り手に対する貸出金を指す「延滞債権」のみが、前年同期より増加した。これは、シェアハウス向けの不適切な不動産融資を認めたスルガ銀行が「延滞債権」を急増させたのが主因。

 貸倒引当金の合計額は同0.1%増の2兆7,241億円と、10年ぶりに増加へ転じた。東京を中心に活動する大手銀行が減らした一方で地方銀行が増やした。地方銀行においては、延滞債権を急増させたスルガ銀行を除いても増えている。全国の倒産件数は減少傾向にあるものの、地域の中小企業においては経営の先行きに不透明感が高まっている実態が分かった。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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