AIが人間を認識できず ウーバー自動運転車の事故は設計欠陥? (2/2)

2019年11月23日 11:35

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Uberの自動運転車。※事故を起こした車両ではありません。(画像: Uberの発表資料より)

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 ウーバーの自動運転車事故で疑問に思うのは、AIはこの分類整理する項目を自身で決めることも出来るはずで、ウーバーのシステムは深層学習ではなく機械学習のレベルであったことだ。これには「学習データ不足」が災いしているのではなかろうか?

【前回は】AIが人間を認識できず ウーバー自動運転車の事故は設計欠陥? (1/2)

 AIが自動運転車として育つには膨大なデータが必要で、それは実験走行だけでは集められるものではないようだ。シミュレーションでデータを補うと言われてきたが、追いつかないのであろうか?また、人間がデータ分類に介在していることは、AIの信頼性に疑問が生じる。つまり「想定外」が心配になるということだ。AIに分類整理の項目基準も判断させるには、まだデータがかなり不足しているのであろう。

 トヨタが情報産業のベンチャー企業と連携しようとすると、ソフトバンクの資本がすでに入っているとの話を聞く。それは、こうしたAIの学習データを揃える企業がこれからの成長企業であるとの見通しから、ソフトバンクが先行投資してきたからのようだ。「データは石油」と言われるほど「教師データ」を必要としているAIだが、トヨタなどがAIのその学習用データを用意出来るのであろうか?

 現在、AIは万能のように思われて、「自動運転車が実用化されれば交通事故はなくなる」とのことは幻想であろう。新しいタイプの事故が起きてくると考えるのが順当だ。

 ウーバーのADSは1.2秒前になって歩行者との衝突の危険性を認識した。しかし、この時点になっても分類は「自転車」であった。「歩行者」との認識は最後まで出来なかったようだ。自転車との認識であったが、ウーバーの自動運転車両の進路上で検出したことから衝突の危険性は認識出来たようだ。

 そして、衝突の0.2秒前になって、初めて危険回避に向けたシステムを動作させた。つまり、危機回避ブレーキと運転者に対する警報である。しかし、運転者が前を見ていなかったため、運転者がブレーキをかけたのは0.7秒後だったと言う。これでは「役立たず」である。

 これは、機械学習の分類と関係性のプログラムに欠陥があったことになるが、自動運転AIがこのレベルのAIであってよいのであろうか。将棋のAIとは違うのだ。つまり、まだかなり人間のシミュレーションに頼っているシステムであることになる。

 まだまだAIによる自動運転は夢の中だと認識して、テスト運転することが肝要だ。「レベル2の運転支援システム」でも「手放し」が可能なクルマが出てきているが、人間の油断と機械の未完成な部分をよく認識する必要がある。もう一度、完全自動運転システムが完成するまで、「危機回避の運転支援システム」以外は搭載しないことも考えるべきである。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

関連キーワードトヨタ自動車トヨタソフトバンク自動運転Uber人工知能(AI)

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