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【ルノー・アルピーヌ・A110と日産・GT-R(2)】マツダ・ロードスターとも違うフランス風
新型アルピーヌA110。(画像: ルノーの発表資料より)[写真拡大]
■アルピーヌA110、デザインはマツダ・ロードスターとも違うフランス風
A110初代はRR(リアエンジン・リアドライブ)だったが、これがラリーシーンでは、ラフロードのドリフト走行を強いられる条件で、有効に機能していた。岡崎淳氏によると、新型も「ドリフト走行の楽しい車にしておいた」となる。
【前回は】【ルノー・アルピーヌ・A110と日産・GT-R(1)】フランス風デザインは日本人
私が最も気に入っている、そしてフランス車らしい優雅さを感じさせるのが、ウィングがないことだ。空力部品を取り付けずに空気抵抗を処理しているのだ。それが、「底面のカバー」だ。車の床下は色々な部品があり、整流されていないのだが、それをレーシングカー並みに整流して、空気は速く流れるほうに引き付けられるので、底面の流速を上げ、ダウンフォースを得るようにしている。だからといって、空気抵抗を減らすのが最優先の課題ではなく、ウィング、スポイラーなど空力部品を取り付けたくないというデザインの必要性からであるのが、なんともうれしいところだ。この辺が、なんとも言えないフランス文化のスマートさを感じさせる。
■機能よりもデザイン優先
また、新型はMR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)となっているが、これも操縦性の向上を最優先に狙ったものではなく、デザイン的にヒップアップを避け、初代のプロポーションを保とうとした結果であると言う。またダックテールとなると、空力部品が外部に出ることとなり、初代のイメージではなくなるのを避けたと言う。現代のエンジンをRRに取り付けるとヒップアップとなり、ウィングを必要としてしまうようだ。そこでエンジンを横置きにして、MRとしたのだそうだ。
このようにアルピーヌA110は、フランス風デザインを受け継いで初代のプロポーションを守ったのだが、ディテール処理が何となく日本人的繊細さを感じさせてしまう。人事的にカルロス・ゴーンの直接の影響ではないであろうが、こうして文化は混ざり合っていくものかもしれない。
車重1.1トン程度であるとのことで、日本でこれに匹敵するのは一回り小さなマツダ・ロードスターのようだ。日本車で一番A110に近いと感じるのが、マツダ・ロードスターCFだが、この車はイギリスのライトウェイトスポーツに近く、日本独特の解釈で出来上がっている車だ。日産・GT-Rとは異質の存在と言えようが、A110ともまた違った文化を感じさせる。
次は、ルノーの技術と日本人の技術の差を見てみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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