オーロラが木星深くの大気を加熱 すばる望遠鏡が明らかに 

2019年4月12日 20:27

小

中

大

印刷

すばる望遠鏡に搭載されたCOMICSが明らかにした木星の赤外線画像 (c) 国立天文台/NASA/JPL-Caltech

すばる望遠鏡に搭載されたCOMICSが明らかにした木星の赤外線画像 (c) 国立天文台/NASA/JPL-Caltech[写真拡大]

写真の拡大

 グリーンランドなど高緯度の場所から観測できるオーロラ。地球以外にも火星や土星などの惑星で観測されているが、すばる望遠鏡からの観測によって木星のオーロラが大気を加熱することが明らかにされた。

【こちらも】オーロラ用いて宇宙の「波動粒子相互作用」を可視化 発生詳細が初めて明らかに

■太陽風が生み出すオーロラ

 オーロラは、「太陽風」と呼ばれる太陽から噴き出す高温のプラズマによって発生する現象だ。地球の場合、太陽風が地球周辺の磁気圏を揺らすことでオーロラが発生する。磁気圏から極地へと降り注ぐ高エネルギー粒子が高度約100キロメートルの希薄な大気に衝突するとで、大気が加熱されオーロラを発光させるという。

 米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所、東北大学、国立天文台、情報通信研究機構などからなる研究グループは、国立天文台が運営するすばる望遠鏡を使い木星のオーロラを観測した。木星探査機ジュノーを支援するキャンペーンの一環として、2017年2月と5月に、木星の極域でのオーロラ観測が実施されたという。

 ハワイ・マウナケアに位置するすばる望遠鏡には、中間赤外線カメラ「COMICS」が搭載されている。これにより、従来の予想よりもより深い部分まで木星大気が加熱されることが判明した。

■木星の深い大気でも受けるオーロラの影響

 木星のようなガス惑星は、大部分が水素やヘリウム等の気体から構成される。木星の大気の層は、宇宙空間から順番に外気圏、熱圏、成層圏、対流圏の4層に分かれる。研究グループは、成層圏を構成するメタンガスが木星の極域で太陽風の影響されて加熱していることを発見した。大気圏のうちの深い成層圏でも、太陽風の影響が直接及ぶという。木星での太陽風変動の推定結果と比較したところ、影響が及ぶ期間は太陽風の強度が増大してから1日以内であることが判明した。

 研究グループは、今回の発見がより激しい太陽活動にさらされた初期の地球や、太陽系外惑星等で起こりうる現象の解明につながるとしている。

 研究の詳細は、英天文学誌Nature Astromyにて8日に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

関連キーワードNASA国立天文台すばる望遠鏡東北大学情報通信研究機構(NICT)惑星木星

広告

広告

写真で見るニュース

  • ファイナルファンタジーXIVウエディングオリジナル演出。4K対応の大迫力スクリーンの前で、オリジナル証明書へのサイン。(画像:ブライダルハート発表資料より)
  • SBXC039。(画像:セイコーウオッチ発表資料より)
  • 「派遣BOARD」のイメージ。(画像: ハケンボード発表資料より)
  • 今回発見が報じられた天体 (c) Vasilii Gvaramadse/Moscow University
  • 「メガアイスコーヒー(左)とメガアイスカフェラテ(右)」(写真:ロッテリアの発表資料より)
  • 開発された「マルコメ君」のロボット。(マルコメの発表資料より)
  • 月面写真。ここにも水が存在しているのかもしれない (c) NASA
  • ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影されたNCG 4485 (c) ESA/NASA/Hubble
 

広告

ピックアップ 注目ニュース