【ルノー・アルピーヌ・A110と日産・GT-R(3)】トヨタのコストダウンに対する執念 カローラスポーツ

2018年12月14日 08:16

小

中

大

印刷

新型アルピーヌA110。(画像: ルノーの発表資料より)

新型アルピーヌA110。(画像: ルノーの発表資料より)[写真拡大]

写真の拡大

■ルノー独自のHCC(ハイドロリック・コンプレッション・コントロール)ダンパー

 ルノーのアルピーヌA110は、乗り心地もそれほどハードではなく、専用開発されたミシュランタイヤと共に、初代のRRの特性を生かした切れ味を持ちながら細かい振動もよく吸収しているようだ。それでいて、高速コーナリングでも姿勢変化が抑えられているのは、ダンパーの工夫だろう。ルノーの持つHCC(ハイドロリック・コンプレッション・コントロール)と称するダンパーだ。

【前回は】【ルノー・アルピーヌ・A110と日産・GT-R(2)】 マツダ・ロードスターとも違うフランス風

 これは、ルノー・ルーテシアR・Sなどに搭載されている二重ダンパー機能で、ダンパーの中にダンパーを組み込んである。大きな入力があってストロークが極限になってきたとき、ゴムブッシュなどに替わって入力を受け持つことで、衝撃や揺り返しなどを起こさない安定性を確保する仕掛けだ。大きな入力を受け持つことで、細かい振動を吸収するセッティングが出来る。現代的に乗り心地が良いスポーツ・サスペンションセッティングだ。BMW・Mシリーズなどでも、二重ダンパーではないようだが、こうしたセッティングが行われるようになり、スポーツカーでも乗り心地が良いとなってきた。

■トヨタのコストダウンに対する執念

 一方、日本では、ホンダ・オデッセイなどでサブダンパーが見られるが、これはミニバンでありスポーツカーのセッティングとは少々違うようだ。また、トヨタ・カローラスポーツのダンパーは、ダンパー内のオイルが、大きな入力があった場合に固くなる性質で、大きな入力を受け持ち細かい振動を吸収できる。つまり、ルノーのHCCと同質のセッティングだ。ルノーの二重構造と比較すると、部品代だけでなく作業工程が少なく、中間在庫を必要としない構造に仕上げている。こうしたところに、トヨタはコストが安く、高性能な部品を作ろうとする「執念ともいえる」努力を感じる。日本人の技術的努力の方向性が、ルノーを上回っている証拠だ。

■エンジンは1.8Lターボエンジンに7速DCT

 ルノーのアルピーヌA110のエンジンは、ダウンサイジングターボで252ps/6000,32.6kgm/2000となっている。現代らしく低回転トルクが強く、街乗りにも神経を使うことはないだろう。7速DCTとの組み合わせも現代流で、下手なMT操作よりも速く走れるだろう。ワインディング走行においても、DCTはどこまで熱に耐えられるのかは分からないが、日ごろの楽しみに不自由することはないであろう。

 アルピーヌA110初代のRRによるハンドルの切れ味は、MRになった現代版でも相当に鋭く正確で、ドリフトが楽しいようだ。乗ってみたい車として、現在トップに来るのがA110である。女房が「いい年して事故を起こさないで」と言っている。

次は、日産GT-Rの特徴を見てみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは:【ルノー・アルピーヌ・A110と日産・GT-R(4)】GT-RのベンチマークはアメリカンGT

関連キーワードトヨタ自動車日産自動車GT-RBMWルノーアルピーヌ

広告

財経アクセスランキング