エヌビディアCEOに米議会が非公開説明会への出席を要請、「中国スパイ」疑惑女性との関係巡り

米下院の共和党有力議員らは、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOに対し、中国のためにスパイ活動をしていたとされる女性との関係について議会で説明するよう求めた。(写真:rafapress c 123RF.com)[写真拡大]
米下院の共和党有力議員らは、半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)に対し、中国のためにスパイ活動をしていたとされる女性との関係について、議会で説明するよう求めた。
共和党議員らはフアンCEOに宛てた書簡で、「最近の報道は、中華人民共和国(PRC)が米国の機密技術や情報にアクセスしていることについて、重大な国家安全保障上の懸念を引き起こしている」と指摘した。
書簡には、ブライアン・マスト下院外交委員長、ジョン・ムーレナー下院中国特別委員長、リック・クロフォード下院情報特別委員長の3人が署名した。書簡は「中国による浸透と米国の最先端技術へのアクセスという問題は、今議会における3委員会の調査活動の中核をなす。米国の国家安全保障がどの程度危険にさらされたのかを議会が見極めることが極めて重要だ」としている。
■NYT報道で疑惑浮上
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は10月29日、米情報機関が、シンガポールのデータセンター企業メガスピードの幹部アリス・ホアン氏について、エヌビディア製AIチップを中国に流す工作に関与していた可能性があると判断していたと報じた。米情報機関はまた、ホアン氏が中国の情報機関の協力者として北京に情報を流していたと結論付けたという。ホアン氏は中国籍で、フアンCEOとの血縁関係はない。
同紙は、ホアン氏がフアンCEOと親密な関係にあったと伝えた。エヌビディアは同紙への声明で、ホアン氏は同社の顧客企業に勤務していたと説明した。
エヌビディアは「ジェンスンとホアン氏の交流は異例でも意外でもない。顧客と会うことはCEOの仕事の一部であり、ジェンスンは毎年数千人の顧客企業幹部と話をしている」とコメントした。
同社はさらに、メガスピードのような企業が機密情報を受け取ることはないと強調した。こうした企業が受け取るのは「エヌビディアの機密の企業秘密ではなく通常のビジネス情報であり、国家安全保障に関わる情報は一切ない」としている。
フアンCEOは不正行為を指摘されておらず、同紙の報道も、ホアン氏の秘密裏の活動をフアンCEOが認識していたことを示す兆候はなかったとしている。
中国外務省の郭嘉昆報道官は10月30日、報道は根拠がないとして否定した。シンガポール内務省も31日、同国当局がホアン氏と中国情報機関とのつながりや、フアンCEOとの関係について調査した事実はないと表明した。
■「恋愛関係」記した米政府メモも
NYTは11月6日、今年春にトランプ政権の政策担当高官の間で回覧されたメモが、ホアン氏を中国の情報機関である国家安全省の協力者とする情報を引用していたと報じた。エヌビディアの広報担当者は同紙に対し、顧客と機密情報を共有することはなく、顧客から対中半導体政策の変更を米政府に働きかけるよう求められることもないと説明した。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)も同日、米当局者が今年前半に作成したメモに、フアンCEOがホアン氏と恋愛関係にあったとの記述があったと、関係者の話として報じた。メモはトランプ大統領が5月に訪中する前に、一部の政府高官の間で回覧されたという。米情報機関は、ホアン氏が国家安全省に勧誘されたとみているとしている。
ホワイトハウスと米中央情報局(CIA)はコメントを控えた。エヌビディアもメモや親密な関係の指摘についてコメントを控え、フアンCEOは毎年数千人の顧客企業幹部と会っているとする従来の説明を示した。ホアン氏とは連絡が取れていない。
■11月11日までに回答求める
フアンCEOは、ホアン氏との交流について議会の3委員会で説明するよう求められている。
書簡は「エヌビディアの外国敵対勢力によるスパイ活動への安全対策、および中華人民共和国の情報機関協力者と公に報じられたメガスピード幹部アリス・ホアン氏とのあなたの交流について、当委員会合同の非公開説明会に出席するよう要請する」としている。
議員らは非公開説明会の日程として11月18日を提示し、フアンCEOに対し、11月11日までにこの日程を受け入れるか、代わりの日程を提示するよう求めた。
エヌビディアは、フアンCEOが説明会に出席するかどうかを明らかにしていない。同社は説明会の前日にあたる17日に、2027年度第3四半期(8〜10月期)決算を発表する。
※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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