ルネサス、組込みAIは自社マイコンで展開 モータの故障検知が試金石に

2019年1月23日 15:35

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モータ搭載家電向け故障検知用e-AIソリューション(写真:ルネサスの発表資料より)

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 ルネサスエレクトロニクスは21日、独自32ビットマイコンRX66Tによる「モータ搭載家電向け故障検知用e-AI(Embedded-AI)ソリューション」の提供を開始する発表した。

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 人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)に関する技術革新は日々進歩している。この技術革新の中で性能の観点から技術を俯瞰すると、AIは高速化やリアルタイム性といった性能重視の分野に、IoTはその扱う対象によって性能重視、低消費電力(長期稼働)重視、価格重視と千差万別である。

 今回のルネサスの発表は、組込みAI分野を自社の32ビットマイコンで対応し、そのデザインキットを提供していることで、何らかの意思を感じる。RXファミリは、産業・家電などの分野向けのフラッシュ内蔵32bitマイコンファミリであり、CISC(Complex Instruction Set Computer)の一つの命令で複雑な実行を制御する長所と、RISC(Reduced Instruction Set Computer)の演算命令を単純化しクロック速度上げることで高速化する長所を融合したCPUコアだ。

 だが、そのRXファミリの位置付けは、中性能CPUだ。

 ルネサスの高性能CPUは、ARMのCPUをコアとしたRZファミリであり、車載向け半導体として多くの実績を持つ。その上でのRXファミリでのAI展開だ。例えば、NVIDIAが1秒間に32兆回もの演算処理が可能なGPU(Graphics Processing Unit)をプラットフォームとしてAIの覇権を狙うのと比べると、うさぎとカメ以上の差を感じる。

 どうも、今回の発表は汎用な組込みAIというよりも、IoT分野でのAI適用とみるのが妥当なようだ。

●「モータ搭載家電向け故障検知用e-AIソリューション」の特長

 冷蔵庫、エアコン、洗濯機などのモータの故障を検知。モータの状態を示す特性データ(電流値、回転数)をそのまま異常検知用に使用する。センサーを必要とせずに、モータ制御に使用していたRXマイコンで異常を検知。つまり、マイコンの追加なしにAIの機能を組み込むという。

 家電製品に限れば、モータ装置の予知保全のために振動データをモニタリングしたいという要求がある。データを蓄積して解析することによって、不具合を検知することだ。

●AI(ルネサス、OTとe-AI)のテクノロジー

 今回の発表では、洗濯機に搭載されたRXマイコンを例に特長を示している。RX 66Tは、最大4モータの制御が可能。一般的な洗濯機では、洗濯槽を回すモータ、水を循環させるポンプ用モータ、乾燥用のファンモータなど、3つのモータを搭載。これらの3つのモータをRX66Tの1チップで制御しながら、同時に3つすべてのモータの異常を検知可能。

 我々がイメージするAIが学習を繰り返し賢くなっていくのとは正反対に、通常の制御の中にAIを組込みこむことで、不具合を検出。OT(Operational Technology)でAIを実装するのがe-AIだ。

 家電に搭載するマイコンとしてRXは高性能だ。その性能をOT状態の検知に活用。家電メーカのメンテナンスやサービス向上につながるのか、e-AIの試金石が今回の発表であろう。(記事:小池豊・記事一覧を見る

関連キーワード人工知能(AI)IoT(Internet of Things)ルネサスエレクトロニクス半導体ARM

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