転職希望者の増加で10月転職求人倍率は微減も依然として高い水準が続く

2018年11月13日 15:31

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 転職サイトを運営するリクルートキャリアとパーソルキャリアの発表によると、登録者数や転職希望者数が求人数以上に増えたことで、10月の転職求人倍率は昨年と比較してやや減少したものの、依然として高い水準が続いていることが分かった。

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■前年比マイナスも高い水準が続く

 12日、リクルートキャリアが転職支援サービス「リクルートエージェント」における10月の転職求人状況を発表した。転職求人倍率は1.68倍で前年同月比0.20ポイントの減少だった。求人数の増加以上に登録者数が増加したことで倍率が減少した。直近で高かった2017年12月の1.92倍から緩やかに減少する傾向が続いているものの、一般職業紹介状況の有効求人倍率(厚生労働省発表)1.55倍と比較しても高い水準となっている。

■建設エンジニア、コンサルティング業界が高倍率

 求人倍率が高かったのは、職種別ではインターネット専門職(4.09倍)、組込・制御ソフトウエア開発エンジニア(4.23倍)、建設エンジニア(4.44倍)など。業界別で高かったのはインターネット業界(3.56倍)、人材・教育業界(2.44倍)、コンサルティング業界(5.37倍)、建設・不動産業界(2.65倍)など。逆に求人倍率が低かったのは、職種別では医療技術者(0.46倍)、食品エンジニア(0.44倍)、オフィスワーク事務職(0.40倍)、制作・編集・ライター(0.53倍)など。業界別で低かったのは医薬・医療・バイオ業界(0.85倍)、消費財業界・総合商社(0.69倍)など。

■パーソルキャリアも高水準が続く

 12日、パーソルキャリアが転職サービス「doda(デューダ)」における10月の転職求人状況を発表した。転職求職倍率は2.11倍で前年同月比0.14ポイントの減少だった。リクルートエージェント同様に、求人数は増えているものの、それ以上に転職希望者数が増えたことで倍率が減少した。

■IT・通信業や同業界の技術職が高倍率

 求人倍率が高かったのは、職種別では技術系(IT・通信)(7.08倍)、技術系(電気・機械)(4.56倍)、技術系(建築・土木)(3.69倍)、専門職(5.84倍)など。業種別ではIT・通信(5.46倍)、サービス(2.42倍)など。逆に求人倍率が低かったのは、職種別では販売・サービス系(0.92倍)、事務・アシスタント系(0.19倍)など。業種別では商社/流通(0.87倍)、小売/外食(0.76倍)など。

 今後の見通しについては、「11月以降も求人数は増加する見込み」ながら、「前年に比べると増加幅はやや落ち着く」としている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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