ファンケルに見る企業が「就業者」に寄り添う在り方

2019年4月17日 16:31

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 ファンケルが基礎化粧品・サプリメント全般の好調で「連続最高益更新」の勢いを見せている。業績推移の勢いもさることながら、下記のような角度からも同社を高く評価したいと思う。

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 ファンケル側の言葉を借りれば、「不(不安・不便)」への対応で先端を走っている。創業者で当時社長(現、会長)の池森賢二氏の命で、特別子会社「ファンケルスマイル」が設立された。

 知的障がい者の雇用を進めることを目的とした会社である。現在52人が雇用されている。「サプリメントの包装」「名刺の印刷」「工場内の清掃」など10業務に亘り、活動を行っている。この4月からは千葉にある化粧品工場に分室を設け、来年中には総勢100名の雇用を計画している。

 そんなファンケルがこの4月から導入したのが「アソシエイト正社員制度」。グループ企業を含む約1500人の正社員を対象とするこの制度は一口で言うと、「家族の介護」「長期療養が必要な病気」「(本人が)障がいを抱えている」場合への「柔軟な対応」制度。

 例えば正社員の就業規則は「週5日、1日7・5時間」と定められているが、希望日数・時間での勤務が可能になる。賃金は働いた時間に応じて支払われ、退職金についても通常の正社員同様の「所定基準」に基づいて支給される。例えば社会保険の加入には「週20時間」の就労が必要になるが、就労時間区分を「1日4時間×5日」「同5時間×4日」などの多様性が認められる。

 最も肝要なのは、例えば高齢化社会の進捗で「家族の介護」は働き手に不可避な問題となっているが、同制度の活用で「正社員のまま」介護の時間も割くことができるという点だ。

 何故「アソシエイト正社員制度」は導入されたのか。こんな事実を知ると「だからこそ、そうせざるをえなかったのだろう」と指摘する向きもあるかもしれない。ファンケルグループの総正社員に占める女性の比率は、約68・5%。管理職比率でも約45%に達している。

 だが前記した「指摘」は、いかにも短慮だと考える。安倍政権は「女性の社会進出」⇔「介護離職ゼロ」を掲げているが、何らかの資金援助制度だけで実現しうるものではない。家族・親族による「自助」と行政支援の「公助」に加え、企業の「共助」が相まって初めて実現に近づくはずだからである。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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