相場展望4月19日 夏以降の米金融政策転換で『パウエル・ショック』起こるか? ⇒ 株式市場には逆風

2021年4月19日 10:51

印刷

■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)4/15、NYダウ+305ドル高、34,035ドル
  ・NYダウは史上最高値を更新した。(フィスコ)
   要因は、
   (1)3月小売売上高が10カ月ぶりの大幅な伸びを記録し、消費回復した。
   (2)週次新規失業保険申請件数が予想以上に減少し、雇用改善がみられた。
   (3)長期金利の低下を受け、ハイテク株の買いも目立ったが、金融株は下落。
   (4)市場予想を上回る良好な主要企業の決算発表が相次ぎ、買いを誘った。

【前回は】相場展望4月15日 日本株はVIX指数低下し楽観強いが、5月半ば以降注意

 2)4/16、NYダウ+164ドル高、34,200(カブタン)
  ・企業の好決算、予想以上に改善した3月住宅着工件数に加え、米政府からワクチン接種が2億回を実施したとの発表で、引けにかけて上げ幅を広げ、連日で史上最高値を更新した。

●2.夏以降の米金融政策転換で『パウエル・ショック』到来か? 株式市場には逆風

 1)米セントルイス連銀の総裁は4/12、「米国で新型ワクチン接種率が『75%』に達したら、『金融緩和の段階的縮小(テーパリング)』を検討する状況になる」との見方を示した。

 2)米国のワクチン接種率は現在約30%超⇒7月末には75%に達する見込みという。つまり、集団免疫ができるといわれる状況に到達する。ワクチン確保ベースでも、7月末に累計で3億人分の確保見通しであり、人口3.3億人の9割に相当する。

 3)米国が世界に先駆けて、経済活動の正常化に向かう条件が揃うことになる。

 4)となれば、米連邦準備制度理事会(FRB)は、2021年夏以降、テーパリングを示唆する可能性がある。

 5)パウエルFRB議長の任期終了接近を控え金融政策転換『パウエル・ショック』の可能性が高まる。
  ・現在のパウエル金融政策の根幹にあった、「新型ウイルスによる経済と雇用の悪化」が大規模財政政策で回復し始め、ワクチン接種率向上で、『経済回復と雇用改善』が著しく改善方向にあり、金融緩和政策は目標を達しつつある。
  ・パウエルFRB議長の任期終了は、2022年2月末。
   =パウエル議長は共和党員であるため民主党政権下では再任なく、次期議長は民主党員からの選出が濃厚との見方が有力。
   ⇒新FRB議長に交代する前に、自分自身が推進してきた金融政策を転換してきた経緯がある。
   ⇒米国の金融政策変更リスクのテーパリング(段階的金融緩和の縮小)に言及か?
  ・バーナンキ元議長は2014年に退任したが、先だって2013年5月に金融政策の変更となる『テーパリング』を発表した事例がある。これにより、『バーナンキ・ショック』を引き起こし、世界の株式が大幅下落した。

 6)米国の経済指標からは(1)物価上昇(2)インフレ率の上昇を示す兆候もあることから、長期金利が大きく上昇すれば、米国株式・債券市場にとって逆風となる。
  ・転換時期8月~秋を予想。
  ・株式市場は3カ月前から織り込み始める⇒5月半ばから警戒したい?
   ⇒バーナンキ・ショックを再現した『パウエル・ショック』発生か?

●3.米経済指標が公表、消費と生産の良好を確認(フィスコ)

 1)米3月小売売上高
  ・前月比+9.8%と予想の2倍近い改善、2月は▲2.7%だった。
  ・期待通り政府から国民への直接現金給付や中小企業支援を含めた経済対策が大きく貢献した

 2)NY連銀製造業景況指数
  ・4月26.3と、3月の17.4から予想以上に上昇
  ・原材料コストが上昇し、販売価格引上げの報告が増えた

 3)週次失業保険申請件数
  ・57.6万件と予想から減少し改善

 4)失業保険継続受給者数
  ・373.1万人と前回372.7万人から増加し悪化

 5)米3月鉱工業生産
  ・前月比+1.4%と、予想+2.5%を下回る

 6)米3月設備稼働率
  ・74.4%と予想75.6%を下回ったが、2月73.4%からは改善

●4.良好な経済指標を受け、4/15は(1)長期金利は低下、(2)ドル高となった(フィスコ)

 1)米10年債利回り    ・1.636%⇒1.574%に低下
 2)ドル円         ・108.70円⇒108.88円にドル高

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)4/15、上海総合指数▲17安、3,398
  ・年内に中国人民銀行(中央銀行)が国内の全4,024金融機関を対象にストレステストを実施する予定を気掛かり材料として、銀行株が下げを主導した。

 2)4/16、上海総合指数+27高、3,426
  ・米指標が上振れし、中国内外の環境改善で買われた。
  ・3月中国経済は、小売売上高が予想を上回ったが、鉱工業生産が下振れするなどばらばらの内容だった。

●2.中国・1~3月期国内総生産は前年同期比+18.3%で、市場予想をやや下回った(フィスコ)

●3.中国・3月小売売上高は前年比+34.2%で市場予想+28.0%を上回った(フィスコ)

●4.中国全土の新築住宅価格、3月は前月比で+0.5%に、2月+0.4%から加速(ロイター)

 1)中国政府は不動産投機の取り締まりを強化しているが、住宅価格の上昇ペースは加速。

●5.中国・3月失業率5.3%で、市場予想5.4%を下回る(フィスコ)

●6.中国・3月鉱工業生産は前年比+14.1%で、市場予想+18.0%を下回った(フィスコ)

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)4/15、日経平均+21円高、29,642円
  ・先物買いが断続的に行われ買いを誘い、景気敏感株の海運・自動車が堅調に推移した。
  ・半面、国内の新型コロナウイルスの感染者増加が国内景気の下押しにつながるとの懸念もあり、一進一退が続いた。(日経新聞)

 2)4/16、日経平均+40円高、29,683円
  ・ワクチン接種遅れで経済正常化が見通せないと、海外勢は買えない理由を挙げた。

●2.日経平均は軟調

 1)NYダウの上昇に、割負ける日経平均
       3/31⇒4/16伸び率
  NYダウ    3.6%
 日経平均    1.7%

 2)日経平均は4/5までの上げ相場から転換し、4/6から潮目が変わり軟調
    日経平均   3/31~4/5   4/6~16
    日経平均    +1.24%    ▲1.34%

 3)米株と日本株との違い
  (1)ワクチン接種率の差
  (2)経済対策規模の差

●3.半導体大手のルネサスの工場火災受け、台湾TSMCが増産に応じる(NHK)

●4.企業動向

 1)東芝   「上場維持」のため、英CVCの買収提案を拒否へ(共同通信)

●5.企業業績

 1)ファミリーマート 21年2月期最終損失▲164億円、不採算店を損失処理(読売新聞)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・7518 ネットワン  デジタル化投資期待。
 ・6432 竹内製    小型建機。業績堅調。
 ・7732 マニー    医療機器。業績期待。

関連キーワード日経平均NYダウアメリカ中国ファミリーマート東芝買収中小企業半導体失業率新型コロナウイルス

関連記事