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串カツ田中で「資本と経営の分離」、創業者ペアの持株比率は10%超
6月16日にオープンした『串カツ田中 気仙沼店』(画像: 串カツ田中ホールディングスの発表資料より)[写真拡大]
創業者ペアの人事に接し、頭に浮かんだのは「資本と経営の分離」という言葉だった。
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串カツ田中ホールディングス(3547、東証スタンダード市場)は今年2月、「田中洋江元副社長・前取締役の退任」を発表した。業界紙は「経営陣の交代で済まされない重大な意味を持つ」と記したが、そこにとどまった。
が2000年入社の坂本嘉男社長が、貫啓二会長に代わりCEOとなった時点で串カツ田中HDは新しい潮流に移ったといえる。
貫氏も田中氏の創業者ペアは未だ(24年11月末時点)、それぞれ8.1%/3.02%の株式を保有している。合算すると1割を超える持株比率である。
この間の動向を「資本と経営の分離という認識でよいか」と串カツ田中HDに問い合わせた。「・・・・・」という返事が返ってきた。
我が住処から10分余のところに「串カツ田中」はある。その味を気に入っている。今後とも応援し見守っていきたい。
私がそもそも串カツ田中(HD)に惹かれたのは、創業の経緯だった。滅多にお目にかかれないストーリー。
貫氏はトヨタ車両の脱サラ組。「起業したい」の一心で、27歳でスタンドバーを開業した。「酒は好き」でも例えばカクテルを作る時も「手引書と首引きでシェーカーを振る」という按配だった。そんなスタンドバーに早々に「酒好きでは人後に落ちない」田中氏が、客として訪れた。そしていつしか「私、夜はここでアルバイトする。アルバイト代は私の飲み代とツーペーでいいわ」となった。
こうしてペアの企業の旅は始まった。
2001年にデナイザーズレストランに衣替え。TVで取り上げられるほど、当たった。がリーマンショックで、結局7000万円の借金を背負い込んだ。
そこに至って田中氏が提案したのが、幼い頃から慣れ親しんだ串カツ。それも父親が残したレシピを活かした串カツ屋だった、という次第。
上場企業にまで駆け上がったのだから、大正解。
さて「資本と経営の分離」と受け止めた串カツ田中HDの足元の収益動向は、どんな具合か。
2022年11月期までの2期間は「コロナ禍」に晒され・影響を引きずったが以降は「28.9%増収、7億6300万円の営業黒字計上、3円増配13円配/19.8%増収、11.1%増益」、そして今11月期も「19.2%増収(201億円)、25.0%増益(10億6000万円、13円配)計画。
足元の株価も4月安値1169円から6月高値1477円以降の揉み合い商状で1430円の高値ゾーン。創業者ペアには13円配が入る。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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