【ディーラーの整備は機能しているのか?(1)】ホンダ・リコールの裏にある危険な問題点

2018年6月18日 16:15

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 ホンダは、「ステップワゴン」「フリード」「フリード+」をリコールした。2018年5月31日、ホンダは乗用車3車種を回収、無償修理すると国土交通省に届け出た。2015年4月~2018年2月に製造された合計20万9,060台が、ブレーキ部品に問題があり、制動距離が長くなる可能性があるとしている。

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“ブレーキマスターシリンダーにおいて、セカンダリーカップの材質と形状が不適切なため、カップがリザーバータンクホースからブレーキ液中に溶け出した可塑剤により膨潤し、また、走行中のエンジンからの熱影響により膨張すると、変形することがあります。そのため、シール性能が低下して、ブレーキペダルをゆっくり踏むとシール部からブレーキ液が漏れ、最悪の場合、制動距離が長くなるおそれがあります。”(ホンダHP「ステップワゴン、FREED、FREED+のリコール」より)

 全く分かりにくい文章だが、お役所向けの文章であろう。それは、説明が必要な言葉を使いながら、「ブレーキオイル」について「ブレーキ液」と表現しているところだ。マニュアルなどでは使われるが技術者が「ブレーキ液」と表現するのは珍しい。国土交通省向けの言葉であろうが、開示する文章であるのであれば、社会一般に通じる言葉であるべきだ。「お役所仕事」と言われる体質だ。国民が関心を持つためにも平易な文章とすべきところだ。

 言い換えると、「リザーバータンクホースから、セカンダリーカップにあるパッキンの柔軟性を失わせる液体(ホース加工時に補助に使ったもの)がしみだしているところに、エンジンの熱が加わると、パッキンが十分働かなくなり、それはブレーキを急激に踏むのではなく、緩やかに踏む時ブレーキオイルが漏れだす」というのだ。

 製造時「ホースの加工をしやすくする液体」が残留し、ホース内部からブレーキオイルに漏れ出し、パッキンを劣化させてしまう。そこにエンジンの熱が加わると、パッキンが働かなくなってしまう。形状などから急激なブレーキングより、緩やかに踏むと、ブレーキオイルが漏れてしまうのだ。

 次に、車の整備が形骸化し、ディーラーの「稼ぎどころ」になってしまっていることについて考えてみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは:【ディーラーの整備は機能しているのか?(2)】 ユーザーの無知・無関心が背景

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