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スクリン決算が映す半導体需要の現在地
半導体製造装置大手の SCREENホールディングス は1月30日、2025年4-12月期の連結決算を発表した。生成AI関連投資を背景に半導体関連株への関心が続く中、同社の業績は足元の半導体市況を把握する材料として注目されている。
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売上高は4,253億円と前年同期比7.5%減少し、営業利益は774億円(同23.0%減)となった。経常利益は788億円(同23.0%減)、純利益は549億円(同21.0%減)と、いずれも2割超の減益となっている。半導体投資の回復が分野によってばらつく中、減収減益の決算となった。
主力の半導体製造装置(SPE)事業では、売上高が3,386億6,900万円と前年同期比11.8%減少し、営業利益は783億4,700万円(同22.4%減)となった。
世界シェア首位の洗浄装置は引き続き同社の中核事業であるが、ロジック半導体メーカー向けに加え、ファウンドリ向け装置の売上も減少したことが、セグメント全体の減収減益につながった。地域別では台湾向けが増加した一方中国および米国向けは減少しており、需要動向の差が表れている。
半導体製造装置市場については、生成AI関連分野では需要の強さがうかがえる一方で、PCやスマートフォン、汎用サーバー向け分野については、回復に時間を要している状況が決算内容から読み取れる。生成AI向けのHBM(高帯域幅メモリ)や最先端ロジック半導体への投資は継続しており、こうした分野が同社の洗浄装置需要を下支えしている。
半導体製造工程において洗浄工程は、微細化や多層化が進むほど重要性が高まる分野だ。工程数の増加に伴い洗浄回数も増えるため、洗浄装置メーカーの業績は市況の変化を比較的敏感に映し出す傾向がある。今回の決算は先端分野では底堅さが見られる一方、汎用分野の回復が遅れている現状を示す内容といえる。
このほか、グラフィックアーツ(GA)事業の売上高は395億1,500万円(前年同期比1.3%増)と小幅な増収となった。ディスプレー製造装置および成膜装置(FT)事業ではOLED向け装置が好調で、売上高は358億6,900万円(同44.5%増)と大幅な増収を達成し利益面でも大きく改善している。
なお、同社は足元の業績について「第3四半期まで前年同期比でマイナスが続いたが、業績は底打ちしており、今後回復局面に入る」との見方を示している。受注高は前四半期比で回復傾向にあり、次年度に向けた受注残の積み上がりにも期待がかかる。通期業績予想は据え置いたものの、株主還元策として2026年3月末を基準日とする1株を2株に分割する株式分割を新たに発表した。
SCREENホールディングスの今回の決算は、半導体市場が全面的な回復局面に入る前段階にあることを示す一例といえそうだ。洗浄装置という工程特有の視点から、今後の設備投資動向や受注の変化が引き続き注目される。(記事:林田孝治・記事一覧を見る)
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