アルマ望遠鏡、「見えない銀河」を多数発見 過去の宇宙から巨大銀河

2019年8月11日 19:45

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左が、今回観測をした領域のハッブル宇宙望遠鏡による画像。それぞれ何も写っていない場所に、アルマ望遠鏡では巨大星形成銀河の画像(右側)が撮影された。(c) 東京大学/CEA/国立天文台

左が、今回観測をした領域のハッブル宇宙望遠鏡による画像。それぞれ何も写っていない場所に、アルマ望遠鏡では巨大星形成銀河の画像(右側)が撮影された。(c) 東京大学/CEA/国立天文台[写真拡大]

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 東京大学や国立天文台らの国際研究チームは8日、アルマ望遠鏡を用いた観測により、ハッブル宇宙望遠鏡では観測できていなかった巨大銀河(巨大星形成銀河)を、過去の宇宙において多数発見したと発表した。

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■宇宙を探る望遠鏡

●宇宙望遠鏡

 地上での観測は天候や大気のゆらぎの影響を受ける。大気が邪魔ならいっそのこと大気圏外に出てしまおうというのが宇宙望遠鏡の発想だ。大気の外に出ると大気の影響を受けない上に昼夜観測できるというメリットがある。
 
 ・ハッブル宇宙望遠鏡
 ハッブル宇宙望遠鏡は、主に可視光と近赤外線を観測に使用している。宇宙望遠鏡としては、最も華々しい成功例として知られ、銀河や星雲、系外惑星などの多くの観測成果が得られた。

 ・スピッツァー宇宙望遠鏡
 2003年8月にアメリカ航空宇宙局 (NASA) が打ち上げた赤外線宇宙望遠鏡。スピッツァー望遠鏡の特徴は、高感度の赤外線観測であり、主に中間赤外線で観測を行っている。

●電波望遠鏡

 電波は大気を透過するため、地上で空にアンテナを向ければいつでも電波天体を観測できる。最近ではブラックホールの直接観測が電波天文学の大きな成果として知られいる。
 
 ・アルマ望遠鏡
 南米チリのアタカマ砂漠に建設された「視力6000」を誇る巨大望遠鏡。主にミリ波・サブミリ波を観測に用いている。

■今回の研究内容

 研究チームは、ハッブル宇宙望遠鏡が過去に「CANDELS」というプロジェクトで撮影した領域に目を付けた。CANDELS領域の中でハッブル宇宙望遠鏡の画像には写っておらず、スピッツァー宇宙望遠鏡の撮影画像に写っている天体を63個選び出し、アルマ望遠鏡で詳細に観測を行った。

 その結果、39個の天体からサブミリ波が検出された。この39個すべてが巨大星形成銀河(星が沢山生まれている巨大銀河)であり、しかも110億年以上前の比較的初期の宇宙に存在していることが明らかになった。

 こうした多数の巨大星形成銀河の発見は、今までの宇宙や銀河の進化に関する理論に大きな改訂を迫るものである。

 この観測成果は、8月7日付の英国の科学雑誌『ネイチャー』オンライン版に掲載された。(記事:創造情報研究所・記事一覧を見る

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