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【決算分析】米ファイザーが市場予想超え、上市・買収製品は18%成長 通期見通しも上方修正

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ファイザーが発表した2026年第2四半期決算は、売上高と調整後利益がともにウォール街の予想を上回った。COVID-19関連を除く上市済み・買収製品は事業ベースで18%成長し、同社は通期売上高ガイダンスの中間値を5億ドル引き上げた。一方、43億ドルの非現金減損損失を計上したため、GAAPベースでは純損失となった。
■第2四半期決算の概要
ファイザーが4日の朝(現地時間)に発表した2026年第2四半期決算は、売上高と調整後利益の両方でウォール街のコンセンサス予想を上回った。同社は通期売上高ガイダンスの中間値を5億ドル(約790億円、1ドル=158円換算)引き上げ、さらに25億ドル(約3950億円)の追加コスト削減目標を発表した。43億ドル(約6794億円)の非現金減損損失によってGAAPベースでは純損失となり、基礎的な事業の実態が見えにくくなったものの、COVID-19後を見据えたポートフォリオ再構築が計画を上回るペースで進んでいることを具体的に示した。
第2四半期の売上高は150億3000万ドル(約2兆3747億円)で、前年同期比3%増となり、ウォール街のコンセンサス予想である144億2000万ドル(約2兆2784億円)を約5億8000万ドル上回った。調整後の希薄化後1株当たり利益(EPS)は0.77ドルで、コンセンサス予想の0.68ドルを9セント上回った。調整後利益は44億4000万ドル(約7015億円)で、2025年第2四半期の44億3000万ドルとほぼ横ばいだった。
■上市済み・買収製品が事業ベースで18%成長
アナリストや投資家がこの四半期を評価するうえで最も重視するのは、総売上高ではなく、上市済み・買収製品の事業ベースでの18%成長である。これは最近商業化された薬剤や、買収によって獲得した薬剤で構成される製品群であり、経営陣はCOVID-19関連製品の変動に左右されないポートフォリオの健全性を示す、最も明確な指標と位置付けている。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)と共同販促している抗凝固薬「Eliquis(エリキュース、一般名:アピキサバン)」が最大の貢献を果たし、第2四半期の売上高は24億3000万ドル(約3839億円)となった。事業ベースで19%の増収となり、StreetAccountによるアナリスト予想の約20億8000万ドルを上回った。成長を牽引したのは、リベートの減少や、より有利な販売チャネル構成を含む米国での価格要因に加え、海外での堅調な需要である。Eliquisは引き続き重要な主力製品である。ファイザーとBMSは製剤特許を巡る訴訟によってブランドの保護に成功しており、訴訟で和解したジェネリックメーカーは2028年4月まで製品を発売できない。
アステラス製薬と共同販売している膀胱がん向け抗体薬物複合体(ADC)「Padcev(パドセブ、一般名:エンホルツマブ ベドチン)」は、当四半期に事業ベースで23%の増収を記録した。この増加は、局所進行または転移性尿路上皮がんの一次治療における市場シェア拡大を反映している。ALK陽性肺がん治療薬「Lorbrena(ローブレナ、一般名:ロルラチニブ)」は、米国、中国、その他の海外市場で一次治療として使用する患者が増えたことにより、事業ベースで37%成長した。これを支えたのが、5月に発表されたCROWN試験の7年間の追跡データで、従来の標準治療と比べて病勢進行リスクが81%低下したことが示された。心疾患治療薬Vyndaqel(ビンダケル)ファミリーも、事業ベースで8%成長した。
COVID-19関連製品は逆の動きを示した。Paxlovid(パキロビッド)の売上高は、世界的な感染者数の減少と政府調達の縮小により、事業ベースで95%減少した。一方、Comirnaty(コミナティ)は、米国でワクチン接種の推奨対象が狭まったことが響き、事業ベースで34%減少した。
■会計上の損失と事業の実態
GAAPベースでは2億4800万ドル(約392億円)の純損失となり、2025年第2四半期に計上した29億1000万ドルの純利益から31億ドル以上悪化した。この数字だけに注目すれば、この四半期の意味を見誤ることになる。
純損失の主因は、43億ドルの非現金の無形資産減損損失である。これは貸借対照表に計上されている取得資産の帳簿価額を引き下げる会計処理であり、現金支出は伴わない。ファイザーの営業キャッシュフローや、配当、研究開発プログラム、パイプライン獲得のための買収に資金を充てる能力にも影響しない。このほか、GAAPベースでは事業再編費用と一部の法的問題に関連する費用を計上したが、ファイザーが保有していたViiV Healthcareの持ち分売却による純利益で一部相殺された。
無形資産の償却、減損損失、買収関連費用などを除外した調整後利益は44億4000万ドルで、前年同期の44億3000万ドルとほぼ同水準だった。調整後研究開発費は、がん領域と肥満症プログラムへの支出増加により、事業ベースで12%増加した。経営陣は、この増加を想定どおりとしている。減損損失は現金支出を伴わないため、純利益を押し下げても、保有現金や事業遂行能力を低下させるものではない。また、米国GAAPでは、いったん認識されたこの減損損失を後に戻し入れることはできない。
■通期売上高ガイダンスを引き上げ
ファイザーは、2026年通期の売上高ガイダンスを605億~625億ドル(約9兆5590億~9兆8750億円)に修正した。従来の予想レンジは595億~625億ドルであり、中間値を5億ドル引き上げたことになる。この修正は、COVID-19関連以外の製品の売上高が予想を約15億ドル上回る見通しとなったことを反映している。一方、COVID-19関連製品の売上高予測は、従来の約50億ドルから約40億ドルへ下方修正され、その効果を一部相殺した。
通期の調整後希薄化後EPSガイダンスは、1株当たり2.80~3.00ドルに据え置かれた。この範囲には、2026年7月10日に完了した中国のバイオテクノロジー企業Innovent Biologicsとのライセンス契約に伴う、6億5000万ドルの仕掛研究開発費による約0.10ドルの押し下げ要因が織り込まれている。この契約は、新規ペイロードを使用するADCや多重特異性抗体など、初期段階にある12のがん治療薬候補を対象としている。
ガイダンスの中間値である615億ドルで見ても、2026年通期の売上高は、ファイザーが2025年に計上した626億ドルをわずかに下回る見通しである。COVID-19関連製品がもたらした売上高の押し上げは極めて大きく、移行期にある1年間だけで非COVID製品の成長によって完全に補うことはできない。
■コスト削減を拡大、2029年までに97億ドルを目標
ファイザーは第2四半期決算で、生産性向上施策の大幅な拡充も発表した。同社は、販売、研究開発、支援部門におけるテクノロジー活用と業務の簡素化を中心とする既存の「Realigning Our Cost Base」プログラムに、10億ドルの削減目標を追加した。これにより、同プログラムによる2029年までの削減目標は合計67億ドルとなった。
これとは別に、ファイザーは製造最適化プログラムの次期段階を発表した。生産ネットワークの再編と製品ポートフォリオの合理化を通じて、2029年までに15億ドルの製造コスト削減を追加し、同プログラム全体の削減見込み額を約30億ドルとした。
2つのプログラムを合わせた純削減目標は97億ドル(約1兆5326億円)に達するが、実施には多額の費用がかかる。コスト構造再編プログラムの追加削減を実現するための一時費用は約20億ドルに達する見通しで、主にデジタル化と退職金に伴う現金支出となる。一方、製造最適化プログラムには40億ドルの一時費用が見込まれている。このうち約60%は加速償却と資産の評価損に伴う非現金費用で、約40%は現金支出となる。これらの実施費用は2029年にかけて段階的に発生するため、事業効率が改善する一方で、今後の四半期におけるGAAPベースの利益を押し下げることになる。
■パイプラインの進展:Padcev、Ibrance、肥満症プログラム
この四半期には、規制面でも重要な動きがあった。7月には、Padcevとペムブロリズマブの併用療法が、筋層浸潤性膀胱がんの術前および術後補助療法として米食品医薬品局(FDA)の承認を取得した。第3相EV-304試験に基づくもので、シスプラチンの適応可否にかかわらず、この治療場面で承認された初のプラチナ製剤を使用しないレジメンとなった。この承認により、Padcevの対象患者にはシスプラチンを使用できない患者も含まれるようになり、既存の転移性尿路上皮がんに対する一次治療の適応を越える、臨床的に重要な適応拡大となった。
6月には、FDAがIbrance(イブランス、一般名:パルボシクリブ)の適応拡大を承認した。対象は、導入療法後のホルモン受容体(HR)陽性、HER2陽性の転移性乳がん患者である。これによりIbranceは、HER2の状態を問わず、HR陽性の転移性乳がんに対して承認された初のCDK4/6阻害薬となった。Ibranceは2015年の承認以来、100カ国以上で90万人を超える患者に処方されている。
ファイザーの肥満症プログラムも並行して進展している。Metseraの買収を通じて獲得した、ファーストインクラスとなる可能性がある月1回投与のGLP-1受容体作動薬Berobenatide(PF'3944)は、20件を超える肥満症試験からなる幅広いプログラムの一環として、2026年に10件の第3相試験へ進む予定である。ファイザーは第2四半期決算の発表で、この計画を改めて確認した。
FDAはまた、転移性去勢感受性前立腺がんを対象とするTalzenna(タルゼナ)とXtandi(イクスタンジ)の併用療法について、適応追加申請を優先審査に指定した。PDUFAに基づく審査期限は2026年第4四半期に設定されている。7月には、Litfulo(リットフーロ、一般名:リトレシチニブ)が、非分節型白斑を対象とする2件の第3相試験で、いずれも主要評価項目を達成した。ファイザーは各国・地域の規制当局へ承認申請を行う方針である。
■Eliquisの米国独占期間は2028年まで
特許満了リスクに注目する投資家にとって、Eliquisは最も重要な短期的課題である。アピキサバンの物質特許は2026年11月に満了するが、ファイザーとブリストル・マイヤーズ スクイブは訴訟を通じて、製剤特許を2031年まで保護することに成功した。特許訴訟で和解したジェネリックメーカーは、2028年4月1日まで製品を発売できない。和解せずに訴訟を継続したほかのジェネリックメーカー3社は、製剤特許が満了する2031年まで参入を阻まれている。
この日程により、ファイザーとBMSは、最大の非COVID主力製品について、最初に売上高が減少する可能性が生じるまで、米国でさらに約2会計年度の独占販売期間を確保できる。業界データによると、低分子の先発医薬品は通常、複数のジェネリック医薬品との競争が始まってから最初の1年間で売上高の80~90%を失う。2028年に転換点を迎えることは予測可能で、その影響も数値化できる。ファイザーのパイプライン投資とコスト削減策は、この既知のリスクを相殺することを明確な目的としている。
Berobenatide、Padcevの適応拡大、より広範ながん領域のポートフォリオによって、2028年までにEliquisの売上高を十分な規模で補えるかどうかは、今回の第2四半期決算だけではまだ答えの出ない、長期的な投資判断の中心的な論点である。
■経営陣の交代
最高財務責任者(CFO)のDave Denton氏は8月15日付で退任する。現在、グローバル・バイオファーマシューティカル・ビジネスの財務担当シニア・バイス・プレジデントを務め、8月16日付で暫定CFOに就任するCecile Guegan氏は、第2四半期決算の発表で、CEOのAlbert Bourla氏とともに初めて公式な四半期コメントを発表した。
Bourla氏は、上市済み・買収製品への自信、肥満症プログラムの勢い、引き続き成長を支えるがん領域を挙げ、「再び好調な四半期となった」と述べた。Guegan氏は、上市済み・買収製品の事業ベースでの18%成長が主要な牽引役になったと説明し、今回の結果はファイザーが事業効率の向上に継続して取り組んでいることを反映していると付け加えた。
ファイザーは、後任の正式なCFOを社内外から選ぶ方針である。就任時期に加え、新CFOが資本配分の優先順位を変更するかどうかも、今後の決算説明会で注目されることになる。
■投資家向けスナップショット
ファイザー株は月曜日に25.03ドル(約3955円)前後で取引され、52週高値の28.75ドルを約13%下回る一方、52週安値の23.40ドルを約7%上回った。予想調整後利益に対する株価収益率は約8.5倍で、大型製薬企業の平均とされる約19倍を大きく下回っている。株価は、回復を遂げた企業ではなく、依然として移行期にある企業としてファイザーを評価している。四半期配当は1株当たり0.43ドル、年換算で1.72ドルであり、2026年第3四半期の配当は9月1日に支払われる予定である。
決算発表前のアナリストによる目標株価は、バンク・オブ・アメリカの26ドル、投資判断「中立」から、グッゲンハイムの35ドル、投資判断「買い」まで幅があった。6月にSeagen由来のsigvotatug vedotinが第3相試験で主要目的を達成できず、7月にHSBCが格下げした後も、多くの証券会社は「ホールド」または「中立」の判断を維持していた。Benzingaがまとめた最近のアナリスト評価によると、BMOキャピタルは目標株価30ドル、投資判断「アウトパフォーム」を維持した。
■注目ポイントQ&A
●決算が予想を上回ったにもかかわらず、なぜファイザーはGAAPベースの純損失を報告したのですか?
2億4800万ドルのGAAPベースの純損失は、主に43億ドルの非現金の無形資産減損損失を反映したものです。これは貸借対照表に計上されている取得資産の帳簿価額を引き下げる会計処理ですが、現金流出を伴わず、営業キャッシュフロー、配当余力、研究開発資金にも影響しません。
これらの非現金項目や買収関連費用を除外した調整後ベースでは、ファイザーの希薄化後EPSは0.77ドル、調整後利益は44億4000万ドルでした。調整後利益は前年同期とほぼ横ばいで、EPSはウォール街のコンセンサス予想を9セント上回りました。調整後指標が事業の基礎的な業績を表すのに対し、GAAP指標には、過去の買収に伴う資産評価の変更による会計上の影響も含まれています。
●ファイザーの非COVIDポートフォリオとは何ですか?また、なぜ18%の成長率が重要なのですか?
ファイザーは「上市済み・買収製品」を、最近商業化された薬剤や、企業買収などを通じて取得した資産で構成される製品群と位置付けています。Eliquis、Padcev、Lorbrena、Adcetris、Tukysaなどが含まれます。
この製品群は2026年第2四半期に事業ベースで18%成長し、34~95%減少したCOVID-19関連製品や、3%増だった総売上高を大きく上回りました。この18%という数字は、COVID-19関連製品への依存から、より持続的な医薬品売上高を中心とする構成への移行が進んでいることを示す、経営陣にとって最も明確な指標です。ウォール街は当四半期の売上高を1~2%の減少と予想していましたが、実際には3%増となりました。
●米国市場におけるEliquisのジェネリック医薬品との競合はいつ予想されますか?
特許訴訟の和解契約に基づき、ファイザーおよびブリストル・マイヤーズ スクイブと和解したジェネリックメーカーは、2028年4月から製品を発売できます。一部の市場解説が示唆するように、直ちにジェネリック医薬品が発売されるわけではありません。和解せずに訴訟を継続したジェネリックメーカー3社は、製剤特許が満了する2031年まで参入を阻まれています。
アピキサバンの物質特許は2026年11月に満了しますが、製剤特許と和解条件によって先発品の独占販売期間が保護されています。したがって、投資家は2028年第1四半期までのEliquisの米国売上高について、ジェネリック競争の影響を受けない前提で予測し、和解したメーカーが参入できる2028年第2四半期から急速な売上減少が始まる可能性を織り込む必要があります。業界の過去事例では、複数のジェネリック医薬品との競争に直面した低分子医薬品は、通常、最初の1年間で売上高の80~90%を失っています。
●ファイザーの肥満症パイプラインは投資判断に何をもたらしますか?
ファイザーがMetseraの買収を通じて獲得した月1回投与のGLP-1受容体作動薬Berobenatideは、2026年に10件の第3相試験へ進む予定です。第3相試験が第2b相試験の結果、すなわち最高用量で60週間に約15%のプラセボ調整前の体重減少を確認し、ファイザーが目標とする2028年前後に発売できれば、Eliquisのジェネリック参入による影響を部分的に補う、新たな収益源となる可能性があります。
ただし、第3相試験のデータは2028年まで得られない見通しです。イーライリリーのretatrutideは第3相試験で28.3%の体重減少を示しており、アムジェンのMariTideを含む競合薬の開発も進んでいます。また、グッゲンハイムのアナリストは、Berobenatideの第2b相試験データについて、差別化が不十分だと評価しています。このプログラムは将来の成長機会ではありますが、短期的にEliquisの売上高を代替するものではありません。
元記事: Pfizer Q2 2026 Earnings Beat Estimates; Non-COVID Revenue Surges 18% Operationally
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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