中国製EV乗用車に乗りたいか

2022年1月19日 10:39

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SONYが好きで購入したが中国生産だったVTRカメラ ©sawahajime

SONYが好きで購入したが中国生産だったVTRカメラ ©sawahajime [写真拡大]

 2021年12月18日付日経の1面に、「中国EV、乗用も日本進出」との記事が掲載された。サブタイトルには「第一汽車など 国内勢の出遅れ突く」とあった。

【こちらも】現在のEV車に適合する条件

●「国内勢の出遅れ」は正しい評価か?

 「国内勢の出遅れ」というが、現時点ではEV車は未だ「幼稚園、小学校」レベルでしかない。

 自動車先進国である日本の市場には、既に低燃費のガソリン車、クリーンディーゼル車やハイブリッド車といった「大学、大学院」レベルの車が定着している。

 そんな市場に、自動車として「実力不足のEV車」なんぞ必要とされていないから、少数の機種しか投入されていないので、「出遅れた」様に見えただけだ。国内の自動車メーカー各社は、既に市場投入可能なレベルのEV車を完成させている。

 自動車先進国の日本に、中国の技術レベルで挑戦するとは、無謀というべきか、勇気があると褒めてやるべきか・・。

●命を預かる自動車

 家電製品の場合なら、多少技術的なレベルが劣っていても、まあまあ使える。

 例えば、洗濯機が途中で故障しても、中の洗濯物を取り出して、後工程は人手で処理すれば、何とか洗濯は終わる。しかし命を預ける自動車で、アフターサービスのネットワークも無しに、未完成な製品を売ることが出来ると考えているのだろうか?

 日本の新幹線を模倣して彼等のレベルで作った結果、事故を起こしたが、「埋めてしまって」無かったことにする様なお国柄だから、その辺りの覚悟がどうか疑わしい。

 「中国・韓国の新品を買うなら、日本の中古を買え」、「中国や韓国の商品を買って壊れても購入者の責任、日本の新品や中古品が壊れるのは使用者の不注意」と世間で喧伝されているのも、あながち的外れではない。

●「中国」という国

 『中華人民共和国は、中華民国統治下の中国で1921年7月に結党された中国共産党がソビエト連邦の支援を受けながら、国共合作・日中戦争・国共内戦を経て中華民国政府を台湾島へ放逐し、1949年10月1日に毛沢東中国共産党主席が北京市天安門広場で建国宣言を行ったことで成立した』と、Wikipediaにある。
 歴史の浅い国だ。

 「1980年代 中国 自転車」で検索すれば、自動車とは縁遠かった、だだっ広い道路を、人民服を着た群衆が自転車で通勤する、当時の画像が沢山見られる。

 その時代から僅か40年足らずで、たとえ外国の技術援助を受けたにしても、まともな「内燃機関の自動車」が製造できる筈も無く、先進国との差は開くばかりで、背中が遠のく状況に、「土俵とルールを変えてEV車転換を図った」のだ。

●中国製で欲しい物があるか?

 自動車に限らず、「中国製」の品を、積極的に購入しようとする人は、どれ位いるのだろうか?

 少なくとも筆者は、現在の「中華人民共和国」(以下、「中国」と表記する)建国以降のかの国の製品を積極的に購入する気は無い。古代から連綿と繋がる、かって「世界に冠たる文明国であった中国」の「墨」や「硯」で、代価が手の届く範囲なら「銘墨」が欲しい位だ。

 本来美しい「漢字」も、省略に省略を重ねて、習近平の「習」が「羽」までに略されている。

 記憶が正しければ、どこかで「羽」の半分だけにまで略した字を見かけたが、こんな速記文字かハングルの様な字では、漢詩の様な、「衝立や額を飾る文字」としては様にならないし、銘墨や名品の硯を用いて書く値打ちも無い。

 「日本のメーカー」が「中国の工場で生産した品」を止む無く購入せざるを得ない場合を除いて、積極的に「中国製」を選ぶことは皆無だろう。(写真: SONYが好きで購入したが中国生産だったVTRカメラ ©sawahajime)

●安全性への姿勢

 S社のエレベータが悲惨な人身事故を起こす事件があった。

 その際に指摘されたのが、国産機と較べると、例えば国産が3重の危険防止目的の予防措置をとる部分が、2重だといった、相違があったと聞く。

 単純な確率論で考えると、「1000回に1回不都合が発生する」と仮定すれば、2重の安全装置なら100万回に1回起こる。しかし3重なら、10億回に1回となる。

 日本の様な「安全に対する異常な位の意識」に欠ける諸外国なら、コスト削減を勘案した際に「一定の安全措置は備えた」と、1ランク下げる決断をするだろう。しかし、これだけで安全率は極端に下がる。

●「自動車を製造する」姿勢

 「自動車を製造する」ということは、技術以外に、倫理観も欠くことは出来ない。「事故発生確率」を下げる努力をするのでは無く、「事故発生をゼロにする」姿勢で取り組むことが求められるのだ。(記事:沢ハジメ・記事一覧を見る

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