【ホンダが危ない】ホンダ系サプライヤー・ケーヒン (2/2) 資金効率は「ジャストインタイム」

2020年3月4日 17:48

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 トヨタが、「ジャストインタイム」と半世紀以上前に掲げた、ラインに対する部品投入の原則がある。これは「今でも変わりがない」どころか、さらに適応部品を広げている。

【前回は】【ホンダが危ない】ホンダ系サプライヤー・ケーヒン (1/2) トヨタからの受注にかける思い

 例えばタイヤだ。タイヤはゴム製品でロット発注が原則だった。それをトヨタはラインに繋げて、1台分ごとに生産して供給する方式を開発した。これにより、数量をまとめてロットで納入された場合に比較すると、【納品在庫の場所・建物・「先入先出」の取り扱い手間・クレーン、フォークリフトなどの設備】など膨大なコストが節約される。コストばかりでなく、むしろ資金量が大幅に減るのだ。

 このロット生産の資金効率の悪さは、実は日産自動車が倒産してルノーに救済された原因である。下請け企業は、この資金を節約するために1時間ごとの納品を行い、ラインに在庫を生じさせない原動力となっている。

 系列企業の場合、親会社の生産拠点に自らの生産拠点も展開し、「ジャストインタイム」に協力している。この帳簿には表れない現実に投入されている「総資金量」を見定められるとすると、系列企業のコストに「ジャストインタイム」による効果を加えた場合、逆にグローバル発注よりも安くなることがしばしばあるのだ。

 しかし、この資金量は自動車産業の生産方式に精通していないと発見できないだろう。つまり、金融知識に精通した多くのグローバル経営者は、自動車メーカーのビジネスモデルが理解できていないことになる。

 ケーヒンの経営者は、『開発と生産も一体で取り組んでいる。トヨタの仕事をいただくにあたってさまざまなことを勉強してきた。人や物の動きも含めて工程数を減らしていく』と言っており、トヨタから受注して初めてトヨタ生産方式のかなめを知ったようだ。

 CASE「Connected (つながる車)・Autonomous(自動運転)・Shared(カーシェアリング)・Electric(電気自動車)」など、ネット社会が起こす「第4次産業革命」に対応するには、この「トヨタ生産方式」を理解できなければならない。最重要課題だ。

 しかし、親会社のホンダ経営陣が現代の「ジャストインタイム」の重要性に気付かないでいると、「資金効率向上」の手段をみすみす逃してしまい、「利益率」下落の原因を掴めないまま資金繰りの切迫に陥ることとなる。日産自動車がかつて事実上倒産した原因だ。

 現在は、「混流生産」は当然として、「スイング生産」「順序生産」など、世界の生産拠点における相互の稼働率平準化により固定費を削減し、「利益率」を高めることで「配当率」を上げることが「株式会社の命題」と言える。しかし、一部企業では短期的利益率の向上や、自己資金を食いつぶしてまで配当金を多くするという、的外れを行っている。

 筆者は、「次はホンダが危ない」と5年ほど前から言い始めていたが、当時は誰も信じなかった。このまま「投資感覚」で自動車産業を経営していると、苦しくなっていくだろう。ホンダは真に破滅するストーリーを歩んできたと言える。

 それは系列企業独立の動きであり、「サプライチェーン構築の原則」を理解できていないからだ。新車種を開発する段階から、サプライチェーン構築を考慮して設計することが必要だ。その時、「系列企業(下請け)」の役割が見えてくる。

 系列とは、当初は共同出資者であり、共同経営者の役割を担っていた。現在に至っても、「総資金量」の観点から「生産方式」をよく理解しあい、トータルで「投資効率」を考えることが重要だ。ホンダ経営陣は「第4次産業革命」を見据え、「資金効率」を高める方法論を知ることだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

関連キーワード本田技研工業トヨタ自動車電気自動車自動運転日産自動車ルノー下請けカーシェアリング

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