ING、データセンター向け融資約790億円を売却へ オープンAIの「スターゲート」関連債権も

2026年11月7日 21:15

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記事提供元:International Business Times

オランダの金融大手INGが、データセンター向けの融資債権・約5億ドル(約790億円)の売却を検討していることが分かった。

オランダの金融大手INGが、データセンター向けの融資債権・約5億ドル(約790億円)の売却を検討していることが分かった。[写真拡大]

 オランダの金融大手INGが、データセンター向けの融資債権・約5億ドル(約790億円)の売却を検討していることが分かった。売却対象には、米オープンAIなどが進める大規模AIインフラ計画「スターゲート」に関連する債権も含まれる。AIインフラの資金調達に伴う巨額の借り入れに対し、投資家の警戒感が強まるなかでの動きとなる。

 ブルームバーグ通信が関係者の話として報じたところによると、INGは12件の融資について、競争入札方式で買い手を募っている。対象には、米ニューメキシコ州で開発中の大規模AIデータセンターに関連する2500万ドル(約39億5000万円)の融資持ち分が含まれる。

 データセンター運営会社のバンテージ・データ・センターズとサイラスワンに関連する債権も売却の対象となる。入札期限は11月19日で、1件当たりの入札額は1000万ドル(約15億8000万円)以上とされている。

 データセンター関連の融資だけで構成された大型ポートフォリオが入札にかけられるのは珍しい。AI業界がこれ以上どれだけの債務を抱えられるのか、投資家の間で疑問が強まっている時期でもある。

■売却自体は経営難を意味せず

 銀行が融資債権を他の投資家に売却することは、バランスシートの管理、資本の確保、特定業種へのエクスポージャー(リスク資産の保有)の削減を目的として日常的に行われている。今回の売却計画だけをもって、対象の融資が不良債権化している、あるいは融資先の事業が財務難に陥っていると判断することはできない。

 ただ、そのタイミングに注目が集まっている。11月5日の米株式市場では、AIインフラ投資に関連する銘柄から資金が流出し、ハイテク株が大幅に下落した。ナスダック総合指数は5.52%安と急落し、データセンター運営会社のアプライド・デジタル、サイファー・デジタル、IRENはそれぞれ14%超下落した。

 株価下落は、11月3日に行われた米中間選挙の結果を受けて、データセンター開発に対する政治的な監視が強まるとの見方が広がったことに続くものだった。投資家は、業界の急拡大を支える借り入れや支出計画についても再評価を進めた。

■ニューメキシコ州の「プロジェクト・ジュピター」

 INGが売りに出した融資の1件は、ニューメキシコ州ドニャアナ郡で開発中のAIデータセンター群「プロジェクト・ジュピター」に関連するものだ。同施設は米オラクルや、スターゲート計画全体と関わりがある。

 同施設は、スターゲートの拡大を支えるインフラ事業の一つである。スターゲートはオープンAI、ソフトバンクグループ、オラクルが2025年1月に立ち上げた計画で、4年間で最大5000億ドル(約79兆円)を米国のAIインフラに投資する目標を掲げている。

 計画は当初のテキサス州での開発から広がり、稼働中や計画中の施設のネットワークへと発展した。ますます高性能化するAIモデルに必要な計算能力を提供することを目指している。

 プロジェクト・ジュピターをめぐっては、エネルギー供給体制についても疑問の声が上がっている。オラクルは9月、データセンター群の建設と、計画中の発電設備の許認可手続きは別の問題だと説明した。同社によると、発電設備の大気質許可手続きに影響を与えた裁判所命令は、データセンター棟の建設許可には適用されない。

 オラクルはその後10月に、同事業の経済効果の試算を見直したと発表した。建設期間と本格稼働後の最初の17年間で、ニューメキシコ州に130億ドル(約2兆500億円)超の経済効果をもたらす可能性があるとしている。

 同社は、燃料電池によるマイクログリッド(小規模電力網)で施設の電力を賄う計画も示し、建設期間と初期の稼働を支える電力供給の取り決めも提案した。

■複雑化するAIインフラの資金調達

 各社がコンピューティング施設の新設に数十億ドル規模の資金を投じるなか、AIインフラをめぐる資金調達の仕組みは一段と複雑になっている。

 データセンター開発会社は、建設費や電力インフラ、専用設備の調達にあたり、融資や長期リース契約などの資金調達手法を活用することが多い。大手テクノロジー企業は、すべての費用を自社のバランスシートで直接賄わずに、最終的にこれらの施設を利用できる場合がある。

 INGのアナリストは10月のリサーチリポートで、大手テクノロジー企業の2027年度の設備投資額が1兆ドル(約158兆円)近くに達する可能性があるとの見通しを示した。

 同リポートは、欧州のテクノロジー・メディア・通信(TMT)企業による来年の債券発行額(グロス)が約1500億ユーロに達する可能性があると予測し、AIインフラ投資がその需要を押し上げる要因の一つになるとした。

 さらに、大手データセンター運営会社による2027年の債券発行額は少なくとも600億ユーロに上ると予測した。2026年のこれまでの発行額は約350億ユーロである。

 同行のアナリストは、大手テクノロジー企業が投資のかなりの部分を営業キャッシュフローで賄う一方、こうした拡大には引き続き債券市場からの資金調達が必要になるとの見方を示した。

※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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