新型コロナウイルスで武漢周辺長期閉鎖 (2/2) トヨタ、日産、ホンダの対応力のポイント

2020年2月5日 13:55

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中国・武漢市 (c) 123rf

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 トヨタやマツダなどは、現在、世界における生産拠点のサプライチェーンの品質保証レベルを平準化しようとしている。それは、世界のどの生産拠点でも出来るだけ多くの車種を生産できるようにしたいのだが、自社工場での品質レベルが平準化していなければならないのと同時に、サプライヤーも平均して高いレベルにしておく必要があるからだ。

【前回は】新型コロナウイルスで武漢周辺長期閉鎖 (1/2) トヨタ、日産、ホンダの対応力のポイント

 今回の新型肺炎を起因とする工場停止で「スイング生産」を行う時、生産拠点の違いで品質にばらつきがあると、商品の信頼性を失い営業成績に響いてしまうためだ。

 トヨタやマツダは、このような「スイング生産」を可能にしようとしてきた。これは、固定費の削減、または固定費の変動費化に貢献し、企業の利益率を決めることとなる。

 トヨタは9%の利益率を確保しているが、それにはスイング生産などの生産方式の柔軟性が貢献していると言える。マツダは率先してトヨタより早く、この方向性を模索してきた。しかし現在の5カ年計画では、「プレミアムメーカー」を目指して、販売店の数を値引き販売しない店に絞り込んで減らしており、現在、利益率3%と低迷している。

 日産自動車は、「インテリジェントファクトリ―計画」などをようやく発表したところで、かなり遅れている。ホンダは、スイング生産の概念はまだ取り入れているとの情報がない。

 さらに、営業環境は常に良いわけではなく、突然の変動に対応する力が問われている。しかし日産自動車にとっては、ルノー、三菱自動車との連合であり、現場のサプライヤーまで含めた生産方法まで品質保証レベルを統一できる実力がないのだ。

 いや、「スイング生産」の概念を経営者が取り入れたのはつい最近だ。ホンダ、VWも未だにスイング生産の概念を取り入れた様子は感じられない。仏・独メーカー全体、GMやフォードといったアメリカメーカーも同様であろう。

 それらのメーカーは、トヨタ・TNGA、マツダ・スカイアクティブ技術などの概念に対して「2周遅れ」と言ったところだ。それが、新型コロナウイルスによる新型肺炎の被害によってどの程度の結果になるのか? メーカーごとの実力差として出てくるのであろう。

回復を待ちながら、各社の実力を探っていくこととしよう。厳しい状況の中で、経営陣の「ビジネスモデルの理解力」が問われている。投資感覚では自動車ビジネスモデルを運営することは出来ないことを知る機会となろう。

 投資家は、この機会に「金融知識で育ってきた経営者」の「真の実力」を図ると良いのだ。そうした投資家の実力も試されているのかもしれない。ビジネスモデルの理解と、投資感覚との違いを理解できていないと投資も出来まい。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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