東電の支払利息230億円増 金利上昇は電力会社の利益にどう響くか?

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東京電力ホールディングス(HD)の2026年3月期の支払利息は約926億円で、前期から約230億円増えた。借金の増加率は約2%にとどまる一方、利息は約33%増えている。電力会社の利益を見るには、利払いの増加に加え、増えた費用を料金などで補えるかが重要だ。
■借金は約2%増 利息は約33%増
東電HDの有利子負債は、3月末で約6兆6,000億円と、1年前から約2%増えた。有利子負債とは、借入金や社債など、利息を支払う必要がある借金だ。発電所や送配電設備は、建設後も更新に多額の資金が必要となる。
支払利息の伸びは、借金の伸びを大きく上回った。借金の4割強を占める短期借入金では、金利も上がっている。3月末時点の平均利率は約2.0%と、1年前の約1.5%から上昇した。短期の借入は借り換えの機会が多く、新たな金利条件が負担に反映されやすい。
東電HDの経常利益は約64%増の約4,173億円だった。燃料費の変動が料金に反映されるまでの時間差が増益に働いたほか、継続的な収支改善も寄与した。利息の増加を、ほかの増益要因が上回った形だ。一方、巨額の災害特別損失などで最終損益は約4,542億円の赤字となり、無配が続いている。
■増えた費用を料金で補う仕組みも
送配電会社が、電気を販売する会社から受け取る送配電網の利用料が「託送料金」だ。国の審査・承認を経て、金利や物価の上昇による負担を託送料金に反映できる場合がある。ただし、送配電部門の費用を対象とする仕組みで、電力会社全体の利息を回収できるわけではない。
北海道電力は9月25日、2027年3月期の経常利益予想を300億円から460億円へ引き上げた。背景には、金利や物価の上昇などを反映した託送料金の見直しがある。業績修正資料では、託送料金の見直しによる増益額を個別には示していない。
北海道電力は11月1日から、託送料金の変動分を契約者の電気料金にも反映する。従量電灯Bで30A、月230kWhを使う家庭のモデルでは、負担増は月481円だ。
東電グループでも、送配電会社の東京電力パワーグリッドが託送料金を見直す。小売会社の東京電力エナジーパートナーは、11月1日から変動分を電気料金に反映する。
■費用を補えない企業ほど重荷に
日銀は9月、政策金利の誘導目標を1.25%程度へ引き上げた。今後、高い金利で借り換えや新規借入を行えば、電力以外の企業にも負担が及ぶ。とくに借金が多く、増えた費用を値上げや利益の成長で補えない企業は厳しくなる。
NISAで長期保有する銘柄を選ぶ際は、決算短信の損益計算書を開きたい。営業外費用の「支払利息」を前期と比べ、増えていれば決算説明資料で負担を補う見通しを確認する。借金の規模だけでなく、増えた利息を吸収できるかが、金利上昇時の利益を左右する。(記事:中村葵・記事一覧を見る)
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