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(c) 123rf[写真拡大]
2020年後半にも発売されるであろうと言われる、スバル・新型レヴォーグの1.8Lリーンターボエンジンは、現在の水平対向(ボクサー)の型式のまま、最大熱効率40%を達成しているようだ。しかし、今更なぜ熱効率40%達成で騒ぐのかは、少々説明がいる。
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現在、マツダ・スカイアクティブXエンジン、トヨタ・ハイブリッドエンジン、ホンダなどではリーンバーン(希燃焼)エンジンが、当然となりつつある。
それでもスバルのエンジンが注目されるのは、「水平対向(ボクサー)」レイアウトであるからだ。ボクサーエンジンは、シリンダーを横に対向して寝かせるため、横幅が限られるエンジンルーム内ではピストンストロークを長く取ることが出来ず、ボアを大きく取ることになり、熱効率を上げにくいのだ。
物理的な法則として、1度の爆発で出来るだけ熱エネルギーを運動エネルギーに変えるとすると、ピストンの動きで長いストロークが有利となるのだが、ボクサーエンジンではそれができにくい。ピストンストロークを長くするのには低回転トルクを大きくできるメリットがあり、近年のクルマの特性にもマッチしている。
ダウンサイジングターボエンジンなどによって低回転トルクが大きくなり、街乗りでの低速走行がやりやすくなる。モーターサポートを受けるマイルドハイブリッドエンジンにも、その特性が生かされやすくなる。
そこで、スバルは水平対向レイアウトをやめ、通常の直列レイアウトとすれば良いのだが、「重心が低くできる」などのメリットを宣伝してきた伝統から、ボクサーレイアウトを捨て去ることが出来ない事情が働いている。
現在、世界ではポルシェしか、スバルと同じボクサーエンジンを生産しているメーカーはない。またボクサーレイアウトは、エンジンの振動を抑えてくれるメリットがあるが、スバルのボクサーはそれほど「シルキー」ではない。
BMWの直列4気筒「シルキー4」のほうが、より振動を抑えることに成功している。また、重心が下がるメリットにしても、補器類の配置があるのでそれほどメリットは出ていない。それに、昨今人気のSUVのスタイルでは、車高が高いのでそのメリットが目立たない。
総合して考えてみると、スバルがボクサーレイアウトに固執する技術的メリットは少ないが、トヨタグループ入りしてスバルがその特徴を出し、独自の存在感を出すには「ボクサー」、そして「AWD」は大きな役割を果たすと見える。
2030年ごろまでは、ボクサーレイアウトにこだわるメリットがあるかもしれない。それより、トヨタ方式HVシステムを積んだスバル製品を、アメリカだけでなく早く日本市場に投入してもらいたい。「縦置きボクサー、リーンバーンエンジンHV、AWD、SUV」のクルマは、世界にスバルしかあるまい。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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