中ロ、中間選挙で敗北したトランプ氏の弱体化を好機と捉える恐れ ケーガン氏が警告

2026年11月7日 20:37

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記事提供元:International Business Times

インド洋を航行する米ニミッツ級空母ジョージ・H・W・ブッシュ。同艦の到着で、中東に展開する米空母は3隻となった(2026年4月23日、米海軍提供)

インド洋を航行する米ニミッツ級空母ジョージ・H・W・ブッシュ。同艦の到着で、中東に展開する米空母は3隻となった(2026年4月23日、米海軍提供)[写真拡大]

 米ブルッキングス研究所のロバート・ケーガン上級研究員は11月5日、中間選挙で敗北したドナルド・トランプ大統領の求心力低下を、ロシアと中国が野心的な行動に出る好機とみなす恐れがあると警告した。特にイランとの戦争で米国の軍事資源が逼迫していることを懸念材料に挙げた。

 ケーガン氏は、民主党が上下両院で多数派を獲得したことを受けて米CNBCの番組「スクォーク・ボックス・アジア」に出演した。ロシアと中国は、将来の米政権が敵対国への対応を変える前に行動できる期間は限られていると判断する可能性があると述べた。

 同氏は「トランプ氏の退場がはっきりし、米国が正常に近い状態に戻るかもしれないとなれば、誇張したくはないが、ロシアと中国の双方が、動くなら今後2年だと考えるかもしれない」と語った。

■イラン戦争で露呈した米軍の限界

 ケーガン氏はさらに、イランとの戦争によって米国の軍事力の限界が浮き彫りになり、特にアジアで別の危機が起きた際の対応が難しくなる恐れがあると指摘した。「アジア戦域で極めて重要な迎撃ミサイルやミサイルの在庫がどれほど減っているか、誰の目にも明らかだ」と述べた。

 米議会予算局(CBO)は、2025年6月以降、米国が特定の迎撃ミサイルの在庫の2分の1から3分の2を消費した可能性が高いと推計している。主に中東の米軍や同盟国をイランの弾道ミサイル攻撃から防衛する作戦に使われた。CBOによると、在庫の再建には少なくとも5年かかる見通しで、数年にわたり供給が制約される恐れがある。

 ケーガン氏はまた、米国が空母3隻を中東に展開していることにも言及した。海軍力を中東に集中させた結果、アジアで運用できる戦力が減り、中国の強硬姿勢を助長しかねないとの見方を示した。

■台湾問題が焦点に

 こうした計算の中心にあるのが台湾だ。中国は自治を続ける台湾を自国の領土だと主張している。一方、米国は台湾の自衛を支援する目的で武器を供与しているが、台湾との間に相互防衛条約は結んでいない。

 トランプ氏は2025年12月、台湾向けに111億ドル(約1兆7500億円)規模の武器売却を承認した。しかし、その後の約140億ドル(約2兆2100億円)規模の追加売却については承認を保留し、中国との交渉における「非常に良い交渉材料」だと述べていた。

 ケーガン氏は「トランプ氏が今関心を持っているのは中国と経済面で取引をまとめることだけだと思う。中国と本気で対峙する気はないだろうが、それが中国をさらに攻撃的にさせることになる」と語った。

 ウィリアム・バーンズ元米中央情報局(CIA)長官は2023年、中国の習近平国家主席が2027年までに台湾侵攻の準備を整えるよう軍に指示したと明らかにしていた。ただバーンズ氏は、準備が整うことが、習氏が同年に侵攻すると決めた、あるいはそもそも侵攻を決断したという意味ではないと強調していた。

■APECでの米中ロ首脳会談の可能性

 ケーガン氏の発言は、11月18~19日に中国・深圳で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場で、トランプ氏、習氏、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領による会談が実現する可能性がある中で出た。プーチン氏は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を交えずにウクライナ戦争の終結を協議することを提案したと報じられている。

 一方、米選挙結果に対する中国政府の公式な反応は抑制的だった。中国外務省の毛寧報道官は4日の定例記者会見で中間選挙の結果について問われ、「中間選挙は米国の内政だ」と述べた。そのうえで、米国との意思疎通と協力を引き続き進めたいとの考えを示した。

※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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